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ネタ帳(旧:没ネタ集)

作者:nyonnyon
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6

 
前書き
今回は『恋姫無双』を書いてみました。

キャラの口調? そんなものは知りません。
時系列? 私恋姫ってやったことないのでほんとに知りません。

キャラの設定等は他の投稿小説を見ながらウィキペディアさんで補強して作っています。 

 
 ヤベーどうすっか……。

 あ、どうもはじめまして、俺は性は李、名は順、字は昂河。 ま、李順とでも呼んでください。 俺は流れで屋台の親父をやっている者なんですが、只今困ったことになっております。 まぁ、なんといいますか、この音声をお聞きください。

「おいてめー、その屋台置いていきな」
「ケケケ、兄貴の言うとおりにしな!!!」
「そ、そうなんだナ」

 えーわかっていただけたかと思いますが、盗賊です。 嫌ですねー盗賊。 どうしましょう……。




 とまぁ、悩んでるあいだに相手が熱くなってきてしまい、ついには剣を抜きました。 仕方ありません。 これも命を守るためです。 撃退しましょう。




◇◆◇◆◇



 私は趙雲というものだ。
 現在、使えるべき主を探して国から国を渡り歩いている武芸者である。 しかし、仕えるべき主は未だ見つかっていない。 どこかに私が仕えるべき主はいないものだろうか……。

 只今私は、洛陽という街を目指している。 この街は、董卓という人物が収めているそうで、なかなかに賑わっているとのこと。 きっと善政がしかれているに違いない。 最近は賊も増えてきたため、街がしっかりとした行政を行っていないと略奪されたりするのである。 世も末だな。

 なんて考えながら歩いていたら、遠くの方に車輪をつけた家のようなもの……、まぁ屋台なんだけど……、が見えてきた。 こんなところで立ち止まって商売しても、儲けなんて出ないだろうに何をやってるんだろう、と思っていたら、どうやら賊に襲われているようである。 頭に黄色の布を巻いた三人組の男達に、屋台の主であろう男が剣を突きつけられている。 どうやら脅されているようだ。
 これはいけない。 目の前で賊に襲われている人を見て放っておけるほど、この趙子龍は人間をやめてはいない。

 手に持つ槍を一度強く握り締め、賊に向かって駆け出す。 距離があるため、私の脚をもってしても時間がかかる。 どうか店主よ、賊どもの攻撃を躱してくれと期待を込める。
 あと数尺という距離で無情にも店主に向かい賊どもが剣を振り下ろす。 店主は避ける素振りすらみせていない。 きっと恐怖で体がすくんでしまっているのだろう。 くっ、この距離で、目の前で、無残に一般人を手にかけられるところを見なければならないなんて……。 私は一体何のために武芸者になったというのだ……。




◇◆◇◆◇



 ゆっくりと屋台を引きながら道を歩く。 今は昼時、夕刻には洛陽の街に着けるとのこと。
 あ、ども、李順です。 賊は撃退しましたよ? これでも各地を回る流れの屋台をやってるんです。 はっきりと言えば、賊に襲われることなんてざらにあるんです。 あの程度、軽い軽い。 それよりも、あの賊撃退後からずっとついてくるこの女性は一体誰でしょうか? いきなり、「御仁、先程はお見事でありましたな」と声をかけてきて、一緒に洛陽に行くことになったのですが、事あるごとに、「先ほどの技は私の目をもってしても捉えきれませんでした。 かなりの武をお持ちのようだ、どうだろう、一寸手合わせでも」と手合わせをせがんでくる。 まてまてまて、あなたその槍で突こうというんですか? どう見ても武芸者の方ですよね? 俺、賊退治ぐらいはできるけど、流石に武芸者と一寸やりあう腕はないんですが……。

 そういって毎回断ってるんだけど、半刻置きにせがまれ、さらにせがむ間隔が徐々に早まっていくという悪循環。 何か気のそらせるものはないだろうか?

 ……。

 ……。

 ……!! そうだ!! 今は飯時。 ならば、飯で吊って意識をそちらに向けるのみ!! それではいかにも一寸休憩しましょうという体で話を持っていきましょうか……。

「ふぅ、そろそろいい時間でしょうか? 太陽も真上にありますし、どうです? そろそろ昼餉としませんか? ……え~っと、そういえばお名前をお聞きしていませんでしたね。 私は李昂河と申します。 李順とお呼びください」
「おお!! そうでしたな。 私は趙子龍という。 趙雲と呼んで頂ければ」
「なに!? 趙雲ですか!? あの、【神槍】趙子龍!? めちゃくちゃ有名人じゃないですか!!」
「おや? 知っておられたか」
「そりゃあ知ってますよ!! そうか、そうですか!! なら是非、昼餉を食べてください。 趙子龍お墨付きとあれば、かなり集客効果もありますよ!!」
「ほうほう、そこまでいうのであれば、いただこう。 では、昼餉のついでに手合わせなども……」
「では、少しお待ちください。 すぐに用意いたしますので!!」スタタ
「あ、手合わせは……」

 ふぅ、逃げられた。 神槍の趙子龍だと知ったのには驚きましたが、幸い口実にして話をそらすことに成功したと言えるでしょう。 まぁ、それは置いておいて、今は料理に集中しましょう。




◇◆◇◆◇



 く、またも逃げられてしまった。 この御仁、先ほどの賊撃退の身のこなしからかなりの武芸者とお見受けしたのだが、「私は流れで屋台をやっているので、賊ぐらいな撃退できますが、流石に武芸者の方とは……」と、手合わせを避けてくる。 この御仁の身のこなしならさぞかし良い訓練になるだろうと思っていただけに残念だ。 だが、私は諦めんぞ!!

