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彼女が欲しい俺の俺による俺のための部活

作者:(夏^ω^鄙)
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【1】

―――『新入生は体育館で待機してください。2年生、3年生は学年の先生に従ってそれぞれ解散です。』
始業式が終わり、放送でアナウンスが流れる。
今日は入学式と始業式であり、2年生に進級した俺の場合は始業式だ。
「2年生は3年生の片付け手伝っても邪魔でしかないから速やかに部活か帰宅すること。んじゃ解散で。」
と、2年の学年担当の教師が言う。
解散の挨拶もそこそこに、2年生は散り散りに部活か帰宅していった。
俺は部室へと向かう生徒に混じって、自分の部室へと歩を進めた。


ガチャッ
部室のドアを開ける。
そこには誰かがいるはずもなく、ガランとしていた。
いつものことなので気にせず入る。
自分用のパソコンが置いてある机へと向かうと、そこにパソコンはなかった。
「えっ!?俺のパソコンは!?・・・ん?」
パソコンの行方を探すべく辺りを見回したら、中央に置いてある大きい机の上に白い封筒が一つ置いてあった。
手に取り、封筒の中の便箋を取り出す。
「佐々 境(ささ けい)。この部に入部したいです。1年7組。・・・男か?」
まあそうだよな。
男なら誰しも彼女は持ちたいだろう。
運良くこの部を見つけて入ってやろうって感じか。
1年生は入学式が終わったら親と帰るんだっけ。
部室がわかったってことは明日辺りに顔出すのかな。
などと、新入部員について思いをめぐらす。
すると、
「おい、そこのお前。青春活動部ってここか?」
と偉そうな口調のアニメ声が聞こえてきた。
振り返ると、部室のドアの前にまだ幼さを盛大に残しまくった美少女が立っていた。
ミルクティー色の髪を編み込みと共にツインテールにしている。
「・・・は?お前誰」
リボンの色は水色。
ということは1年生だ。
さっき入学してきたばかりの奴が偉そうに先輩に口をきくとは。
「私か?私はササケイだ!さっきそこに入部届けを置いたのだが・・・」
ササケイって繋げて言うと面白いな。
「そうか、入部希望のササケイちゃんね。入部理由が書いてないけど?」
「“ちゃん”付けするな!気持ちが悪いッ!!みんなササケイって読んでるからササケイでいい。 入部理由は青春がしたいからだ」
初対面でキモイって言われたもう死にたい。
なんて思うがここは新入部員確保のためもう少し粘ってやる。
「あはは、ごめんごめん。 そっか、わかったよ。じゃあ学校にも入部届け出してそれが受理されたら正式部員な。 今日はもう帰る?入学式だったし色々疲れてるでしょ?」
すると、ササケイは近くにあったイスに座る。
偉そうに足を組んで座ったのだが、スカートが膝上10センチなため太股が見えて目のやり場に困った。
だって童貞だもの。
「まあ・・・な。いや、もう少しいてもいいか?まだ迎えが来てないんだ」
「そうなんだ。じゃあゆっくりしてってね」
と言ったところでパソコンの行方が不明だったことに気がついた。
「ねえ、ササケイ。ここにあったノートパソコン知らない?赤色なんだけど」
「パソコン?知らんな。 私が来たときにはなかったぞ?」
と、いうことはかなり早い段階でなくなってたのか。
いや、そもそもなんで俺より早くササケイは部室に来れたんだ?
2年と3年の方が解散早かったはずなんだけど。
「もしかして、入学式後の今後の予定とか聞かずに部室来た?」
そう尋ねると、ササケイはドヤ顔で
「ああ!あんなもの聞かずに来たぞ!」
と、答えた。
じゃあパソコンってそういう1年生とかに盗まれたのかな。
でも部室の鍵閉まってたし・・・。
思案していると、ササケイが素早い反応速度で猫のようにイスを降りてドアを開けた。
はっ・・・、今の一瞬だったぞ?
いくらドアから近いイスに座ってても立って足を出すのに時間がかかるぞ・・・。
ガチャッ
そんな俺のことは気にせずにササケイはドアを乱暴に開けた。
「きゃっ・・・!?」
ササケイのような高いアニメ声ではないが、女子らしい声が響いた。
「おい、こいつがパソコンを盗んだぞ。手に持ってる。」
ササケイが引っ張ってきたのはリボンが赤色の3年生の先輩だった。
胸がでかく、ササケイに引っ張られるたびに揺れている。
長い黒髪を背中に垂らしていた。
「あの、黒河 士奈(くろうち しな)くんですよね・・・?」
 
 

 
後書き
と、言うところで【1】は終わりでございます!

次回をお楽しみに!! 
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