バカとテストと召喚獣 ~失った少年~
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第1章 僕と文月学園。
五時間目 Dクラス戦!! (後)
前書き
主人公がチートだなぁ......やっぱり。
さて、問題はここからだ。
さっきの戦闘で、目立っちゃったからなぁ....
あと少ししたら、Dクラス生徒が戦争を申し込んでくるだろう。
この点数じゃ、倒せてあと2人ってとこだろう。
ミスしたら一貫の終わりだ。
取り敢えず、先生が来るまで粘って、先生がきたら一気に勝負を付ける。
で、科目を変えてもらう。干渉に関しては、雄二がうまく指示してくれているのを祈るしかない。
「Dクラス篠村、Fクラス織斑に勝負を申込みます!『サモン』」
「同じくDクラス鈴木召喚します『サモン』
『Fクラス 織斑 蒼空 vs Dクラス 篠村 星乃 & 鈴木 一郎
化学 26点 vs 82点 & 91点 』
これはほんとにきつい!!
このままじゃ避けることしかできない!
そう思いながら、篠村さんと鈴木君の攻撃を避け続けていると、
「吉井、連れてきたぜ!! Fクラス福村、召喚します!『サモン』」
なんと先生を連れてきてくれた福村くんが参加してくれた!
福村君の点数は58点。ちょっとだけ状況が良くなった。
そして鈴木君が突然の福村君の介入に驚いて、隙だらけになっていた。
その隙に木刀で叩きまくり、鈴木君を戦死にする。
...ちょっと木刀が折れかかってるけど。
その後、素人にしては召喚獣の扱いがかなりうまい篠村さんをかなり頑張って沈めると、その瞬間に化学のフィールドが、引いていった。
どうやら、雄二の指示がちゃんとしていたようだ。
そこで、現代国語のフィールドを展開してもらう。
...さて、ここからはやっと、現代国語だ。
「Dクラス、笹島行きます『サモン』」
「同じくDクラス、中野、召喚します。『サモン』」
「同じくDクラス、中山行きます『サモン』」
「3人だけでいいのかな?『サモン』もっといたほうがいいと思うよ?」
「舐めるな!」
ちょっとDクラスを怒らせてしまったようだ。
でも舐めてなんかいない。
『Fクラス 織斑 蒼空 vs Dクラス 笹島&中野&中山
現代国語 389点 vs 86点&83点&92点』
本当のことだから。
―☆―☆―☆―
3人を一撃で補習室送りにし、周りの状況を確認する。
...まずい。僕たち以外のFクラスの人が少なすぎる。
相手がまだ12人くらいいるのに対して、僕たちをぬくとこっちは、5人くらいだ。
...いや、今もうひとり減った。
どうやら、向こうは大人数で僕を囲んで戦死にするつもりらしい。
本陣に援軍を頼むと、作戦の人数がなくなってしまう。
「吉井!Dクラスが数学の木内を連れ出したみたいだ!」
ヤバイっ!
「明久、どうにかしてほかの先生がこないようにしてくれる?現国以外の点数はかなりやばいんだ。」
「わかった。やってみるよ。須川君、またで悪いんだけど、教師用に偽情報を―」
偽情報か。内容にもよるけど、いい手だ。
今ので、須川君が行っちゃったから残り2人か。
さて、どうしようか。このままじゃ、僕は戦死の可能性がある。
能力はまだとっておきたい。
ここは、時間を稼いで、雄二の指示にかけるしか―
「Dクラス井上「同じくDクラス―(×11人)」召喚します!『サモン』」
「ああ、もう!どうにでもなれ!」
半分やけくそで召喚獣を動かす。
Dクラスの人たちは全員点数は70点台。
クソッ、1人じゃ勝てない!
「とにかく、数を減らして...痛!」
1人に集中するとほかに攻撃される。一体どうすれば―
視点をあっちこっちに動かす。そして、名案が2つうかんだ。
「明久、僕の指示通りにやってもらいたい事が―痛―僕がタイミングを言うからお願い!」
それだけ言って、壁の方に召喚獣を動かす。
僕の案の1つめは壁を背にして、戦うこと。
動くことはできないけど、後ろを取られることがなくなる。
そして、2つめは―
そこで、Dクラス12人が一斉に飛びかかってきた。
やっぱりそう来るか。
たしかに急に全員で一斉に来れば、いくら前にこられても対処はできない。
けど、そのやり方は読めてる!
