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ソードアート・オンライン ~白の剣士~

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第一層《はじまりの町》にて

 
前書き
行ってみようー!ヾ(´▽`*)ゝ 

 
「ここに戻ってくるのは、花を手向けたとき以来か」

「花って、ハーモニーのメンバーにか?」

「ああ、月一のペースでな」

現在俺たちはユイの両親を探すために第一層《はじまりの町》に来ていた。
キリトによると今ここにいるのはここで暮らすプレーヤーと《軍》を合わせてニ千ぐらいとのことだ。こうして具体的な数字で見ると意外と多いことがよくわかる。

「ユイちゃん何か見覚えのある建物とかある?」

「う~・・・わかんない」

「そっか・・・」

「はじまりの町って恐ろしく広いからな」

「エリーはたまに迷ってたからな・・・」

「ちょっとシオン!」

「えっ、そうなの?」

「ああ、ハーモニーの頃に何度かな。あん時は探すのが大変だったんだからな」

エリーは申し訳なさそうにうつむいた。

「悪いとは思ってるよ。あのときはここのことなんてあまり知らなかったんだから~」

「エリーシャちゃんって意外と迷子になりやすいタイプ?」

「いや、どっちかと言えば知らない道をトコトコ行っちゃうタイプだな。少なくとも方向音痴というわけではないかな」

「どうして?」

「自分の中の地図を広げたいから、いわば冒険者タイプだな」

「なるほど~」

「ところでキリト。さっきここには二千人くらいがいるって言ってたよな」

「ああ、それがどうした?」

「そのわりには・・・」

俺は辺りを見回した。そこには宿舎や様々な建物はあるが、人の姿がない。

「人の姿が見えないんだが」

「確かにそうだな、一人くらいいてもおかしくないのに」

「とりあえず、ここにある教会に行ってみよう。聞いた話だとあそこではSAOにいる子供たちを保護してるらしいし」

「そうだな」

そして、俺たちは話に聞いた教会へと向かった。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

「ここか・・・」

俺たちは近くのプレーヤーの道案内を頼りに、教会にたどり着いた。
その教会は思ったより大きく立派な造りだった。

「すみませーん、どなたかいらっしゃいませんかー?」

アスナが声をかけるが応答がない。

「留守なのかな?」

「いや、人がいるよ。右の部屋に三人、左に四人」

「二階にも何人か・・・」

「うん、いるね」

「策敵スキルって、壁の向こうの人数までわかるの?」

「熟練度九八十からだけどな、便利だからアスナも上げろよ」

「いやよ、修行が地味すぎて発狂しちゃうわよ」

「そんなこと言わないでよママ~」

「そうだよママ~」

「うっ、で、でも~・・・」

俺とエリーからの攻撃にあたふたするアスナ。
しかし、何とか持ち直す。

「で、でも何で隠れてるのかな?」

「さーな。まあ、予想はできるけど」

俺は大きな扉の前に立った。

「俺たちは上の層からきたプレーヤーだ!少し聞きたいことがあるんだが!」

俺の言葉の直後、扉から黒渕のメガネをかけた女性プレーヤー

「《軍》の人じゃ、ないんですか?」

「違いますよ。上の層から来たんです」

「この子の保護者を探していて」

アスナとエリーが微笑みながら言った。
正直、アスナとエリーのあの性格には感謝している。こういうときに相手を不安にさせないという点では俺やキリトでは役不足である。

「ほんとに……軍の徴税隊じゃないんですね……?」

「ああ、というか隠れてた理由はやっぱりそういうことか」

「どういうことシオン?」

「アスナ、キリト。以前俺たちが会った軍の連中を覚えてるよな」

「うん」

「ああ、下層フロアを支配しているとか」

「そう、その軍の一部がここ、《はじまりの町》で資金源の調達とか何とか言ってプレーヤーから金をとってるってわけだ。二千人もいるのにほとんど人を見かけないのは外に出れば軍の徴税隊に捕まり金を取られるからだ。そうですよねサーシャさん?」

「はい・・・。ところで、どうして私の名前を?」

「そういえば、何でわかるのシオン君?」

「おい、アスナ。俺のスキルを忘れたか?《オーダー》を使えば造作もないことだろ?」

「ああ~。そう言えば」

「あの、《オーダー》というのは?」

「ああ、俺のスキルですよユニークスキルって言えば分かります?」

「はい、やっぱり本物なんですね」

「分かってもらえただけでも良かったですよ。ところで・・・」

俺はサーシャさんの後ろでこちらを見ている数人の子供を見た。上から来たということで人目見てみたかったのだろう。

「こら、あなたたち!中にいなさいって言ったのに!」

「上から来たってことは、本物の剣士なのかよ!?」

甲高い、少年少女の声と共にサーシャさんの後ろから出てきた。

「なんだよ、剣の一本も持ってないじゃん。ねぇあんたたち上から来たんだろ?武器くらい持ってないのかよ?」

「いや、持ってはいるんだがな・・・」

少年少女の声に目を白黒させるキリトとアスナ。その姿に俺はため息をついた。

「しゃーねーな、エリー」

「はいはい、キリト、アスナ。ここは私たちが相手するからサーシャさんと話してきて」

「うん、ありがとうシオン君、エリーちゃん!」

そう言ってアスナはキリトを連れて教会の中に入っていった。

「よし、それじゃあお前ら、ここに広い庭はないか?」

「うん、あるよ。この教会の裏」

「よし、それじゃあまずはそこに行こーか」

子供たちは元気よく返事をした。教会の裏に行くと言った通り、十分な広さの庭があった。

「《オーダー》“木刀”!」

俺は木刀を二本作ると一本をエリーに投げ渡した。

「勝負は一本勝負。寸止めで取るか、木刀が折れたらそこで終了、いいよな?」

「ええ、夫だからって手加減はしないわよ?」

「上等!俺もかわいい嫁だからって容赦はしねーよ!」

「では・・・」

互いに構える、ギャラリーの子供たちは息を飲む。そして・・・。

「はじめ!」

「はぁあああ!!!」

同時に踏み込んだその足は目の前の相手へと向かっていく。そしてぶつかり合う木刀は高い音をたてた。子供たちからは歓声があがり、俺も闘技場でのエリーとの戦いを思い出す。

「フッ!でやッ!」

「セェエイ!!!」

互いにソードスキルをぶつけ合うなか、俺たちの口は笑っていた。無理もない、久しぶりの実戦でしかも全力でやれるのだから。

「はぁあああ!!!」

「うぉおおお!!!」

二人の渾身の一振りを放った木刀はぶつかり合うのと同時に折れてしまった。

「はあ、今回は引き分けだな」

「そのようね・・・」

折れた木刀はエフェクトとなって消え、周りからは拍手と歓声が巻き起こった。

「スッゲー兄ちゃんたち本当に強いんだな!!」

「ねえねえ!どうやったらお姉ちゃんみたいにカッコよく戦えるの?」

「教えて教えて!!」

子供たちは俺やエリーこれでもかと質問してきた。エリーに至っては完全に呆気にとられている。
俺は子供たちを静めてこう言った。

「どうやったら強くなるかは正直、俺もわかんねーんだ。でも、ひとつ言えることは・・・」

俺は、未来の剣士たちにこう言った。










「どうすればいいかじゃない。自分がどうしたいか考えろ!」

それを聞いた未来の剣士たちはただ、元気よく返事をした。 
 

 
後書き
はい!久しぶりの更新です!(* ̄∇ ̄)ノ

ここんとこはずっと日本シリーズを見ている私です。

 
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