BALDR SKY
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14数年後、北欧。統合政府軍事基地
前書き
間は閑話を書くかも知れません。
この話はあの子を仲間に率いる為の話です。なお、変な連中が出て来る可能性があります。おきになさらないでください。
数年の月日が流れ、俺達は中学生となった。そして、母さん達と資金稼ぎの為に北欧にやって来た。正確には父さんの移動がてらだが。さて、北欧は今現在も統合政府とゲリラが戦い続けている戦乱の地だ。そこに母さん、俺、エセルドレーダ、レイン、メイ、リーナ、フランでやって来ている。フランはあれから少しして、4年生くらいの時にこちらに合流してきた。その時には俺に抱きついてくるくらいになっていたので、本当にカティアさんに色々と吹き込まれたようだ。どちらにしろ、彼女は戦力になるので彼女用の機体を渡して、カティアさんにお礼としてシュミクラムを送っておいた。ちなみに変態狼さんは俺との大戦に向けて鍛えているそうだ。
「統合軍北欧方面軍指令ルイス・アルベス少将だ」
「GOATの勲・桐島少将だ。こちらはGOATの委託PMCヘル所属、ヘイゼル大佐だ」
母さんや俺達も階級が上がっている。一応、GOATに所属しているからだが。ちなみにヘルはフェンリルに対抗したらしい。
「あのヘルがこんな子供達で形成されているとは……」
うちらは一切容赦しない。GOATの仕事ではだ。逆に個人の仕事では利益優先だったりする。
「実力は確かだ。それに、私達はネットでの仕事だから、実力が有れば構わんさ。では、用意した家に案内させよう」
「ルプティ」
「はっ!」
「案内してやれ」
「了解!」
軍人に連れられて、俺達は軍施設内にある宿舎の一室を貰った。そこは高級将校用なので、問題は無いがちょっとセキュリティが甘い。其の辺はさっさと強化する。
「それで、これからどうするの?」
フランの質問に簡単に答えながら、皆で盗聴器などを外していく。
「反統合ゲリラを片っ端から撃滅する。そのついでに使えそうな技術や資金をいただく」
「ん、わかった」
「じゃあ、私が調べておきますね。ダイブ用のベットも問題無いですか?」
「こっちは問題無い。仕掛けは破壊した」
「レインの方は?」
「基地の構造体が随分と弱くなってますね。バックドアも仕掛けられているようです」
「じゃあ、取りあえずはそこから潰すか」
陥落寸前の場所になんか居たくないしな。
「誰が行くの? ヘイゼルさん、どうします?」
「そうだな……フラン、メイ。お前達で行ってこい。あと詰めにレインだ。シャルとエセルドレーダは構造体の強化と不正の洗い出しを頼む。APは状況に応じてレインが送ってくるデータを元に本拠地を判別。私は保険だな」
「「「「了解」」」」
すぐに全員が行動を起こす。先ずは3人がベットに寝て、ダイブしていく。虐殺になるだろうが、どうなる事やら。
フラン
助けてくれたシャルとは連絡を取り合っていた。そして、頑張ってお父さんの許可を取って、こちらに来た。1年間、一緒に過ごしてシャル達のレベルの高さには驚いた。でも、シャルが手とり足とりで教えてくれた御蔭でだいぶ私にも理解できた。そして、シャルお手製のシュミクラムを貰えた。お母さんにはその試作機を渡したみたいで、喜んでいた。代わりにドックタグを貰ったみたいだけど。
『こちら、AP。フラン、大丈夫ですか?』
「ん。こちら、フランツィスカ・グットマン。システムオールグリーン。問題無い」
この機体のスペックはかなり高いらしい。不思議なシステムも搭載しているそうだ。
『それでは、メイ少尉が前衛。フラン軍曹が後衛でお願いします。おそらく、大丈夫だとは思いますが、シールドを構えて行ってくださいね』
「「了解」」
『こちら、レイン少尉。バックドアの解析を終了。転送可能ですが、敵領域のようです。人質が居るかはわかりませんが……今回はお二人にお任せします』
「大丈夫。気にしない。メイ少尉はどうする?」
「バックドアの先が一般施設とは思えないですよ。レインさん、あちらの構造体は丈夫ですか?」
『丈夫……ですね。一応』
何をする気なの?
「分かりました。AP、メイ少尉とフラン軍曹で突入するけど、目的は敵基地の破壊でいいんだよね?」
『構いませんよ』
「じゃあ、フラン少尉は私が入った後、1分後に入ってきて」
「了解」
シールドを構えたメイさんが、突入準備を開始しました。
「サイサリス、これより突入します!」
バックドアから移動していったメイさんのサイサリス。それから、少しして悲鳴が聞こえてきました。
『メイさん、やりすぎです! 構造体が崩壊しますよ!』
『後何分?』
『えっと、41分です』
『なら、大丈夫。フラン軍曹、来て』
「はい。フランツィスカ、出ます!」
【移動】
『ああ、もう!』
私も移動すると、そこには巨大なクレーターが出来ていました。とても、シュミクラム1体がしでかした現状だとは思えません。そこでまともに立っているのは、バズーカを構えたメイさんのサイサリスだけです。
「来ましたね。こちら、メイ少尉。これより、フラン軍曹とバックアップにレイン少尉とコードネーム・ソロモンで活動開始。残り39分以内にコアまで到達してデータを引き抜いて戻ります」
『了解。好きにしてください。ただし、生きて帰ってくださいよ』
「「了解」」
私は前を行くサイサリスの後をついて、移動します。敵は大混乱に陥っていて、簡単に通れます。
『前方に混乱した敵部隊。まもなく交戦開始します。注意してください』
「フラン、任せていい?」
「はい。大丈夫です」
私は機体の速度を上げてサイサリスの先に躍り出ます。そして、敵が見えた瞬間。次々にマルチロックオンシステムでロックしていきます。
『交戦開始!』
敵の数は21機。その全てロックオンして、フルバーストモードに移行。
「ファイア」
膨大な数の火器から、ビームを放って纏めて敵を貫いて駆逐していく。ヴォーダンのロックオンシステムを改造したマルチロックシステムは圧倒的だった。
「クリア」
「了解。このまま突入します」
「座標、絞り込めました。統合軍に出動要請、願います」
『了解』
レインさんが仕事をしたようだ。それにメイさんもビームバズーカで敵を蹴散らしながら進んでいる。私も頑張って撃ち落としていく。すると、コアには残り17分というかなり余裕を残した状態で到着出来た。
『開幕と同時にアトミックバズーカは止めてくださいと、言ってるじゃないですか! いくらかかると思っているんですか!』
「さ、さぁ……?」
『……コアの制圧完了しました。これより、離脱プロセスを開始します。お疲れ様でした。なお、今回の報酬は交渉次第ですが、赤字になりますので、メイ少尉は赤字分小遣いから引かせて貰います』
「ちょっ!? ま、待ってリーナ!」
『待ちません』
私達の機体はハイスペックだけど、その分値段が普通より高いそうだ。全力戦闘すると、ほぼ赤字になるそうで、大変。主にリーナが怒ってくる。
「ちょっ、こないだだって殆どなかったんだよ!」
『レインさんやご主人様みたく、プラスにしてください。なんで一番低コスト機体のサイサリスが、一番コストかかるんですか!』
「そ、それは……」
『アトミックバズーカを撃ってるからですよ。今後は気を付けてくださいね。じゃないと、逆にお金を貰いますよ』
「は、はい……うぅ……帰ろっか」
「はい」
本当に、大変そうです。リーナもですけど。
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