ヘタリア大帝国
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TURN88 うぽぽ菌その三
「二人共そうした考えなのか」
「まあそれはね。何ていうか」
「愛情といいますか」
「相手が男なら絶対に許せないけれど」
「まだ多少は」
許せるというのだ、二人にとっては。
だがどうしても許せないことがある、それがだった。
「男と絡ませたハニワは割るわ」
「一回殺します」
本気の言葉だった。
「どうせ割ってもすぐにくっつくから」
「成敗しておきます」
「本気だな、その言葉も」
「勿論よ、祖国さんもね」
「協力して下さい」
「わかった、だが俺もだ」
ドイツもこうしたことはだった。俯いてそのうえで呟く様にして漏らした。
「そうしたことは嫌いではない」
「祖国さん結構だからね」
グレシアはドイツを温かいが何処かにやにやとした感じで見ながら話した。
「というか嫌いな人いないわよね」
「うむ、実際な」
「イタリア君のあのはっきりさもいいわね」
グレシアはイタリアが好きなままである。
「枢軸でも一緒っていいわよね」
「はい、私もイタリアさんは好きです」
エルミーもだった。
「この前デートに誘われましたけれど」
「あら、一回行ってきたら?」
グレシアはエルミーを明るい笑顔で見て言った。
「面白いわよ、イタリア君とのデートは」
「まさか宣伝相も」
「この前一回一緒に買い物に行ったのよ」
そうしたことをしてきたというのだ。
「一緒にパスタも食べてね」
「そうしたのですね」
「イタちゃんあれで奥手だから」
「そうなのですか?」
「そうよ。確かに女の子が好きだけれど」
それでもだというのだ。
「奥手なのよ。キスもしないのよ」
「あいつはそうだ。実は奥手だ」
ドイツもよく知っていることだ。
「だから俺も安心しているが」
「あと凄く弱いから」
このことを言うのも忘れないグレシアだった。
「変なのが来たら自分で戦うか」
「逃げるかですか」
「その場合イタちゃんちゃんと手を握って逃げてくれるけれどね」
流石に見捨てはしないというのだ。
「けれど戦力にはならないからね」
「市街戦もですね」
「そう、イタちゃんが強いのはスポーツ」
戦闘は駄目だというのだ。
「あと妹さん達は強いからね」
「イタリアさんとロマーノさんはですね」
「滅茶苦茶弱いから安心してね」
所謂安定の弱さだ、実際に。
三人のところにそのイタリアが来た、見事に泣いている。
「ドイツーーーー、助けてよーーーー」
「今度は何があった」
ドイツは腕を組み目を瞑ってイタリアに応えた。
「一体」
「さっき町でハニワ族の若い人に喧嘩売られてさ」
「負けたか」
「だってハニワって凄い強いんだよ」
イタリアから見ればだ。
「御前弱いだろ、って喧嘩売ってきてだ」
「全く、そのハニワ族は何処にいる」
「今外で勝ち誇ってるよ」
イタリアに勝ったからである。
「もう凄く強いから」
「今から行く、そのハニワには俺が注意する」
いつも通りである、ドイツのこれもまた。
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