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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0404話

 リュボースの用意した飛行魚がオスティアへと向かっていく。
 飛行魚から下りたあやか達と共にここまで運んできてくれた飛行魚の後ろ姿を見送ってから、改めてもう1隻の飛行魚へと目を向ける。
 その姿は、まさに金魚としか言いようのない姿をしていた。

「へっへー。いいでしょ、私の才能の成果よん」

 地上へと降りてきた早乙女が自慢気にそう言い放つ。
 いや、実際に個人で飛行魚を保有したとかを考えれば大した物ではあるのだが……

「まぁ、それは置いといて」
「ちょっと、アクセル君。スルーしないでよぉっ!」

 すがりついてくる早乙女を文字通りにスルーしてこっちのメンバーとの再会を喜び合っていたネギや神楽坂、近衛といったメンバーに声を掛ける。

「で、結局見つかっていないメンバーは綾瀬だけでいいのか?」
「その、夕映さん以外にもアーニャが……」
「アーニャ?」

 その名前を呟き、すぐにそれが誰だったかを思い出す。ネギの幼馴染みだ。そう言えば確かにあの強制転移させられた時に俺達と一緒にいたな。

「ん? あの放送だと明石や佐々木の行方はまだ分からないみたいな事を言ってたが、その辺はどうなったんだ?」
「あ、その2人とはあれから連絡は取れたんだ。オスティアで合流する予定になってるからもう少し掛かるんじゃないかな」
「となると、綾瀬とアーニャ以外は全員揃ってる訳か。なら俺はともかく、お前がナギ・スプリングフィールド杯にわざわざ出る必要があるのか?」

 その俺の質問に、顔を暗くして頷くネギ。

「うん。実はあの放送では伝えられなかったけど、亜子さん、アキラさん、夏美さんが奴隷にされてしまっていて……その解放に必要な金額を稼ぐ為にはナギ・スプリングフィールド杯で優勝するくらいしか思いつかなくて……」
「……夏美ちゃんが奴隷、ですって?」

 ゾクリ。ネギの話を聞いていたのだろう。千鶴が得体の知れないプレッシャーを発しながらこちらへと近付いてくる。
 尚、あやか、千鶴、美砂の3人も既に円と同様に年齢詐称薬の効果を消しているので既に幼女の姿ではなくなっていた。

「ネギ先生、ちょっと詳しい話を聞かせて貰えませんか?」
「え? ちょっ、那波さん!? アクセル君、アクセル君!」
「ヲホホホホホ。大丈夫ですよ、お話を聞くだけですので」
「じゃあ、その手に持ってる長ネギは何ですか!? っていうか、どこから出したんですかーーーーっ!」

 悲痛な叫びを上げながら千鶴に引っ張られていくネギを見送りながら、その場にいる者達は皆合掌するしかなかった。

「で、ネギ君が連れて行かれたから代わりに私が話を進めるけど奴隷にされた3人を解放するには100万ドラクマが必要な訳よ」

 ネギが連れて行かれると、それに変わって朝倉が説明をする。
 にしても100万ドラクマか……

「確かにナギ・スプリングフィールド杯の賞金が100万ドラクマだったな」
「そ。だからネギ君達は拳闘士になって大会に出場する事にしたんだけど……まさかアクセル君も参加してくるとはちょっと予想外だったわ」
「100万、か……ちなみに、現在の全財産は?」
「え? えーっと……ね、パル。パルの飛行魚って幾らで買ったの?」
「中古で15万ドラクマだけど……って、ちょっ! 朝倉、あんたまさか!」

 質問に答えて、朝倉が何を考えているのかが分かったのだろう。慌てて朝倉へと走り寄る。
 15万ドラクマ。日本円にして約900万円だ。俺のように稼ぐ当てがあるのならともかく、よく早乙女が稼げたな。

「中古で15万。となると、頑張って売っぱらってもせいぜい10万って所よね。ちなみにアクセル君の方は?」
「私達の全財産は大体30万ドラクマ程ですわね」

 朝倉の質問に答えたのは俺ではなくあやかだった。一応金を預かってるのは俺なんだが……

「30万って……パルの15万も凄いけど、どうやってそんなに稼いだの?」
「キズクモで行われた代表決定の為のトーナメントで、アクセル君に賭けただけですわ」

 感心すると言うよりは呆れたという表情の朝倉に、あっさりとそう答えるあやか。

「賭けるって言ったって、元手になるお金が必要でしょうに。私達もその方法は考えたんだけど、結局はその元手になるお金がない所為で焼け石に水って事で諦めたんだし」

 そんな朝倉の質問だったが、それに対してあやか、美砂、円の3人は苦笑を浮かべ、茶々丸は黙ったまま頷き、いつの間にか側にいたリュボースは興味深げに俺の方を見ている。さらには神楽坂や近衛といった面々も同様だった。
 その圧力に押されるようにして口を開く。

