ヘタリア大帝国
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TURN90 密林という名の迷路その三
「あの星域は気をつけてくれ」
「熱帯ですね」
「湿度が並ではない」
「しかも宇宙にも密林があり」
「雨も多い」
フェムが降らすそれがだというのだ。
「迷路の様な密林に加えてな」
「雨もとなると」
「かなり厄介な戦場になる」
それがアマゾンだというのだ。
「しかも宇宙怪獣の数もこれまでよりかなり多い」
「そして特に」
「私も名前を聞いただけだが」
「明石大佐の送ってくれたファイルにも名前がありますが」
東郷はそのファイルを実際に手にしたままイスパーニャに応える。
「それでもです」
「よくわかっていないな」
「幻獣ハニーのことは」
「それの存在もある、これまで以上に厄介な戦場だ」
「尚且つ地の利は向こうにあります」
「容易にはいかない、慎重に行こう」
「それでは」
イスパーニャの言葉も受けてだった、東郷は軍をアマゾンに進めた。アマゾンに入るとそこは実際にだった。
まさに迷路だった、しかも雨がかなり多い。
「湿気が凄いですね」
「艦内の除湿機能及びクーラーを効かせることだ」
東郷は秋山に返した。
「さもないと戦闘どころじゃない」
「そうですね、コンディションの維持も必要ですから」
「だからだ、ここはだ」
「コンディションを維持させたうえで」
「攻めていこう。後は」
ここで東郷はモニターにあるものを映し出した、それは何かというと。
このアマゾンの宙図だった、立体に映し出されたそれを見てまた言った。
「この宙図に従ってだ」
「攻め入っていきましょう」
「大佐が作ってくれた地図だ、有り難く使わせてもらいましょう」
「敵のいると思われる場所ですが」
秋山はすぐに宙図の中に幾つかポイントを示した、そこは何処も要所であったり惑星の近辺であった。
「こうした場所です」
「そこに敵がいる、だが」
「はい、 分散配置になっています」
要所が多いならそれだけだった。
「我々はこれに対してです」
「戦力を集中させていくか」
「分散には集中です」
秋山は対し方も話した。
「航路は狭い場所も多いですが何とか集中させて行ける間隔です」
「それならだな」
「各個撃破、そしてです」
これだけではなかった、秋山のここでの作戦は、
「敵の各戦隊の通信、連絡を絶っていきましょう」
「と、なるとだ」
「別働隊を編成するべきです」
秋山は参謀総長としてその頭脳を回転させていた。
そのうえでこう東郷に話したのだ。
「機動力があり隠密性にも秀でている」
「潜水艦だな」
「彼等に戦闘の都度後方に回ってもらい」
「そして敵の通信、連絡を遮断してもらいつつだな」
「攻めていきましょう、これでどうでしょうか」
「わかった」
東郷は秋山の提案をよしとした、そしてだった。
枢軸軍は全軍で最初の攻撃目標に向かった、その進撃の際。
ダグラスは己の乗艦であるエンタープライズ、大規模な改装により驚異的な性能上昇を果たしてその艦橋においてこう漏らした。
「参ったな、渋滞だな」
「きつきつの進軍だね」
「ああ、お互いにぶつからないようにしないとな」
アメリカ妹にもサングラスの奥の目を顰めさせて言った。
「しかも速度を維持してだからな」
「きついね。雨も多いし」
「ミノフスキー粒子も相当な量だ」
視界だけでなくレーダーにも悪影響が出ていた。
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