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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0389話

 リュボースとの契約成立の後、俺の姿は当然のように闘技場の中にあった。
 いや、予選3回戦を行う為に来たんだから当然なんだが。
 そして今、俺の正面には耳がエルフのように尖っている亜人とムキムキの肉体をした人間の男の姿がある。

『では、予選第3回戦の次の試合です。西の門から登場するのは、このキズクモの街の拳闘士ファンなら誰でも知っている! 風使いと名高いエテルノ・フィーネ選手。そして自慢の怪力で全てを薙ぎ払う! その豪腕は今日も火を噴くのか。オレイエ・コペルタ選手。そして東の門からは突然変異のグリフィンドラゴンを従える召喚魔法の使い手。しかしその強さは召喚魔法に頼っただけではないというのを2回戦でこれでもかと見せました。あの自称ナギ・スプリングフィールドの最大のライバルとも目されているアクセル・アルマー選手です』

 わあああぁぁぁっ! という歓声を聞きつつ闘技場の中央へと進み出る。
 チラリと視線を客席へと向けると、そこにはあやか達の姿もある。一瞬だけあやかと視線が合うと、これでもかとばかりに手を振ってきていた。

「お前が噂のアクセル・アルマーか」

 向かい合ったエルフっぽい方の男がそう問いかけてくる。

「さて、どんな噂なのやら分からないが、さっきの放送にもあった通り俺がアクセル・アルマーだ」
「へっ、なんだよ。半魔族とかいうからどんな化け物かと思ってたら、ただの角と羽が生えてるだけのヒョロイ兄ちゃんじゃねぇか。もっと飯を食って力を付けろよ」

 オレイエと呼ばれた方の男が自らの筋肉を見せつけるように挑発してくるが……

「いや、お前の筋肉と比べれば誰でもヒョロイと言われると思うんだが」

 相方である筈のエテルノのそう突っ込まれ、思わず俺もそれに頷いていた。
 何しろ身長自体は今の俺と大差ないのだが、体重で比べると恐らく俺の2倍程度の差はありそうな感じなのだから。
 特に豪腕がどうのと紹介されていた通り、その腕には異形とも言える程の筋肉が付けられている。それもボディビルダーが付けているような見せる為の筋肉ではなく、実際に戦闘で使う為の筋肉だ。

「はっはっは。そうだろう、俺の筋肉は全てを破壊する! まさに金肉と言ってもいい価値を持ってるからな!」
「……すまんな、見ての通り身体付きはともかく頭の方は残念な出来でな」

 オレイエの方を見ながら、エテルノが溜息を吐いて頭を下げてくる。
 なるほど。オレイエが敵に突っ込んでそれをエテルノがフォローする戦闘スタイルなんだろうと、何となく予想出来た。

『では、ナギ・スプリングフィールド杯、予選第3回戦……始め!』
『闇き夜の型』

 試合開始と同時に、闇き夜の型を発動。ただでさえ大魔王だなんだとネギ達に言われている俺の姿が、そこからさらに一段階パワーアップする。闇のようなオーラを身体に纏い、腕には何らかの紋章のような物が浮かび上がる。

『おおっと、またもやアクセル選手が何かを使ったぞ。見た所身体強化系のスキルに見えるが……種族特有の能力か!?』

 外れ。だが、当然馬鹿正直に教える筈も無く、そのままゆらりと前へ一歩踏み出す。

「はっ、俺を相手に真っ正面からやり合おうってのか? ひょろい兄ちゃんだと思ったが、その度胸は認めてやるぜ。行くぞ!」

 瞬動を使い、俺の目の前に突然現れるオレイエ。自慢の筋力を使い、俺を殴りつけようと拳を繰り出す。
 さすがにこのキズクモの街でも有名な拳闘士というだけあり、その拳はただ真っ直ぐに、そして素早く突き出された。素人がよくやるように一端拳を後ろに引いたような大振りの一撃ではない。

『魔法の射手、戒めの風矢!』

 そしてそんなオレイエをフォローするように放たれるエテルノの魔法の射手6本。それも拘束効果のある戒めの矢だ。
 なるほど、確かにこれで動きを止められてオレイエの腕力で殴られては普通の相手には対応するのは難しいだろう。だが。

