(仮称)武器の御遣い
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第零章
プロローグ:藤丸 飛鳥、転生するとのこと
Side:???
……オレは死んだ。
……いきなりなんだと言われるかもしれないが一応聞いておいてほしい。……適当に流してくれても構わない。
……名前は藤丸 飛鳥。……高校を卒業したばかりの新大学生だった。……ついでに浅く広いアニメや漫画などの知識を持ってはいるが、そのアニメや漫画の粗筋や登場人物、登場人物達に何らかの能力や技が有ればその技や能力等をPCで調べた程度の浅さなのでに回りのオタクたちの話にはついていける気がしない。……その程度。
……で、簡単に死因を言うと、後ろから通り魔に刺された。……実家は酒屋で、オレはその跡取りだったが、武道を齧っていたのでちょっと屈辱だった。……如何でも良いけど、武道を齧っただけだと友人に言うと揃って『嘘をつくな』と返された。
………話が逸れた。……そして死んでいるのに何故こうして考え事ができているのかと言うと、目の前にいる金髪青目のお兄さん――見た目ガンダムSEEDのムウ・ラ・フラガさん――が原因らしい。……まあ、よくあるミスで殺してしまいました、ってやつかな? あと呼び方ムウさんで良いかな?
「その通りだ。本来なら君は死ぬ筈じゃ無かった……と言うか、あれ事態が起きなかったはずのことなんだ」
へー……まあ、気にして無いから良いです。
「済まない、そう言ってくれると有り難い。お詫びと言っては何だが、君を転生させてあげよう。勿論特典も用意しよう」
……へー。……死ぬ前にネットで見た神様転生とか言うのかな? 元の世界には帰れないんだっけ?
「ああ、済まない。だが、君の好きな世界に行ける」
………そっか。……元の世界に未練が無いと言えば嘘になる。……でも、うだうだ言っても仕方ない。……行きたい世界とかは無いし、能力とか行く世界とか全部お任せで。……あ、日本語通じない世界とかならそこだけ改善して欲しい。
「……欲の無い奴だなぁ。……君の世界の二次小説だと容姿変更して魔力なり氣なりを無限にしてもって無限の剣製とか王の財宝、最近だと大嘘憑きや聖約・運命の神槍、水銀占星術とかなんかを頼む者が居るんじゃないか?」
……何度かネット小説で見たことがある気がする。……でも、それってチート過ぎでしょどう考えても。……てか、獣殿の槍なんか持ったところで、素体がアレ過ぎるから怒りの日の流出所か、神父猊下の死亡フラグや伝説の形成にすら劣るぞ。……練炭(最初期)にkkkの流星使わせる位無理があるぞ。……まぁそいつ等がどうなったかなんて知った事じゃないが、言葉さえ通じれば後は自分自身でどうにか出来る。
「そうか、なら適当にこっちで用意するぞ?」
………ん、よろしくお願いします。……行く世界はどんなとこ?
「恋姫†無双ってとこだ」
………割と知ってる作品だった。……戦争ばっかしてる世界か。……あ、三国時代だから仕方ないのか。……まあ、何とかなる。……てか、恋姫†無双なら尚の事さっき挙げた特典とかダメじゃね? いや、一億歩譲って槍・蔵・剣製はまだいいよ。……実際それら持って恋姫世界行くニ次が有るから。……でも大嘘憑きや占星術はダメでしょ。……使った瞬間妖術師認定されて討伐隊組まれるレベル。
「それもそうだな。じゃあ特典に着いては向う行ってからのお楽しみって事で」
……わかった。……あ、性転換だけは無しで。
「わかった」
――………ムウさんの言葉を聞くと途端に眠くなったので眠りに着いた。
Side:END
飛鳥が眠りに着いた後、金髪青目のお兄さんことムウ・ラ・フラガは数枚のレポート用紙を手に飛鳥への特典を考えていた。因みにレポート用紙には飛鳥の顔写真・姓名・生年月日・住所・性別・備考が書かれているちょっとしたプロフィール表と成っている。
「行ったか。じゃあ、特典を付けるとするか。まずは氣をDBGTのゴジータ位に、ってもうそれ位持ってるのかよ!? 次は三國無双・戦国無双・戦国BASARAの武器を乗り物等を除いたものを送って。めだかボックスの宗像形以上の暗器術………これも使えるのかよ!? 武器を完璧に扱える柔軟性………も有るな。身体能力を強化………はしなくても既に化物の域だ。BASARAの技を………既に使える。何事にも動じない心……もう持ってたな。
………どうしよう、特典一個しか付けて無いぞ。…………そうだ!NARUTOの忍術なら………え~っと?大抵は気合で何とかして、NARUTOとかの忍術も気合と何となくの修行法で体術と忍術の大半は習得し、隠密歩法とか縮地とかも習得した? どこの魔法先生焼き鳥の公式バグチートキャラだよ!? じゃあ、あれだ! 覇気! …………レイリーの抽象的な説明を基にやってみたら武装色と見聞色は使える。ゑ? マジで?
え~っと? これだけやってもまだ一個だけか。武器増やそう、BLEACHの風死とか侘助みたいに三国時代に有っても不思議じゃない形状の斬魄刀と多量の暗器、ONE PIECEの武器、忍刀七人衆の刀数本、刀語の完成形変体刀、Fate/の形状が普通の宝具を幾つかにその他諸々。宝具に着いては真名解放とか呪いとかを取り除いて異常な程硬い武器にしておこう。それでもまだ一個しか付けて無い状態なんだよな。でもな~これ以上ないし。
しゃ~ない。向うの世界での名前を伝えて、氣を抑える眼帯を同封した手紙を書いて特典を付けれなかったと謝罪するか」
ムウはそう言って紙とシャーペンを用意し、カチカチと芯を出して手紙を書き始めた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『………う、ん?ここは、森?』
――――カサ
『………ん?紙?』
目を覚ました飛鳥は手に地に落ちていた紙を見つけ、拾い上げて読み始めた
――無事転生出来たかな?
手紙はまず転生できたかを尋ねる文から始まった
――まずは謝罪させて貰う。すまない。俺が付けようとした特典は全て君は兼ね備えていた為に武器と名前、ちょっとした小道具しか送れない事を許して欲しい。
『………別に良いけどね』
――さて、では現在の状況を説明しよう。
君が現在居る場所は益州の外れ、つまり南蛮の近くだ。
そして時期的には黄巾の乱が起こる少し前、北郷一刀がやって来る十年程前だ。
因みに今の君の肉体年齢は15歳と言ったところ、だいたい骨格も出来上がる時期だからな。
『………成る程』
――君は立ち位置的には御遣いの立ち位置に居るが、俺が特別に外史の住人として登録しておいたからその世界は歴史の修正力は君には働かない。大まかな戦――黄巾の乱や反董卓連合、赤壁の戦いとかは起きるので、その辺は如何するか君の好きなように生きろ。
『……了解』
――P.S.
『………うん?』
――特典は超大量の武器・氣を抑える概念を付与してある眼帯・今君が着ている服・仮面・君への名前だ。
君のそちらの世界で生きていくための名前を送る。
性は法
名は正
字は孝直
真名は飛鳥だ。
では、幸運を祈る。そちらの世界での君の人生に多くの幸が有らん事を。
ムウ・ラ・フラガ
『…………色々と有難う御座います』
飛鳥はそう言うと氣を使って火を灯し、手紙を焼いた。
『オレの名は法正、字は孝直。真名は飛鳥………か』
飛鳥はそう呟くと近くに落ちていた顔の三分の一を隠す真黒の面を拾って付けた。
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