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ヘタリア大帝国

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TURN90 密林という名の迷路その七

「あれや」
「あれが幻獣ハニーか」
「そや」
 こうレーティアに答える。
「俺もはじめて見たで」
「アステカの国家でもか?」
「そや、このアマゾンの奥はな」
 ここはだというのだ。
「ハニーさんとブラジル、ここの現地民しか入られへんのや」
「それはどうしてだ?」
「宙形が複雑でや」
 それが理由だというのだ。
「知ってる奴やないととてもな」
「入ることが出来ない、そしてだな」
「出ることも出来んで」
「それがこのアマゾンの奥か」
「さっきの戦域までは行ったことがあるんや」
「だがここにはか」
「来たことがない。それはな」
 アルゼンチンはキューバ達の艦隊をここで見た。
「あの連中もやで」
「普段はブラジルが中心やねんや」
 そのキューバが答える。
「帝都や、けどな」
「このアマゾンの奥は何だ?」
「最後の隠れ場所、そして秘儀を行う場所や」
 そうだというのだ。
「ここはそうなんや」
「まさに国の最深部か」
「ほんまに俺等でもな」
 ブラジル以外の国家でもだというのだ。
「ここまで入ったことはないんや」
「ううむ、そうか」
「ハニーさんとブラジルにな」
 そしてだというのだ。
「のぞみちゃんとここの現地のハニワさん達だけが出入りしとるな」
「のぞみ?」
「ああ、のぞみちゃんっておってな」
「名前を聞く限り日本人に思えるが」
「そや、日本から来た娘で遭難して中南米に流れ着いたんや」
 それがそののぞみという娘だというのだ。
「それでハニーさんが女神って崇拝してるんや」
「そうした娘もいるのか」
「その娘位やな」
「アステカには謎が多いな」
 レーティアはのぞみの話を聞いてあらためて呟いた。
「だが今はだ」
「明石大佐も何とか宙図を作ってくれたからな」
 実は第二戦域から先は流石に潜入出来ず現地のハニワ族に催眠術をかけて聞き出した宙形なので曖昧なことは否定出来ない。
 東郷はこのことを理解しながら話した。
「進んでいく」
「ほなハニー倒すんやな」
「そうする。この幻獣はどう攻めるべきか」
 アルゼンチンに応えながら言う。
「それが問題だが」
「ここは正攻法しかないだろう」
 レーティアは大怪獣に匹敵する巨大さを誇示する幻獣を見ながら東郷に言った。
「ここはな」
「そうだな。ではだ」
「多少の犠牲は仕方がない」
 東郷も今はそれを覚悟してる。
「行くか」
「それではな」
 全軍で射程を合わせる、そのうえで。
 機動部隊から艦載機を出しビームも放つ、ミサイルに鉄鋼弾も。
 だが幻獣は容易に倒れず反撃にビームを雨の様に放つ、それを受けて軍全体がかなりのダメージを受けた。
「戦艦ミズーリ中破!」
「空母長安被弾!」
「怯むことはない」
 東郷はこの状況でも声を荒げない、落ち着いたままだ。 
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