バカとテストと召喚獣 ~失った少年~
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第1章 僕と文月学園。
八時間目 壊された大切な物
前書き
数日間休んですみませんでした。
明久side
「....うわ、こりゃ酷い」
「まさかこうくるとはのぅ」
「卑怯、だね」
教室に引き返した僕らを待っていたのは、穴だらけになった卓袱台とヘシ折られたシャープや消しゴムだった。
「まさか......まさか!!」
なぜか蒼空が焦って自分の席のところに行く。
そして、自分の席のところにあった、へし折れたシャープ1本を手にして、ペタッと座り込んでしまった。
「蒼空、どうしたの!?」
思わず蒼空のところに駆け寄る。
すると蒼空の視線は折れたシャープのみを写していた。
補充試験ができなくなるからかな?だったら――
「大丈夫だよ蒼空。折られた文房具とかは先生に言えば補給してもらえるから」
「そ――問――んだよ...」
「えっ?」
聞き取れなかったので、おもわず聞き返してしまう。
「そういう問題じゃねえんだよ......」
まさか、かなり高級なシャープだったとか?
でも、そこまで高級そうにはみえないなぁ......。
そういえば、今、少し口調が違ったような......。
「そういう問題じゃねえんだよっっ!!」
いきなり大喝した。
「ど、どうしたの蒼空――」
あれ、蒼空泣いてない?
蒼空の顔を見ると、目に涙が溜まっていて、流れていた。
そして蒼空が走り出そうとしていた。
ヤバイ。これはヤバイ!
本能がそう直感する。
そして僕は、蒼空を止めるために腰に飛びついた。
「どうしたんだよ蒼空!」
「決まってんだろ!!あの根本とかいう外道を潰すんだよ!!」
「蒼空、落ち着くのじゃ!どうしたというのじゃ明久!」
とりあえず一騎を止めながら、事情の分かってない秀吉が聞いてくる。
「僕にもよくわからない!蒼空が壊れたシャープを見つめて急にこうなったんだ!」
「邪魔すんなてめぇら!あのやろう、必ずぶち殺す......っ!!」
と、そこで、
「どうしたお前ら!?」
雄二が帰ってきた!
「お願い雄二!手伝って!」
「雄二、お願いじゃ!こやつを止めてくれ!」
「邪魔すんな、つってんだろ!!」
ヤバイ!このままじゃ――
「蒼空、本当にどうしたんだよ!何もわからない僕たちにも説明してよ!」
どうやら、この一言でやっと落ち着いてきたらしい。
力が弱まってきた。
「......っ!ごめん」
完全に落ち着いたと同時に、誤ってきた。
「本当にどうしたの?蒼空」
「ごめん。言いたくないんだ......」
「別にいいけど......」
「一体、何があったんだ?」
雄二が聴いてくる。
「本人が言いたくないと言っておるんじゃ。聞かなくてもよかろう......」
「そうか......そうだな。すまん」
雄二が蒼空に謝る。
「別にいいよ......」
―☆―☆―☆―
蒼空side
「蒼空、とりあえず今は切り替えよう」
「うん......そうだね......」
僕は折れてしまったシャープをしまって、向き直る。
......とりあえずあったら根本ってやつ1発ぶん殴るけど。
「で、雄二は教室がこんなになっているのに気づかなかったの?」
「協定を結びたいという申し出があってな。調印のために教室をカラにしていた」
「協定じゃと?」
「ああ。4時までに決着がつかなかったら戦況をそのままにして、続きは明日午前9時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止するってな」
「それ、承諾したの?」
「そうだ」
あれ?何かおかしい気が......。
「その卑怯者がそんな素直に協定を結ぼうとするのかな......」
「?どうしたの蒼空?」
「いや、なんかその根本っていう人、そんなに卑怯ならこんな素直に協定を結ぼうとするかなぁって思ってさ」
「それなら、教室の文房具破壊したけど?」
「でも、なんだか嫌な予感するんだよね」
「ま、とにかくだな、今日の戦闘はあいつらを教室に押し込んで終了になるだろう。そうなると、作戦の本番は明日になる」
まぁ、いいか。
「明久、蒼空。とりあえずワシらは前線に戻るぞい。向こうでも何かされているかもしれん」
そう言って、秀吉が駆け足で出て行った。
じゃ、僕も行きますか......
そう思って、駆け足で秀吉を追う。
すると、秀吉は全力で走っていなかったのか、すぐに追いつくことができた。
「秀吉、確認のために聞くけど、あれをやったのは根本とかいう人たちなんだよね」
「そうじゃが、急にどうしたんじゃ?蒼空よ」
「ん?ただ、思いっきり一発ぶん殴ろうとしただけだけど?」
「......」
「どしたの秀吉」
と、そこで明久が追いついてきた。
「何か、まだいろいろやってきそうだね」
「僕もそう思う」
「そうじゃな。この程度で終わるとは思えん。気を引き締めた方が良さそうじゃ」
それは確かに。
っと、戦場が見えてきた。
「では、くれぐれも用心するんじゃぞ!」
「「秀吉もね!」」
で、部隊に戻ると、
「吉井、織斑!戻ってきたか!」
出迎えてくれたのは須川くん。
あれ?今は島田さんが指揮を取っているんじゃ...
