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真似と開閉と世界旅行

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新章~

 
前書き
・・・というわけで、移転初投稿です。ではどうぞ。 

 

・・・あのヴァンとの死闘から1ヶ月が経過した。みんなはバラバラになり、それぞれが自由に暮らしている。手紙でのやり取りはあるものの、会う機会はまったくなかった。ルークは屋敷で無気力に過ごし、ガイは暇をもらってジェイドと共にピオニー陛下に振り回されているらしい。アニスは導師守護役に復帰して変わらずイオンの手伝い。ティアはユリアシティで様々な仕事をし、ナタリアは兵を連れて大陸中を訪問して回っている。黒羽や撫子はケテルブルクで再びレストランのアルバイト。知也もそれに付き合っている。・・・俺はというと・・・

「・・・寒」

一人、雪山に居た。いや、正しくは一人と一本なのだが・・・

『大丈夫ッスか?風邪引かないで下さいッスよ』

「わかってるよ・・・よっと」

俺はアリエッタやジゼル達と戦った場所に出る。

「・・・やっぱり何もなしか」

俺はため息を吐き、軽く身を震わす。

「・・・くっそ、マジでさみぃ」

『ここら辺にマント埋まってるんじゃないッスか?』

「雪崩に呑まれてるだろ。見つかんねぇって」

紅いマフラーに顔を埋めて寒さを防ぐ。

「・・・しゃーない。取り敢えず次行くか」

俺はBモードを発動して空を飛ぶ。


「・・・ふっ」

空を飛び、少し低空飛行気味に次の大陸に向う。・・・その途中だった。

ドガァァン!!

「っ!?なんだ!?」

『あっちッス!』

「・・・うおっ!?」

突然何かが高速で横切り、巻き起こされた乱気流に呑まれて落下する。

「ッッッッ!?」

あれは・・・カイザーディスト!?手に握ってるのは・・・モースか!?

「(バカな!あの二人はこの間の一件で捕まった筈じゃ・・・)」

『咲さん!このままじゃ海に落ちるッス!』

「くっ・・・!」

翼を羽ばたかせ、水面ギリギリで体制を立て直す。

「・・・セーフ」

遠くを見ると船から煙が上がっていた。

「・・・このままじゃ人が集まる。取り敢えず近くに降りないと・・・」

俺は地面を見つけ、そこに着地する。・・・そこはセントビナーの近くだった。・・・そう言えば、チーグルの森からライガクイーンの姿はなくなっていた。

『取り敢えずセントビナーに寄るッスか?』

「・・・だな」

セントビナーに入ると・・・見覚えのある奴がいた。

「・・・しっかり警戒しろ!」

『はっ!』

「・・・ジェイドじゃないか!?」

「・・・サキ?・・・久しぶりですね」

「あ~、大佐だ!?」

振り返るとナタリア意外のアビスメンバーが全員いた。

「あ!サキもいるー」

「どうしたんだ?」

「丁度いい。アッシュの奴が来なかったか?怪我をしてるんだ」

「いえ。見かけていませんね」

「同じく」

「・・・しかし凄い騒ぎだな。何かあったのか?」

ガイが聞くとジェイドが答える。

「我が軍のケセドニア方面部隊が演習中に襲われたのです。ただ、この街も復興中ですからね。今負傷者を首都に運ばせています」

「はぅあっ!?どこの誰がマルクトの正規軍を襲うんですか!?」

「そうなんですよ。少し前ならキムラスカだったのですが」

「・・・ナタリアがいたらボロクソに言われるぞ」

「内緒にしておいてください」

ジェイドが笑いながら答える。

「大佐って見た目は怖いですけど、中身は面白いですよね」

「「「中身だっておっかねーよ・・・」」」

男性陣は声を揃える。その時、マクガヴァンさんが走ってくる。

「大変じゃジェイド。フリングスが負傷したという情報が入ったぞ!」

「フリングス将軍が!?」

ルークが驚く。・・・フリングス将軍は首都にいるらしく、俺達はアルビオールで首都に向かう。・・・途中、第七音素が減少していること、それにより地殻振動が再び活発になってきていること。そして・・・

「それ・・・本当か・・・なあ!?」

俺はルークの肩を掴む。

「サキ、落ち着いて」

ティアが俺をなだめる。

「・・・本当だよ。俺達はパッセージリングでリグレットと会ったんだ」

「リグレット・・・ジゼルが・・・生きてた・・・」

「アッシュが言うには他の六神将も・・・ヴァン師匠も生きてるかもしれないって・・・」

「じゃあ・・・アリエッタや・・・詠も・・・」

俺は脱力して椅子に座り込む。

「はは・・・やっぱり生きてたんだ・・・よかった・・・本当によかった・・・!」


『咲さん・・・やっぱり』

「(ああ・・・不安だったさ)」

無事でいると思う一方で実は死んだのではないか。・・・正直、怖かった。・・・他にもディストとモースが脱走したことも聞いた。そしてグランコクマに到着して俺達は司令部に駆け込む。

