もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
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とある少女の魂魄分裂・ⅸ
前書き
お気に入り数が600を突破。この作品を600人くらいの誰かが常に監視していると考えると(ry
ルイージマンション2楽しすぎワロタ。
皆さん、「自分がもう一人いれば代わりに〇〇やらせるのに」って考えたことあります?多分皆さん一度は考えたことがあると思います。まぁ中には「分身しても所詮自分だから怠け者が増えるだけ」とそれをばっさり切り捨てた猛者もいるかもしれませんが。
トイレ中の来客。食事中の電話。手が離せない時や忙しいときは特にそう思いますよね。でも・・・
「「「「「現実に起きると何ともコメントし辛いね・・・」」」」」
・・・いざ出来る様になったら、それはそれで困るものです。
~ とある少女の魂魄分裂・ⅷ ~
今、私の手元にはとある漫画があります。その名も「封神演義」、漫画版。古代中国ファンタジー物の皮をかぶったこいつが何故ここにあるかというと・・・
「四宝剣の前の持ち主ってどんな人だったんだろう?」
ぶんっ、どさどさ。
はい、また朝に寝ぼけて暴発させました。ご丁寧に漫画形式で。22巻と23巻しか出番なかったですが。完全宇宙人じゃんコレ・・・私このラスボスと同じレベルのパワー持ってんの?百人とか用意できそうな勢いじゃないですか!物好きに「一個貰っていきますね」とか言われたらどうすんのさ!エロ同人みたいにされるのはヤダよ!?
この分身、魂魄・・・つまり魂のほんの一部分を削って作り出す仕組みらしく、米粒一個分の魂でも分身として機能するそうだ。憑代である肉体があれば魂魄は直ぐ再生するから使い過ぎて寿命が縮むというのは可能不可能でなく無理に近い。
でもせっかくだから気合で分裂してみたら、自分と同じ間抜け面4人が目の前に。
1号「どうしよっかこれ?」
2号「先ずははやてちゃん起こしに行こうよ!」
3号「その前にヴィータちゃんを・・・って私が行けばいいのか」
4号「じゃあ私は朝ごはんの準備始めておくわ」
5号「私は朝刊取りに行くついでにゴミ捨ててくる~。今日は資源ごみの日だよね?」
1号「じゃあ私は二度寝す・・・冗談だからそんな目で見ないでよぅ」
2345号「「「「指摘されなかったら本当に寝る気だったんでしょ?」」」」
1号「ふぐぅ、流石私・・・!」
結論、分身出来ると一人コントが出来る。
= = =
「こんなレアスキルは聞いたことが無い・・・すべての分身にオリジナルと同じ容量のリンカーコアがあるなど・・・!?しかも何体出してもオリジナルの力が削がれないばかりか意識の共有までなされ、あまつさえ実質的な無限増殖だと!?出し得ノーリスクもいいところではないか!!!」
何日か前まであ行しか喋れなかった管制人格ちゃんことリィンフォースが頭を抱えている。それだけ私の分身能力が頭おかしいからだ。私自身もおかしいと思うがどっこいこれが現実である。オリジナルが消えても魂魄の欠片がどっかに宿ってさえいれば再生可能だというのは黙っておいた。
いやね、私が何人もいれば皆「!( ゚д゚ )?」ってなる訳で。ここは一番この中で魔法に詳しい彼女に説明することになったのである。
あ、言い忘れてたから彼女がこの状況に至った顛末を説明しよう。
前回の呼びかけが功を奏したのか管制人格ちゃんはどうにか会話できる状態になり、はやてちゃんが「祝福の風」と言う名を与えた辺りで闇の書内から人型で出て来たのだ。片足ニーハイソックスとかファッションレベル高ぇな。
こうして、リアル家族が増えたよ状態でこの家は晴れて6人+一人と一匹家族になった。
私も基本的には此処に居候しているのでリィンと喋ったり世話を焼く機会もそれなり。で、今日親しくなった証拠とばかりに隠さず喋ったらコレである。四宝剣の事まで話したら発狂しかねないので黙っている。
「リンカーコアの魔力ランクがSSSオーバーというだけで化物レベルなのにノーリスク分身・・・しかも本人の完全なコピーだからデバイスを持たせればデバイスもコピー・・・仮に苗にデバイスを持たせ分身を100人用意したとして魔力ランクSSSオーバー×100人の魔導師軍団!?適当に射撃魔法を撃ってるだけで戦争が出来るレベルだぞ!!?」
「もし苗が魔法を覚えれば管理局の魔導師を総動員しても勝てなくなるな・・・」
「いや、いやいやいや何だそのチート能力!?お前古代ベルカに居たら聖王も倒せたんじゃねぇのか!?」
「・・・ごめんザフィーラ。私魔法関係って良く分からんのやけど・・・聖王って凄いん?」
「魔導師が群雄割拠した古代ベルカで王であることを認められた人物です。少なくとも当時の魔導師の中では最強でしょう。我々とて聖王が相手ならばどうなるか・・・」
・・・個人的には多重影分身止まりみたいな力かと思ってたんだけどこの世界ではそういう訳にはいかないみたいです。というかりんかーこあって何なの?次元世紀末における北痘神げんこつみたいなもの?
こうして、急遽八神家家族会議が始まったのである・・・
議題其の1、苗が捕まったら・・・?