「そんなに難しい事じゃない。俺達が転移させられたのは、迷宮みたいな所でな」

 と言った途端、今度は宮崎を保護していたトレジャーハンター組の目がキラリと光るが、そこは流させて貰う。

「で、そこを脱出したらジャングルで、その近くにあった街まで辿り着いたんだが……何しろ、TVも碌にないような田舎でそれこそ警察機構みたいなのも無い訳で、非合法の奴隷売買組織なんてものが存在した訳だ」

 そこまで聞くと、大体俺がどうやって金を稼いだのか理解したのだろう。朝倉やトレジャーハンターの4人は苦笑を浮かべる。

「そいつ等が俺達にちょっかいを掛けようとしてきたから撃退して、ついでにそいつ等が溜め込んでいた金を根こそぎ慰謝料として譲って貰った」
「あー……さすが大魔王ね」
「大魔王やなぁ……」

 神楽坂が呆れたように呟き、近衛もまたそれに同意する。

「で、ナギ・スプリングフィールド杯に拳闘士団に所属しないで、尚且つ普通ならタッグ戦の所を個人で出場した俺は大穴な訳で……後は分かるな?」
「なるほど。確かにそれはネギ君や小太郎君には出来なさそうな金儲けの仕方だね。でも、大穴を何回も繰り返してるにしては、30万ドラクマって少なくない?」
「ああ、まさかこんな事になってるとは思ってなかったからでかい買い物をしてしまってな」
「でかい買い物?」

 朝倉の言葉に頷き、空間倉庫からダイオラマ魔法球を取り出す。

「あ、これ私見た事ある。エヴァちゃんの別荘じゃん」
「そう、神楽坂の言う通りだ。ただ、エヴァの持ってるのよりもかなり高性能なんだがな。だが、高性能なだけに当然値段もそれ相応な訳だ」
「……幾らだったの?」
「35万ドラクマ」
「ちょっ、じゃあ魔法球買ってないなら現在手持ちの30万ドラクマ+35万ドラクマ+パルの10万ドラクマで残り25万ドラクマだったんじゃない!」

 朝倉が叫ぶが、文句を言うのなら奴隷云々というのを俺に対するメッセージに含まなかったネギに言ってくれ。

「つーか、朝倉。私の船を売る事前提で話を進めないでよ」
「何よ、パル。あんたもしかしてクラスメイト3人が奴隷のままでも自分の船の方が大事だって言うの?」
「いや、さすがにそうは言わないけどさぁ……っていうか、アクセル君。何かいい金儲けの方法無いの? こう、パーッとすぐにアキラ達を奴隷から解放出来るような奴」
「まぁ、無い事も無いが……」
「そうだよね、そんな簡単な話……え? あるの!?」

 早乙女のその声に、その場にいた3-A関係者の視線が集中する。

「アクセル、それ本当?」

 皆を代表するようにして問いかけてきた神楽坂の声に頷く。

「ああ。俺が提供出来る方法としては3つある」
「3つも!?」
「1つ、俺の個人的な財産を売り払って金を作る。例えば」

 空間倉庫から金塊を取り出す。

「こういうのだな。ただし、この場合は売る時に足下を見られないようにある程度の信頼を持った人物が必要だな。少なくても、俺達のように賞金首だったりするのは論外だ」

 そう言いながら、リュボースの方へと視線を向ける。
 一応トレジャーハンターの4人もいるが殆ど初対面なので、より信用出来るリュボースを選んだ訳だ。

「まぁ、それでアクセルさんがナギ・スプリングフィールド杯に集中してくれるというのなら私としても吝かではありませんが……」
「うーん、いい手段だとは思うんだけど、売るのってアクセルの私物なんでしょ? 亜子ちゃん達が奴隷から解放されても凄く気に病むんじゃないかなぁ……」
「せやねぇ。和泉さんにしても、大河内さんにしても、村上さんにしてもその辺を気にしそうやわ」

 神楽坂の言葉に近衛が頷く。その隣では桜咲と長瀬も無言で頷いていた。
 確かにあの3人ならそういう事を気にして、逆にストレスで体調を崩してしまいそうではあるんだよな。それにこの魔法世界での金塊の取引価格とかが分からないから、下手をしたら予想よりも大分安くなるという可能性もある。

「まぁ、アクセルの金塊を売り払うのは最終的な手段として。2つ目は?」
「俺達が最初にやったように、非合法だったりあるいは表沙汰に出来ないような金を溜め込んでる場所を襲撃して根こそぎ金を奪ってくる。この場合の利点として非合法故に犯罪的な組織を襲撃する事になるから、俺達が潤う他にもいわゆる善良な一般市民がそういう非合法組織とかに関わる危険性が減るというものがあるな」
「……悪者を襲撃してお金を奪うって……あんた、そんな事をしてるから大魔王って呼ばれるんじゃないの?」
「そう言えば、キズクモ代表決定戦の決勝戦でも解説の実況中継で大魔王とか呼ばれてましたね」