「何!?」

 オレイエの後ろからエテルノの驚愕の声が聞こえて来る。
 そう、異形化の特殊能力である深紅の角の効果で俺に向かって来た6本の魔法の射手そのものを燃やし尽くしたのだ。
 そして直後に繰り出されたオレイエの腕を掴み、そのまま一本背負いの要領で地面へと叩き付ける。

「ぐっ!?」

 自分の腕力がそのまま地面に叩き付けられる威力へと変化させられ、その衝撃に息を詰まらせるオレイエ。
 同時に、俺の影から伸びた影槍が10本、エテルノへとその穂先を向けて伸びていく。

『風花・風障壁!』

 咄嗟に風の障壁で影槍を防ぐエテルノ。その魔法はネギも得意としており、俺も特性は知っている。即ち……

「ぐぅっ!」

 俺の影から次々に連続して現れる影槍。その穂先は、最初の影槍を防いで既に消え掛かっている風の障壁を貫通してエテルノへと突き刺さる。
 そう、強力な防御力を誇る風の障壁を張る『風花・風障壁』だが、その効果は極短い。あくまでも敵から放たれる一撃を防ぐ為の障壁であり、今行われたような連続した攻撃は防ぎきれないのだ。

「エ……テルノォッ!」

 背中を強打し、息を詰まらせて呼吸に苦しんでいたオレイエがそう叫びながら強引に立ち上がる。
 ……仲間のピンチで火事場の馬鹿力を発揮させるとか、どこの正義のヒーローだ。
 そんな風に思いつつも、影槍が10発以上命中して身体中にその穂先がめり込んだエテルノは既に気絶している。一応、この街でも人気の拳闘士らしいので気絶させる程度に留めた俺を褒めて欲しい所だ。……まぁ、この世界には治癒魔法が普通にあるらしいので腕が切断された程度なら何の問題も無く治療可能らしいが。

「貴様ぁっ!」

 起き上がったままに、呼吸すらも碌に整えず自慢の拳を俺へと向かって放つオレイエ。それでも尚、大振りにはならずに最短距離を通って俺の顔面を狙っているのはさすがと言ってもいいだろう。

「だが、呼吸は整えるべきだったな」

 呼吸が荒いまま放たれた一撃。それはオレイエの身体能力に如実に影響を現していた。本来なら腰を回転させて全身の力を拳に乗せるのだが、それが出来ない今はいわゆる手打ちのパンチとなっていた。俗に言うテレフォンパンチという奴だ。

「がっ!」

 放たれた拳を掻い潜り、その懐へと入り込んで鳩尾へと拳を埋める。
 さすがに筋肉自慢のオレイエといえども、背中を強打させられたダメージから立ち直っていない状態で鳩尾に『闇き夜の型』で威力を増した拳を食らってはどうにもならなかったらしく、そのまま気絶して地面へと倒れこんだ。

『エテルノ選手、オレイエ選手、両選手とも気絶です! 勝者、アクセル・アルマー選手! グリフォンドラゴンの召喚、炎と影、そして今回は恐らくですが種族特有の能力を披露してくれました。アクセル選手の底は一体何処まであるのでしょうか。では、これから勝利者インタビューへと入ります』

 解説がそこで終了すると、次にスタッフ用の出入り口から1人の女が現れる。珍しく人間の女だ。年齢は20代半ば程だろうか。
 同時にストレッチャーを持ったスタッフが気絶したエテルノ、オレイエの2人を救護室まで運んでいく。
 その様子を見ながら、『闇き夜の型』を解除する。すると……
 ドクンッという何らかの脈動が身体の中で生じる。

「ガッ!?」

 その何かが脈動した衝撃で思わず声を漏らす。

「アクセル選手? どうかしましたか?」

 それが妙な様子に見えたのだろう。インタビュアーの女が小首を傾げながらそう尋ねてくる。
 幸い身体の中の何かの脈動を感じたのはほんの一瞬であり、それ以降は特に違和感は無かった。