「今だ明久!」
「OK!」
召喚獣たちの攻撃が当たる3秒前位に明久に指示を出す。
その瞬間、明久が持っていた消化器の安全弁を引き抜く。
ブシャァァァァァァ
『な、なんだ!?』
敵の召喚獣の動きが鈍くなる瞬間に上へ跳ぶ。召喚獣の姿は煙がうまく隠してくれたため全然バレていない。
『ヤツの召喚獣がいないぞ!』
そしてバレないように煙にまぎれながら、相手を木刀で吹っ飛ばしていく。
そして煙が晴れる頃には、戦死した召喚獣の山が出来ていた。
「フゥっ、助かった...」
僕は、戦死する危険がさり、脱力して、廊下に座り込んでいた。
「ありがとね。明久。指示に従ってくれて」
「まあ、これくらいはね―ってあれ雄二たちじゃない?」
明久が言っていたので振り向くと、そこには、確かに雄二たちがいた。
と、ここで、
ピンポンパンポーン《連絡致します》
そんな放送が聞こえてきた。
「あはは、これ須川くんだよね」
「あはは、もう遅いよ」
そして二人で爆笑していた。
《船越先生、船越先生》
「ほんと、もう遅いよ」
「あはは、そうだね」
そして笑っていたが...
《吉井明久君が体育館裏で待っています》
......................あれ?
「What?」
《生徒と教師の垣根を越えた、大事な話があるそうです》
「あは、は。お..面白い冗談...だね」
「(棒)ソダネータイヘンダネー」
「おのれ、蒼空!絶対楽しんでるな!!」
「どっちにせよ、逃げたほうがいいんじゃない?」
「うんそーだね。そして、須川をコロス...」
「行ってらっさい」
そして明久が走り出した。そして途中で振り返って、
「うん、いってきま...蒼空、後ろ!!」
「へ?―ガハッ!」
お腹にかなり強烈な痛みが走った。
しまった!召喚獣をだしっパにしてたんだった。
後ろを振り向くと、僕の召喚獣は相手の召喚獣に剣で串刺しにされていた。
『Fクラス 織斑 蒼空 vs Dクラス 金田 祐也
現国 12点 8点 』
ヤバイ、このままじゃ...
腹部の痛みで呻きながら、一気に剣を自分の体から引き抜く。が、
僕の召喚獣は、もう動けそうにない。
さて、どうしたものかな。
「サモン!」
なんと明久が召喚して助けてくれた。
相手は残り8点だったので、明久でも、倒せるだろう。
予想通り相手を倒した、明久が僕に聞いてきた。
「痛みは?どんな感じ?」
「死ぬほど痛い...」
どうやら明久はまだ、観察処分者仕様の召喚獣で大ダメージを受けたことはないらしい。
「なんか、腹の中をまるごとえぐられた感じの痛みだよ...」
「へ、へぇ...そうなんだ...」
と、そこでやっと援軍到達。
「大丈夫か、蒼空」
「大丈夫、と言いたいところだけど、無理...」
「誰か、こいつを教室に連れて行ってくれ」
「僕が行くよ」
「あ、ありがと、雄二、明久...」
僕はここで退場。
あとはクラスのみんなの頑張りにかけるしかない。
僕はそんな気持ちを抱きつつ、気を失った。
...今何分かな。
時計を見ると約15分位気を失っていたみたいだ。
と、その時、
『Dクラス代表 平賀 源二 討ち死に』
「よし!」
どうやら勝ったみたいだ。
明久もこの教室にはいないみたいだし、ちょっと見に行きますかね。
そう思って、教室を出てDクラスへと向かう。
ついて見た光景は、雄二に手首を掴まれている明久だった。
そして、その手から、包丁がポトリと落ちる。
.....なにやってんの?アレ。
「なにやってんの?」
「あ、起きたんだ。ちょ、ちょっとね。」
本当にちょっとだったら、包丁が落ちることはないと思う。
それに雄二が『生爪』とか言ってたの聞こえてたし。
「ルールに則ってクラスを明け渡そう。ただ、今日はこんな時間だから、作業は明日でいいか?」
敗残の将か...かわいそうに見えるけど、まぁしょうがないので無視。
「いや、その必要はない」
「え、どうして?」
全然予想してない答えで疑問なんだろうな。明久。
だって、僕も疑問だし。
「Dクラスを奪う気はないからだ」
...........?