「あ、趙雲さん。 これ、菜譜です」

 そう言って差し出された竹簡を見る。 ほう、屋台にしてはなかなかに豊富な品ぞろえではないだろうか。 む、店主こだわりのメンマだと!? この私にメンマで挑もうというのか!? 面白い、受けてたとう。

「屋台なのに、火も使えるのですね? では、炒飯とメンマをいただこう」
「はい。 炒飯とメンマですね。 直ぐに作ります」

 そう言って、炒飯作りをはじめる店主。 この屋台、普通と違い、かまどが加工されてあり、単体でもしっかりとした料理が作れるようだ。 なかなか考えてあるな。

 『これならこの品数も頷けるというものだ』と、菜譜を眺めていて見つけてしまった。 ……酒である。 料理は自慢の腕を振るうのだろうが、酒はなかなかに製造が難しいのであろう。 地元名産の酒、 となっている。 だが、私は見逃さない、店主こだわりの神酒(お一人様一杯まで)とある。 なんだ、この心をくすぐられる名前は。 ふふふ、これは私に飲めということだな?

 よろしい、ならば飲んでやろう!!

「御仁、このこだわりの”酒”というのをいただこうか」

 ふふふ、神酒などとは呼んでやらんぞ。

「あ~それは、一杯限りなんですが、いいですかね? それと、代金はいただきますけど……」
「こだわりなのだろう? まぁ、私はちと酒にはうるさいからな。 もし、気に食わなかったら二杯三杯ともらうがいいだろう? 大層な名前をつけているぐらいだしな。 それにしても料金か……、味がわからんのに、一杯で他の酒より割高というのが気になるな」
「あ~なら、試飲してみます? 舐める程度なら、無料ですけど……」

 ニヤリとしてしまったのは仕方がないだろう。 良い酒は、舐めるだけでもその良さがわかってしまうものだ。
 私は二つ返事で試飲を試みた。
 渡されたのはほんのひと匙。 小さじ一杯程度の酒。

 フワッ……

 鼻腔をつく香りが、その強烈な印象を伝える。

 な、なんだこの酒は!!! 香りだけでこの趙子龍が膝を屈しそうになるだと!!? いけない、理性がこの酒を飲んではいけないと訴えている。 この酒を飲んだら、もう二度と他の酒を飲めなくなると、訴えている!!! しかし、止まらない。 本能がこの酒を飲ませろと、訴え続ける!!! あぁ、だめだ、やめろ、それを口に運んではいけない。 飲んではいけないのに!!!

 ゴクッ……

 う、う……、うまい、うますぎる!!! 口の中に広がるさらりとしているのに濃厚な味、頭を突き抜けるような芳醇な香り、喉を潤しながら、焼き付けるように滑り落ちるのどごし……。
 様々な矛盾を孕みながら、それでいてその全てが調和するといった、摩訶不思議でいて、抜け出せぬ魅惑の味。 まさに神酒。 私はこれから先、この酒以上の酒に出会うことは生涯ないであろうと言い切れる。 舐める程度の量でこれだ。 一杯飲んだらどうなるか……。 怖くもあるが、楽しみでもある。

 なんという、素晴らしさ。

「御仁、この酒を一杯もらおう。 そして、金はいくらでも払う。 教えてくれ、この酒はどこで手に入るのだ?」

 最早、なりふりなど構っていられぬ。 主探しなど、二の次だ。 今すぐこの酒を手に入れるために、販売先へ馳せ参じねば!!!

「ああ、この酒はどこにも売ってないですよ。 私の手作りですから。 まぁ、少量づつしか作ってないんで、お一人様一杯までとしているんですけどね」

 なに!? この酒を作っているのが、この御仁だと!? ふっ、天よ、今だけは感謝の言葉を述べさせてもらおう!!! 今日、この時、この場で、私が生涯お使えするべき主に出会わせていただけたことに!!! 
 

 
後書き
あれ? 趙雲さんてこんな人でしたっけ?

まぁ、いいや。 恋姫無双というSSがいっぱい書かれていましたので、
なんだか吊られて書いた作品です。
ゲームらしいんですが、私はやったことがないので、まえがき通り、キャラの口調などは知りません。

あと、中国での漢文的なことが一切わからなかったので、メニューとかそのへんは誤字・脱字が多くなりそうだったので、ボツりました。

ここからはネタバレになります。
連載の予定はありませんが、ネタバレが嫌な方は読まないことをおすすめいたします。





この後、洛陽という街に行き、そこで、董卓軍の酒好きの方に気に入られ、そのついでで、幼馴染らしい猪さんにも気に入られ、純真無垢な最強少女に気に入られ、ちょっと強引に軍に入れられそうになり、レズ君主のところへ行けば、大食いおでこ少女に料理の旨さから気に入られたことがきっかけで、クール美女に気に入られ、猪姉を躱したことで、君主から追いかけられ、なんとか手に入れろと終始付け回され、褐色肌美人の都に行けばやっぱり酒好きな皆様に気に入られ、と言ったハーレム的な要素を含む、ご都合主義全開な作品でした。 そのあいだも、趙雲はつきまとっています。
 北郷君はいますが、転生者で中の人がオタクだという設定。 劉備軍にいますが、あまりにもゲスイ考えが透けて見えるので、誰からも相手にされないという設定。
 あと、天の御使いという言葉は出てきますが、乱世を収める的な予言は出てきません。 そこには別の予言が滑り込みます。

 と言った内容でした。 
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