「いや、何でも無い」
「そうですか? ……では、改めて。アクセル選手、3回戦突破おめでとうございます。それにしても毎回違う力を見せて私達を驚かせてくれますね」
「俺みたいな初出場の選手は情報が無いのが最大の利点だからな」
「確かにそうですね。1回戦は召喚魔法を使って、2回戦は遠距離戦闘が可能な魔法使いとして。そして今日行われた3回戦では種族特有の能力と思われる力を使っての接近戦。……まさに死角無し、ですね。今頃は他の選手達もアクセル選手対策に大わらわなのではないでしょうか?」
「どうだろうな。まぁ、これが俺の力の全てでは無い……とだけは言っておこうか。あぁ、ちなみにちょっと聞きたいんだが、今回のこのインタビューは前回同様に全国放送か?」

 そんな俺の質問に、マイクを持った女は残念そうに首を振る。

「いえ、残念ですが諸般の事情で今日のインタビューが流れるのはキズクモのみとなっています。私としてもアクセル選手と自称ナギ選手のやり取りには期待していたのですが……」

 俺とナギのやり取りは、少なくてもこのキズクモにおいてはかなりの注目を受けている。それは恐らくナギ……の振りをしたネギがいるグラニクスも同様だろう。つまり俺とネギがマイクパフォーマンスをすればする程視聴率が上がる筈なのだ。
 ……まぁ、現実世界のTV局と一緒という訳じゃないんだから、視聴率という概念が無い可能性もあるが。
 それでも市民、住民、観客達が俺達のやり取りに注目しているのは間違い無いだろう。そんな中で全国放送にしないとなると……何かあったか?

「それでは最後に何か一言お願いします」

 渡されたマイクを手に、この映像が流れているのがキズクモだけならレイジングとの約束を果たすのはちょうといいと判断する。

「あー、レイジング、聞こえているか? お前の協力のおかげで無事にここまで勝ち上がってきた。また機会があったら寄らせて貰うから面白そうなマジックアイテムがあったら用意しておいてくれ」
「レイジング、というのは?」

 俺の言葉を聞いてインタビュアーが不思議そうに尋ねてくるが、さすがに余り流行っていない魔法店については知らなかったか。

「レイジング魔法店という店の主人だ。ちょっと厄介事が起きた時に助けて貰ってからは贔屓にしている」
「魔法店ですか。よろしければどんな物を買ったのか聞いても?」
「一番大きな買い物だったのはダイオラマ魔法球だな。おかげで訓練をする場所で困る事はなくなった」
「……ダイオラマ魔法球、ですか。かなり高額だと聞いてますが……」
「確かに高かった。だが、何よりもダイオラマ魔法球を取り扱っている魔法店がレイジング魔法店しか無かったというのも大きいな。店主は一種の趣味人に近いが、それだけにマイナーな商品も取り扱っているのが嬉しい所だ。実際俺が買った魔法球も値段に相応しい性能を持っていたしな」

 さて、約束の店の宣伝はこのくらいでいいだろう。

「さて、インタビューはそろそろいいか? ここでも次の試合が詰まってるんだろう?」
「あ、はい。そうですね。では、勝利者インタビューはこの辺で終了とさせてもらいます。今日はどうもありがとうございまし」

 ペコリと頭を下げて、スタッフ用の出入り口から出て行くインタビュアー。その後ろ姿を見送ってから、俺もまた選手用の出入り口から出るのだった。

「お疲れ様です」

 そして出た先には当然とばかりにリュボースが俺を待っているのだった。

「あんな具合で良かったのか?」
「はい。貴方が目立てば目立つ程に貴方に対する不思議さは他の観客達から好奇心を呼び起こします」
「それが最終的にはこの街の代表に対する期待へと変わる、か」
「そうですね。ただし、それはアクセルさんが無事このキズクモの代表になったら、ですが。言っておきますが取引をした以上は代表になれなかった場合はこちらも容赦無く切る事になる可能性がありますのでご了承を」
「ああ、俺も負けるつもりは当然ないさ」
「当方としてもそれは助かります。では、次の試合は2日後。準決勝ですので、相手も当然それなりの強さを持っている筈です。お気を付け下さい」
「忠告どうもありがとうよ」
「いえ、私にも利益は出ている事ですので。では、失礼します」

 ペコリ、と頭を下げて去っていくリュボース。
 その後ろ姿を見送り、俺は闇の魔法を解除した時に感じた違和感に思わず眉を顰めるのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:715
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:392 
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