「どういうこと?せっかく新しい設備が手に入ったのに」
「あのな、俺たちの目標はどこだ?」
「ああ、そういうことね」
「雄二、どういうこと?」
どうやら、明久はわからないらしい。
「つまりだな、俺たちの目標はAクラスだ。これでもうわかったろう」
「ああ、そういうことね」
やっと明久が理解したようだ。
「全く、そんなだから、近所の中学生に『バカなお兄ちゃん』って呼ばれるんだ」
「そんな半端にリアルな嘘言わないでよ!!」
「おっと、近所の小学生だったか?」
「.....人違いです」
「明久...」
まさか、本当に言われたなんて...
「と、とにかくだ。Dクラスの設備には一切手を出さない。
代わりに、平賀、俺が指示したら窓の外にあるアレを動かなくしてもらいたい」
ふ~ん室外機(Bクラスの)を壊す作戦か。どういうふうにするんだろ...?
そうこう考えるうちに、話が終わったようだ。
今度は姫路さんと雄二が話し始めた。
ま、いっか。
―☆―☆―☆―
「織斑、それをこっちに運んでくれ」
「はーい」
僕は1人で、召喚獣を使って先生の手伝いをしていた。
なぜ、1人かって言うと、もうとっくにみんな帰っているから。
「よいしょっと。先生、運び終わりました」
「助かったぞ。正直一人で運ぶと時間がかかってしまうからな」
ちなみに、相手は、鉄人こと西村教諭。
「それにしても全く、あいつらは...お前の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいほどだ」
と、いうふうに明久たちは言われている。
「おっと、今日はもう帰っていいぞ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
そう言って昇降口に向かったが、
「あ、バック教室に置きっぱなしだ」
教室戻らなきゃ。面倒だけど。
それに体に「おーい、蒼空ー」この声は明久かな?
「どしたの?明久」
「教科書置きっぱなしで、教室に戻ろうと」
「じゃあ、僕と一緒だ。一緒に行こうよ」
「別にいいけど」
そして、教室に向かって歩き出す。
「そういえば、蒼空はなんでいたの?」
「西村先生に仕事を頼まれてさ。それで帰ろうとしたら、バックとか忘れてるのに気づいて」
今更ながら、随分と豪快な物忘れだなぁ。
教科書とかならわかるけど、バックごとって...
そう考えている間にFクラスについたみたいだ。
やっと、帰れるよ...
そして、教室のドアを開けると、中には、
「吉井君!?」
「「あれ?姫路さん?」」
姫路さんがいた。
「どどどどうしたんですか?」
なにやら、すごく慌ててるようす。
その姫路さんの机の上には可愛らしい、まるでラブレターに使うような便箋と封筒が置いてあった。
「あ、あのっ、これはっ」
さては、誰かにラブレターを書いていたご様子。
さて誰に贈るんだろう。
1、僕。 まぁ、ありえないだろう。
2、明久。100%ないだろう
「今何か失礼なこと考えてなかった?」
「(棒)ソンナコトナイヨ、アキヒサー」
「ならいいけど...」
ふぅ、危ない危ない。
さて、続きを...
3、雄二 そういえば―――
いろいろとなにやら夢中で話していた光景があるような...
そうか...姫路さんの好きな人って雄二だったんだな...
でも、これって早とちりなんじゃ―――
「これはですね、そのっ」
「うんうん、わかってる、大丈夫だよ」
「えっと――ふあっ」
コテンッと卓袱台につまずいてこける姫路さん。
その拍子に隠していた手紙が明久の前に飛んできた。
ちょっと、覗いてみると...
《あなたのことが好きです》
前言撤回。早とちりなんかじゃなかった。
「「...................................」」
「変わった不幸の手紙だね」
「何が!?」
まぁ、明久って、異性にかなり鈍いらしいからなぁ。しょうがないのかもしれない。
「その手紙、いい返事がもらえるといいね」
「はいっ!」
「僕からもそう願ってるよ」
さて、そろそろ帰るとしますかな。
そのまま明久と一緒に帰って、マンション(自宅)までくると明久も話に夢中になって、ついてきちゃったみたいだ。
「そういえば、明久の家ってどこ?」
「いや、どこも何もここだけど...?」
「何号室?」
「206」
「205だよ」
まさか、明久がお隣さんだったとは...
そのことにびっくりしながら、僕はそのまま家に帰って、寝た。
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