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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS開発史
  ザクⅡの完成②

 
前書き
だんだん長くなるよ。 

 
——ザクⅡ開発時の問題点と解決策——

 ザクⅡは外見からも理解できるように、ザクⅠのアッパー・バージョンといえる機体で、大推力スラスターや、新型高出力核融合炉の搭載などによって、全般的な性能向上が図られている。

つまり「排気量(の向上)に勝るチューニングなし」という金言を忠実に再現したのだが、ここに落とし穴があった。高出力化したスラスターや融合炉が発する熱を逃がしきれず、戦闘行動中にオーバーヒートしてしまう可能性があったのだ。

 また、超硬スチール合金製の装甲は1,000度もの高熱にも耐えられたが、電子機器が満載された内部は熱に弱く、制御コンピューターが熱暴走やハングアップ(コンピューターが操作を受け付けなくなる現象や状態のこと)を起こせば、いかに堅牢な装甲で守られたMSでも、ただの鉄塊と化してしまう。冷却システムの強化も考えられたようだが、冷却装置を大型化した場合、機体の大型化や装甲の減格などのデメリットを追わざるを得なくなる。そこでパーツそのものに放熱機能を持たせる案が浮上した。

 放熱機能を持たせるパーツは、熱伝導が良い上に熱に強く、面積が広く、堅牢であることが理想的である。そのパーツには———————1,000度以上もの高熱に耐え、MSの表面税隊を覆うほど面積が広く、砲弾を跳ね返すほどの強度を持つ———————装甲板が選ばれた。公国のMSはモノコック(単殻)構造を採用しているため一枚の装甲が大きいことも、放射板として考えた場合、理想的であった。

 問題は装甲板への熱伝導手段でるが、これは各部に大電力を供給するために外装化された動力パイプに、熱伝導機能を追加することで解決が図られた。熱問題を解決したザクⅡは、ザクⅠに代わる主力MSとして正式採用され、公国軍のワークホースとして一年戦争を戦い抜くことになった。

 (ザクⅡは機体稼働時に発生する熱を動力パイプで各部の装甲板に分散放熱している。このため稼働中のザクⅡの装甲板は非常に高温になっており、素手で触れればやけどを負いかねない。 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争より)





補足事項

——ザクの武装——

 ジオン公国軍では、主力兵器となるザクⅡの開発と並行して、使用する併走の開発もすすめられていた。開発に当たっては、携行が可能であること、マニピュレーターで使用できること、給弾が容易であることなどの諸条件が挙げられた。中には腕そのものを火器にすることや、武装の内臓なども検討されたが、最終的にはMSの汎用性を損なわない点を重視して人間が使うものと同じ構造の火器が選ばれることになった。

 この結果、ザク・マシンガンとザク・バズーカが開発された。また、射撃武器と同時に格闘兵器の開発も進められ、ヒート・ホークが作られた。これはMSが白兵戦用の兵器にもなるということを示したものであった。

 (ザク・マシンガンはあらゆる戦場で見られたザクの代表的な火器である。また、フットミサイルやマゼラトップ砲といった地上戦専用の兵器も開発された。 機動戦士ガンダム第08MS小隊より)


——運用領域を問わない、ザクⅡの進化——

 一年戦争中、ザクⅡには多くのバリエーションが存在した。ここでは、そうしたバリエーションを三つの系統に分けて解説していく。ザクⅡは運用地や用途によって、さまざまな形に進化していった。これは機体の拡張性や基礎設計の堅実さを証明するものとも言えるだろう。しかし、こうしたことがジオン公国(ジオニック社)開発陣の内部に過剰なまでの「ザク信仰」を根付かせた。それは、以降のMS開発に影響を及ぼしたとも言われている。

■総合性能向上

 ザクⅡはそれ自体で完成された機体であった。しかしジオン公国軍はザクⅡのさらなる性能向上を開発陣に要求した。その結果、一年戦争初期には、スラスター推力を向上したS型(指揮官用ザク)、そして後期には総合性能を大幅にアップさせたF2型、FZ型(ザクⅡ改)が開発された。特にFZ型はU.C.0079,02にスタートした「統合整備計画」下に置いて開発されたため、MS-­14(ゲルググ)と同等の性能を持つといわれている。

■局地戦仕様

 地球侵攻作戦後のジオン公国は、運用地域ごとに異なるタイプのMSの開発を行った。こうして開発された機体が、MS­-06K(ザクキャノン)やMS­-06M(水中用ザク)である。これらは支援機や後継機開発までのつなぎとして実践にも投入され、その性能の高さから本格的な局地戦専用機が開発された後も運用され続けた。またMS­06Mなどのように戦後、連邦軍が接収し、使用され続けた機体も存在する。

■特殊仕様

 ザクⅡの中には他機種開発のテストに使用されたり、現地部隊での改修によって生まれた機体も存
在する。MS­-06-RD­-4(宇宙用高機動試験型ザク)はMS-­09R(リック・ドム)に搭載する予定の高機動脚部ユニットのテストとして使用された期待であるし、MS-­06(ザクタンク)は現地部隊で改修されたものが正式採用されたという経緯を持つ。

——一年戦争以降のザクⅡ——

 一年戦争中にすでに旧式.化していたザクⅡは、戦後、軍事行動に利用されることは少なく、作業用や、コレクションといった用途に使われることがほとんどだった。また、MS­-06はMSマニアには人気のあるタイプだったらしく、完全な形であれば高値で取引されていたとも言われている。

 (ジオン公国の再興を掲げたアクシズ(後のネオ・ジオン)にとって、ザクもまた、ジオンを象徴するものだった。アクシズが開発したAMX­-011(ザクⅢ)は、「ザク」の名を持つ最後の機体であった。 機動戦士ガンダムΖΖより)
 
 

 
後書き
次回 陸戦用MS 
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