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八条学園怪異譚

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第四十一話 百物語と茶室その二

「セクハラしてきますし」
「酒癖悪いですから」
「確かに問題点の多い娘じゃがな」 
 博士は茉莉也についても話していく。
「だがそれでもじゃ」
「二人よりも三人ですね」
「そういうことですよね」
「団結出来れば数は多いだけよい」
 尚逆に言えば団結出来なければ何人いても同じだ。
「だから声をかけるとよい」
「ですか、それで三人でなんですね」
「百物語を読んでいくんですか」
「そうするとよい」
 こう二人に話す。
「さすればすぐに終わるぞ」
「ううん、三人でなんですね」
「読んでいくといいんですね」
「百物語は何処の茶室でもよいからな」
 博士は再びこのことを言った。
「あの娘に携帯か何かで連絡してな」
「一応メアドはお互い知らせてますけれど」
「私も」
 二人もそれは既にしている、連絡をしようと思えば今にも出来る。
 だがそれでもだった、二人はまだ言うのだった。
「ですが。先輩ですから」
「あの人ですから」
「女好きですからね、あの人は」
 これまでこの場では静かにしていたろく子が言って来た。
「それで、ですよね」
「はい、悪い人じゃないんですね」
「むしろいい先輩です」
 二人もこのことはわかっている。
「優しいしちゃんと見るものは見てくれますし」
「いい人ですよ」
「ですが、酒癖とセクハラ癖が」
「その二つがどうも」
「昔からなんですよね、あの娘は」
 ろく子はその知的な美貌をたたえる顔をにこりとさせて話した。
「男の子はお一人だけですが」
「女の子は、ですよね」
「何人もですね」
「そうです、特に胸とお尻が好きで」
 何処かのスケベ親父の様ではある。
「腰のくびれとかも」
「私よく胸触られます」
「私はお尻を」
「脚もよく触られますけれど」
「というか脚が一番多いですよ」
「脚はあの人ではお約束です」
 最早入れるまでもないというのだ、話に。
「特に今の制服はミニスカートが主流ですから」
「もう触り放題ですよね」
「出してますから」
 二人もこのことはよくわかった。
「だから脚はお約束ですか」
「所謂デフォなんですね」
「しかも女の子同士ならスキンシップですから」
 それで話が済むというのだ。
「キスしても押し倒しても訴えられないですから」
「私達は押し倒されてはないですけれどね」
「されかけたことはありますけれど」
 すんでのところで何とか防いでいるのだ。
「けれどそれでも」
「頬っぺたにキスされたことはあります」
 このことも二人共だ。
「酔うといきなりしてくるんですから」
「油断出来ないですよ」
「本当にある意味で凄い人ですよね」
「女の子同士ですから中々嫌と言えないですし」
「そこが問題ですけれどね」
 困っている二人に対して大人の余裕で返すろく子だった、この辺りは流石の歳の差と言えた、しかも何百年もの。 
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