「間違いなく人体実験の材料にされますね。あなたの身体は魔導師の素体として優秀すぎます」
「捕まるって・・・例えばどんな?」
「次元犯罪者と呼ばれる連中と・・・時空管理局も可能性があります」
「時空管理局・・・って何や?」
時空管理局:次元の壁を超えられる技術と魔法技術を独占的に保有し、全次元の絶対的正義を主張している武装集団。国家権力の発動たる治安維持と司法裁判の二つの権力が集中しており、立法も実質的に行っているために彼らの本拠地ミッドチルダは事実上管理局の独裁に近い環境にある。また、他世界、他国への侵略、権利侵害行為をあらゆる理由で正当化しており、10歳以下の子供さえ戦いの矢表に立たせるなど著しく反社会的な部分が目立つ。原則として人間の殺害、質量兵器の使用をあらゆる状況で禁止しているが、実際には現場の判断で殺害することもある。人権意識が薄く、人間以外の知能を持った生命体に対して非人道的な対応を取ることもしばしば。非人道的な実験や行為も裏では行われている事は想像に難くない。主な行動目的は古代魔法技術の回収及び独占にある。
(※このメンバーの中で一番管理局に造詣が深いリィンフォースが8割ほど私怨を込めて説明しています。鵜呑みにしないでください。またヴォルケンリッターは管理局の実情をあまり知らないので半分ほど想像で説明しています。事実とは大きく異なる部分があるかもしれません)
「・・・めちゃめちゃ危ないやないか!普通に怖いわ!!」
「心配すんなよはやてにナエ!アタシ達ヴォルケンリッターに敵はいねぇ!!」
「きゃーヴィータちゃんかっこいい!!でも口の周りにアイスついてるー」
議題其の2、リンカーコアってなぁに?
空気中の魔力素 ⇒ 「人体内にある魔力機関」で吸収 ⇒ 魔力に変換して放出
↑
これがリンカーコア。
「誰にでもあるものじゃないのよ?これが無いと魔法を行使できないの」
「ちなみに主はやてと苗のリンカーコアは魔導師でも最大クラスです」
「というか苗殿のリンカーコアは大きさが規格外なのだが」
「ほえー・・・全然実感わかんわ」
「右に同じー」
議題其の3、これが魔法だ!
「では試しに苗ちゃんに『バインド』と言う魔法をかけてみます・・・えい!」
「わわっ、手が!?」
「バインドは相手の動きを封じるための・・・」
「ふんすっ!!」
ぱりぃん!
「「「「「割れたぁぁぁーーーーーーー!?!?」」」」」
緊急議題、苗の身体を調べろ!
「胸は私に任せろー!」
「うひゃっ!?ちょ、やめ、・・・あっ!?んんっ・・・は・・・っ・・・んあぁ・・・!?」
「主はやて!それ以上はいろいろ危険です!」
「んー・・・意外と着やせするタイプ?おっきくは無いけど形がはっきり・・・」
「おやめください主!この小説の年齢制限がっ!!」
=しばらくお待ちください・・・=
「もう魔術を教えるべきだろう、それはいいな?」
「でもベルカ式とミッド式どっちにしようかしら・・・」
「ベルカ式はどちらかと言えば魔力量を技で補う魔術だ。そう考えるとミッド式の方が・・・」
「待てよザフィーラ。あれだけの力があるのに射撃主体は宝の持ち腐れだぜ!ナエはベルカ式で鍛えたほうが絶対延びる!」
「・・・では早速明日から魔術の基本をお教えします、我が主、そして苗」
「よろしゅうなー」
「あの、ミッド式とかベルカ式とか良く分かんないんですけど・・・」
いろいろあって、苗は腕相撲でザフィーラ・ヴィータ・シグナムの3人に連勝するほどの身体能力があることが判明。家族会議は混迷を極める事となった・・・
大変な状況では猫の手も借りたくなるが、ぽんずは我関せずと爆睡中。会議は紛糾、されど進まず。
折角できるようになった分身もこの状況では何の役にも立たず、黙ってればよかったと後悔する苗であった。
~その頃アースラ~
「平和ねぇ・・・」
「平和ですねぇ・・・」
ずずず・・・と静かにお茶を啜るクロノとリンディ。ちなみにリンディの飲んでいるのは例のアレではなくニルスが現地で発見した「甘茶」なる(彼女にとって)画期的なお茶である。最初から甘いお茶とは目から鱗。今まで緑茶に拘ってきたがこれもなかなかいいかもしれない。
あの後ジュエルシードを2つ発見、回収し、管理局の発見したシードは8つになった。ついでに現地で活動していたバカ一匹とその馬鹿に巻き込まれる形で魔法に関わった現地の少女1名を発見、彼女のシードを合わせて13個を回収できた。
「で、例の子供は?」
「所持数6個。回収できた報酬を要求しています。小学生らしからぬ交渉力でしたのでお気を付けて」
2人が話しているのは現地の治安維持のためにジュエルシードを回収したという数名の子供たちの事だ。彼らの一人に魔導師が居たようで、現地視察兼観光中のクロノ、ニルスコンビに接触を図ってきた。危険物回収の報奨金が欲しいらしく、交渉が満足のいく結果に終わればジュエルシードを引き渡すとしている。それも含めれば回収数は19個。あと一息だ。
・・・なお、リンディ達はシード回収に30人以上の子供が参加したことも、交渉担当の由良が30人分きっちりぶんどる算段であることも知らない。
―――と、突然アースラ内部からドォン、という衝撃が響き渡った。この宙域に敵生体やデブリは存在しない事から普通なら緊急警報が鳴ってもおかしくないのだが、2人は気にせずお茶を啜っている。
「また模擬戦をやってるのね、クルトとマリアンは」
「暇を持て余しているんでしょう。間違っても訓練スペースを壊さないよう念を押しておきましたし、何だかんだでその辺の融通は利く二人です」
超大型ロストロギアは発見できる兆候がゼロ。輸送船襲撃犯がはっきりしないのが困りごとだが、このままいけばクルーの皆は生きてミッドの地を踏めそうである。
後書き
平穏ぶち壊しフラグ建ったとか言うな。
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