「待たせたね!戦況は?」
「かなりまずいことになっている」
「え!?どうして!?」
まさか、誰か人質に......ってまさかそんなことはないよね。
「島田が人質に取られた」
「なっ!?」
......。うーんと、ほんとになったよ......
「おかげで相手は残り二人なのに攻めあぐんでいる。どうする?」
「......そうだね。とりあえず状況が見たい」
「僕も」
「それなら前に行こう。そこで敵は道を塞いでいる」
人が気を抜けると、そこには須川くんの言うとおり2人のBクラス生徒に捕らえられた島田さん及びその召喚獣の姿があった。
そしてそばには補修担当講師がいる。
「島田さん!」
「よ、吉井!」
なんかドラマみたいだな。
「そこでとまれ!それ以上近づくなら、この召喚獣に止めを刺して、この女を補習室送りにしてやるぞ!」
ふむふむ。
と、いうことは――
「これ以上進まなければいいんだよね」
「そっから俺たちに止めを刺せるもんならやってみろよ!」
片方が言う。
(蒼空、できるの?)
明久が小声で話しかけてきた。
(できるよ)
(じゃあ、頼んだよ)
じゃ、頼まれたし、
《サモン》
僕は自分の召喚獣を呼び出した。
『Bクラス 鈴木&吉田vs Fクラス 織斑
英語W 33点&18点vs 43点 』
「バカかこいつ!そんな点数で何ができるんだよ!」
「あんな自信満々に言うから腕輪でももってるのかと思っちまったぜ!」
「蒼空、大丈夫なの?」
ま、確かに普通の召喚獣じゃ無理だよね。
「大丈夫だよ明久。何の問題もない」
明久に言ってから、Bクラス2人に言う。
「舐めてると、痛い目にあうよ?」
「何ができるってんだカス!」
「だったら、そっから攻撃してみろや!」
やっすい挑発のあと、笑っている2人。
じゃ、やってみろって言われたし......
「じゃ、行くよ」
その瞬間、僕の召喚獣の左腕に付けられている、銀色の腕輪が輝きだした。
僕の召喚獣に木刀を構えさせる。
「ハァァッ!!」
そしてそのまま横に振り切らせる。
しかし、相手の召喚獣は、切れていない。
「ハッ!すぶりか?そんなんで倒せるわけないだろ!」
「びっくりさせやがって!」
しかし、そう言った瞬間、2人の召喚獣の首だけが切れた。
ふぅっ。島田さんの召喚獣がしゃがんでてよかった~
「え?蒼空、今何が起きたの?」
「点数を見ればわかるよ」
明久に点数を見るように促す。
『Bクラス 鈴木&吉田 vs Fクラス 織斑
英語W 0点 &0点 vs 1点 』
「え?攻撃を受けてないのに蒼空の点数が減ってる...」
「つまりそういうこと。この能力は点数を減らす代わりに、相手に大ダメージを与えることができるんだ。さっきのは1まで削ったから、倒せたんだ」
まぁ、別に1/4くらいで倒せた気もするけど。
......まだ、細かい操作はできないんだよね......。
「あの腕輪は?」
「学園長がやってくれた」
「へ、へぇ~」
「ま、なんにせよ、島田さん救出成功だね。僕はとりあえず回復試験受けてくるよ」
「あ、うん。いってらっしゃい」
そのまま、僕は教室へと向かっていった。
―☆―☆―☆―
只今、数学回復中。
「よし。終わった!」
テスト用紙を数学の先生にわたし、伸びをする。
ちなみに英語Wでは無く数学を補充する理由は、英語Wは補充したら、逆に弱くなる気がするから。今回、あの点数をとれたのはまぐれみたいなものだからね。
と、
「おい!――大丈―か!」
なんか廊下が騒がしいな。
「お~い、どうし―たっ!?」
廊下に出てみると、
......明久が血だらけで倒れていた。
「なんだ、その程度か。でもここにあると邪魔だなぁ。こっちにどかしとくか」
そのまま明久を引きずり教室へ。
そして、教室の中で手を離して、明久を置いておく。
あ、そうだ!
「雄二、マジックペン持ってない?」
たまたま教室にいた雄二に話しかける。
「持ってるが、何に使うんだ?」
ゴニョゴニョ(←理由説明中)。
「ははっそれは面白いな!」
「じゃ、始めますかな」
雄二からペンを受け取り、落書きをする。
――明久の顔に。
カキカキ。プッ!カキカキ。
「ちょ、ちょっと!何するんだよ!」
「あ、起きちゃったか...」
「やれやれ。起きてしまったならしょうがない」
「起きちゃったか...じゃない!何するんだよ!」
「「顔に落書き」」
「それはわかってるよ!」
え?わかってたの?