「み・・・皆さん・・・」

「フリングス将軍、横にならなくていいのか?」

「いえ・・・今横になるともう二度と目を覚ませないですから」

「変なこと言うなよ!」

「軍の治療師は?」

「先程まで治療を受けていたのですが・・・もう手遅れだそうです」

「サキ」

ジェイドに言われ、俺はフリングス将軍を診るが・・・

「・・・これは・・・」

・・・ここまで致命傷でよく生きていられた。これじゃクレスの薬を使っても・・・

「そんな・・・」

「カーティス大佐。陛下にお伝えください。我が軍を襲った兵のことを・・・」

「・・・わかりました。この場で報告を受けましょう」

「我が軍を襲ってきたのは、キムラスカ軍旗を掲げた一個中隊程の兵であります」

「そんな馬鹿な!」

「奴等は爆弾を用いて自爆攻撃を決行してきました」

「・・・とても正規軍が行う用兵ではないわ」

「ええ。軍服を着用していたのは一部で、それ以外は軽装で・・・」

フリングス将軍が倒れそうになるのをルークが支える。

「・・・私を・・・修道院へお連れください」

「だけど・・・」

「連れていってあげましょう。彼の最期の頼みです」

俺達は修道院まで移動する。するとフリングス将軍が倒れ込みながらも呟く。

「私はここで預言を受けました。でも・・・魔界に落ちるとは・・・詠まれなかったな」

「・・・ユリアの預言から外れたからな・・・」

「預言に詠まれていない未来はこんなにも不安で・・・自由だったんですね」

「・・・自由?」

アニスが繰り返す。

「・・・ええ。・・・もう少し、この世界を生きてみたかった・・・」

フリングス将軍の身体から力が抜けていく。

「・・・あれは・・・私の軍を襲ったのは・・・キムラスカではないと思います。皆生気のない目をしていた・・・まるで・・・死人だ・・・」

ルークがフリングス将軍を抱え起こす。

「・・・うん。叔父上もナタリアも平和条約を破る真似はしない」

「ルーク殿・・・これ以上・・・キムラスカと争いにならないようお願いします」

「・・・わかった」

「・・・始祖ユリア・・・預言を失った・・・彼女に・・・祝福を・・・」

それが・・・フリングス将軍の最後の言葉だった・・・

「・・・ん?」

よく見るとフリングス将軍は何かを持っていた。それは手紙で・・・宛先は、セシル将軍になっていた。

「・・・そうか・・・」

フリングス将軍は・・・セシル将軍のことを・・・俺はそれをフリングス将軍の懐に戻す。

















「預言のない世界が自由・・・?不安なだけじゃん」

「それはアニスの見解だろ。少なくともフリングス将軍は預言のない世界で生きる術を見つけようとしていた」

ガイの言葉にティアが続ける。

「やっぱり兄さんは間違っていたんだわ」

「ああ・・・預言に縛られない人だっていたしな・・・」

『・・・』

俺達を重い空気で包まれる。

「・・・とにかく陛下に謁見しましょう」

事情を伝えに、ピオニー陛下の元に向う。

「・・・そうか。アスランは逝ったか」
様々な事を話している内に色んなことが分かった。アッシュは“ローレライの鍵”をローレライから受け取ったこと。ルークはあれ以来ローレライの声を聞いていないこと。・・・そして・・・

「ローレライは他には何も言わなかったの?」

「えっと・・・栄光を掴むものが私を捕らえようとしているとか・・・」

『!』

俺達は驚く。

「おい!そいつはかなり重要なことだぞ!どうして今まで言わなかった?」

「え・・・だって、意味がわからなかったから・・・」

「なんでぇ!?」

「・・・ルークに古代イスパニア語を教えなかったのが痛かったな・・・」

「・・・そうだった。日常生活に必要なことしか教えなかったんだったな」

世話係二名が頭を掻く。

「な、なんだよ?どういうことだよ」

「・・・栄光を掴むものは古代イスパニア語でヴァンデスデルカと言うのよ・・・」

「!」

「確かヴァンはプラネットストームに飲み込まれていきましたね。行き着く先は地核だ」

「ヴァン師匠がローレライを閉じ込めたってことか!?」

「だからアッシュは・・・」

しかし、ルークは鍵を受け取っていないらしい。取り敢えずバチカルに真意を訪ねに行く事になり、アニスがイオンに手紙を出すと言って走っていった。




「しばらく待つか・・・」

そして・・・

「はぅ~、みんな早~い!」


「もう手紙は出したのか?」

「ばっちり♪さ、バチカルへいこ・・・と。あれれ?ティアってば顔色悪いね?大丈夫?」

「あ、ごめんなさい。まさか兄さんまで生きているのかって気になってしまって・・・」

「ティア・・・」


「・・・嫌な妹よね、私。サキのように生きていてくれて嬉しいと思わなきゃいけないのに。兄さんのやろうとしてきたことを考えると不安なの」

「もし師匠が生きてるんだとしたら、今度こそティアの聞きたいことを聞けるチャンスだ。そうだろ?」

「人のことだとそうやって視点を変えられるんだな」

「・・・わ、悪かったな。いつまでもレプリカだって気にしてて」

「はあ?今更それで悩んでたのか」

俺が言うとルークが頬を掻く。


「ところでサキ。撫子達はどうしたのですか?」

「アイツらなら全員ケテルブルクでアルバイトしてるらしいけど・・・」

「そうですか。彼女達は今回の件は・・・」

「アイツらは別世界と交信する手立てがあるから分かるとして・・・リパル、どうだ?」

『オイラの通信も元の世界用ッス。撫子さん達には繋がんないッスね・・・』

「だよなあ・・・」

「仕方ありません。合流できたら合流しましょう。彼女達は貴重な戦力ですからね」

「ああ。とにかく、今はバチカルへ行こう」

俺達はバチカルへ向かう。・・・本当にキムラスカ軍じゃなきゃいいんだけど・・・ 
 

 
後書き
はい、久々で文がおかしくなって不安ですが・・・意見などありましたらどうぞ!それではまた次回!!
 
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