 神楽坂の台詞に、リュボースが納得したように頷く。それを聞いていた神楽坂は呆れたような目でこっちを見てくる。

「あんた、何処に行っても結局大魔王扱いなのね」
「放っとけ。で、この2番目の案はどうだ?」
「却下に決まってるでしょうが。他人から金を奪うなんて犯罪をやれる筈がないでしょ!」
「いや、犯罪は発覚しなければ犯罪じゃないんだがな」
「発覚してもしなくても犯罪は犯罪よ!」

 がーっとばかりに俺のアイディアに反対してくる神楽坂だったが、早乙女がそこでボソッと口を開く。

「けど私達ってそもそも賞金首で犯罪者扱いじゃなかったっけ?」
「うっ、そ……それは……」
「まぁ、からかうのはこのくらいにしてだな」
「ちょっ、アクセル。あんたからかってたの!?」
「いや、からかうって言うか、俺は本気なんだけどな。ネギが嫌がるだろう?」
「確かにネギなら嫌がりそうだけど……」

 実際一番手っ取り早いのはこの方法なんだが、最大の欠点としてはそういう非合法組織がどこにあるのかをどうやって調べるかだ。
 ……いざとなれば長瀬がいるにはいるんだが。
 チラリと長瀬の方へと視線を向けるが、長瀬としてもこの案には反対なのか目を逸らされる。

「で、最後の案なんだが。まぁ、本命と言ってもいいだろうな。簡単に言えば俺達が今までやってきたのと同じだ。ナギ・スプリングフィールド杯が始まったら俺かネギに賭ければいい。手元にあるのが30万ドラクマ。ここの滞在費やらいざという時の事を考えて取りあえず5万ドラクマを抜いて25万ドラクマ全額を俺とネギの試合がある度に賭け続ければ100万ドラクマの達成はそう難しい話じゃないだろう。それに、俺は拳闘士団に所属していない上にタッグ戦なのにソロ出場だからな。1回戦、2回戦辺りのオッズは相当高いだろうし」
「なるほど……って、それが本命なら最初に言いなさいよね。でも、確かにそれならいける可能性は高いわね。アクセル個人の持ち物を売るのに比べたらあの3人も気にしないと思うし」
「まぁ、ギャンブルで手に入れた金だしな。……ただし、ここでも問題がまた1つ」
「何、また何か問題があるの?」

 溜息を吐きながら先を促す神楽坂に、苦笑を浮かべつつも口を開く。

「誰が俺達に賭けるか、だ」
「何よ、そんなの私が……あ、そっか。賞金首」

 自分で言ってて気が付いたのだろう、納得したように呟く。
 何しろナギ・スプリングフィールド杯が開かれている以上このオスティアには腕利きが多く集まっているのだ。俺達が賞金首だと知られたらどうなるか想像するのはそう難しくない。

「かと言ってキズクモで俺達がやってたように年齢詐称薬で子供に変身して賭けるとなると、それこそ余計な奴等が群がってくる可能性がある」

 実際、あやか達もキズクモではチンピラに絡まれていたしな。それで騒ぎになるのは賞金首としては避けたい所だ。

「つまり、賞金首とかじゃない一般人。それもチンピラとかに絡まれてもある程度の自衛が出来る人物に頼んで賭けて貰うのが一番な訳だが……」

 一般人という意味ではリュボースも当てはまるのだが、自衛という点で疑問符が付く。そしてそういうのに最適な人物は……
 目星を付けていた人物達にチラリと視線を向ける。

「え? 俺達!?」

 そう、宮崎をここまで連れてきてくれたトレジャーハンターの4人組くらいしかいない訳だ。俺自身はまだ会ったばかりでその性格とかを余り知らないが、宮崎が懐いていたと考えるとその辺は問題が無い……と思う。

「あー……まぁ、話を聞いてしまった以上は手助けをしない訳にはいかないよなぁ……よろしくな、坊主。俺はクレイグって言って、こいつらを纏めてる」
「ああ。報酬に関してはネギが戻ってきたらそっちと話して決めてくれ」

 ……千鶴の長ネギをどうにかして戻って来られたら、だが。

「お話は決まったようですね。では、そろそろオスティアの方へと向かいませんか? 何しろ道中のトラブルがあったのでまだ大会の申請とかが行われていないんですよ。幸い性能の良い飛行魚はある事ですし」
「おねーさん、なかなかお目が高い! このグレートパル様号はお買い得だよ! ……いや、売らないけどね」

 そんな早乙女の自慢話を聞きつつも、俺達は改めて合流を祝いながらオスティアへと向かうのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊

撃墜数:392 
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