じゃ、わかっててやられてた明久は―
「―M?」
「なんでそうなるの!?」
「ま、この話は置いといてだな―」
「置いとくなっ!」
「試召戦争も明日で終わらせるのかー」
「無視しないでよ!」
「明久、顔洗ってきたら?」
「わかってるよ!」
――明久顔洗い中――
「......(トントン)」
「お、ムッツリーニか。何か変わったことはあったか?」
あ、ムッツリーニだ。
今日はムッツリーニ情報係だったから全然会ってなかったな。
「ん?Cクラスの様子がおかしいだと?」
「......(コクリ)」
ムッツリーニによると、Cクラスが戦争の準備をし始めたらしい。
まぁ、多分――
「漁夫の利を狙うつもりか。いやらしいやつらだな」
まぁ、そうだろうね。疲弊している相手なら簡単に勝てるだろうし。
「雄二どうするの?」
「んーそうだなー」
ちらりと時計を見る雄二。
僕も見てみると、時刻はまだ4時半。
まだ、そんなに遅い時間じゃない。
「Cクラスと協定でも結ぶか。Dクラス使って攻め込ませるぞ、とか言って脅してやれば俺たちに攻め込む気もなくなるだろ」
「まぁ、僕らが勝つとは思われてないだろうしね」
ん?何か引っかかるな。
「よし、それじゃ今から行ってくるか」
「そうだね」
「おっと、秀吉は念のためここに残ってくれ」
?なんでだろう。
「ん?なんじゃ?ワシは行かなくて良いのか?」
「お前の顔を見せると、万が一の場合にやろうとしている作戦に支障があるんでな」
「良くわからんが、雄二がそう言うのであれば従おう」
素直に引き下がる秀吉。
「その代わり―お~い!霜原~」
「なに?」
えっと、誰だっけ。
髪型は初音○クに似ている感じだ。
っていうか本当に誰?
「Cクラスに協定を結びに行くんだが、もしもの時のため、付いてきてほしい」
「やだ」
おお......会話が続いてない。
「頼む」
「そこまで言うなら」
おお!説得成功。
「ついでに戦争も......」
「やだ」
「なんで、戦争に参加しないの?」
明久が話しかける。
「乗り気じゃないから」
......。
「ま、まぁ、とりあえずCクラスに行こうよ」
そんなこんなでC教室に向かっていった。
―☆―☆―☆―
「吉井、あんたの返り血がこびりついて洗うの大変なんだけど。どうしてくれんのよ」
.....え......?
「それって吉井が悪いのか?」
い...否!多分明久は悪くない......。
にしても......
「ボクら普通に(明久の顔に)落書きしてたけど、そんなことがあったんだ......」
「あ、島田さんに須川くん。ちょうど良かった。Cクラスまで付き合ってよ」
はい、見事にスルーされましたー。
そして明久ってすごいと思う。
さっきまで自分に暴力を振るっていた人にあんなに話しかけられるところが......。
「んー、別にいいけど?」
「ああ、俺も大丈夫だ」
「盾、もとい仲間をゲット」
ん?今、明久のつぶやきが聞こえた気がする。
「そろそろ行かないと、Cクラス代表帰っちゃうと思うんだけど......」
「うん。急ごう」
こうして七人でCクラスに向かうことになった。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。このクラスの代表は?」
教室の扉を開くなり雄二がそこにいる全員に告げる。
「私だけど、何か用かしら?」
何か嫌な予感がする......
「Fクラス代表として、クラス間交渉に来た。時間はあるか?」
教室の中を除く。
すると、そこには――
「クラス間交渉?ふぅん......」
ヤバイ!このままだと......!雄二も気づいてないみたいだ。
「ああ、不可侵条約――と、どうした蒼空」
「その前に、僕にも一言喋らせてもらっていい?」
「別にいいけど?」
「なんでここにBクラスがいるの?」
「―っ!」
「くっ、ばれたか!しかし協定を破ったことにはかわりないよなぁ!これでお互い様だ!」
根本くんが告げると同時に取り巻きが動き出す。そして、その背後には先程まで戦場にいた数学の長谷川先生がいた。
「明久、あれが根本とかいうやつ?」
「うん、そうだけど......なんでわかったの?」
「包帯巻いている人がいたから」
あの時数人ぶっ飛ばしておいて良かった。
「しかし、どうするの......これ」
「安心しろ、この時のために呼んでおいた霜原だ」
なんだ、雄二予測していたのか......。
「霜原、頼む!」
「...アイス3本《サモン》」
霜原さんの召喚獣が出てくる。
服は、パジャマみたいだ。
武器は、氷の結晶をかたどったブーメランかな?
かんじんな点数は...
『Fクラス 霜原 霰
数学 572点 』
すごい。
いや、すごいとしか言えない。
敵、戦意喪失してるよ。
何かもう、強さだけなら生徒会の○存の椎名○夏だよ。あれ。
その他だとその妹だけど。
敵が逃げていく。
まぁ、僕でも同じ反応だけど。
後書き
主人公の豹変っぷり。
そして最後のサモンはルビではありませんよ?
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