ヘタリア大帝国
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TURN88 うぽぽ菌その一
TURN88 うぽぽ菌
チリに戦略拠点を置いた枢軸軍はそこからアステカ深部に攻め込むことになった。
だがこの際にだった。レーティアは難しい顔で津波に話すことがあった。それはというと。
「中南米の問題点だが」
「宇宙怪獣にハニワか」
「それだけではない」
レーティアはそうしたことだけを見てはいなかった、ここにも彼女の視野の広さがある。
「ブラジルやアマゾンのことだ」
「どちらも熱帯だな」
津波は久重の口から言った。
「キューバもそうだったfが」
「艦艇の中は冷暖房があるのでいいが」
基地の中もだ、その問題はなかった。
だがだった。この問題があった。
「衛生管理だ」
「風土病の」
「どの星域にもあるが熱帯は風土病が特に多い」
「アフリカ南部然り」
「アマゾンもだ。風土病にも気をつけなくてはな」
「そういえばですよね」
久重が自分の考えを述べた。
「マラリアなりデング熱なり」
「他にも多くある」
「ですよね、そういうのに気をつけないと」
「だからだ、未発見のものは患者が出てからだが」
「既に発見されているものは」
「全てチェックしてワクチンを開発しておいて」
もうそうしているというのだ。
「事前の予防策も講じておいた」
「じゃあ風土病にも」
「万全の態勢を敷いた、全軍に伝えてくれ」
「わかった」
今度は津波の言葉だった。
「それではな」
「戦争で問題になるのは敵だけではない」
「気候や風土病もまた」
「そうしたものに対策を講じてこそだ」
「万全に戦えるか」
「思えば東部戦線でもそうだった」
ソビエトとの戦いもだった。
「あの国はほぼ全ての星域が極寒だ」
「それで防寒対策をした艦艇を建造した」
「あらかじめそうしていた」
ソビエト戦の前にだというのだ。
「ソビエト侵攻は当初より計画していたからな」
「生存圏か」
「そうだ、北欧もそうだったからな」
アルビルダの故国もそれで有名だ。
「防寒対策をしなければ戦えたものではない」
「ソビエト相手には」
「あの国は攻めることよりも守る方が得意だ」
ロシア帝国からの伝統だ、、その寒冷な気候を利用して戦ってきたのだ。
「その最大の楯が雪と氷だ」
「寒さそのものが」
「それならその楯を砕くまでだ」
これもまたレーティアの考えだった。
「そう考えて対策を講じたのだが」
「しかしか」
「まずった、一人で全てを抱え過ぎたか」
レーティアの反省点だ、過労で倒れたことをだ。
「私はそのことを見落としていた」
「ううん、難しい話ですよね」
久重はここでまた自分の口で自分の考えを述べた。
「そこが」
「私は何でもしようと思った、だが体力のことをあえて無視してきた」
「他の人に任せられることは任せないと駄目なんですね」
「このことを見落としていたからだ」
それでだったのだ。
「私はドクツを敗戦に導いてしまった」
「それは事実だ。しかしだ」
また津波が語る。
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