ヘタリア大帝国
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TURN87 再編成の合間その四
「無残に」
「そうだよね」
「枢軸も姑息なことをするものです」
「そんなことは失敗するに決まってるわよ」
カテーリンもこう言う。
「というかそんなことしても無駄よ」
「実際に失敗していますし。ただ」
「ただ?」
「枢軸側が急激な発展を遂げているのは間違いないです」
ゾルゲはこのことも確かめていた。
「技術的にも国力的にも」
「私もそのことは聞いてるけれど」
「書記長はどう思われますか」
国家主席であり党、共有党の書記長でもある、カテーリンはそうした存在なのだ。
「このことについては」
「あれだけ色々いて大きかったらそれ位なるわ」
太平洋がその総合力を発揮したに過ぎない、それが連合の発展に対するカテーリンの分析だった。
「あそこは違うから」
「私もそう思います」
ゾルゲも己の考えを率直に述べる。
「第六世代の艦艇が普及し第八世代も開発、建造されようとしていますが」
「日本、ガメリカ、 中帝国にインドとかね」
「大国が多いです、元々」
「しかも 日本帝国において資源がよね」
「かなり大規模な埋蔵してあったものが発見されました」
「運がいいわね」
事情を知らないとこう考えられることだった。
「本当に」
「全くです。枢軸の国力は三倍は上がろうとしています」
「まるでレーティア=アドルフが出て来たドクツみたいに」
「そうなっています」
「ならこっちもよ」
カテーリンも負けていない、それならだった。
「エイリスと一緒にね」
「そしてドクツも戦わせて」
「やってやるから、負けないんだから」
「ではこのまま戦力を充実させていきますね」
「そうするから。そして同志ゾルゲ大佐」
カテーリンはゾルゲに直々に命じた。
「場合によっては枢軸に潜入して下さい」
「そのうえで」
「はい、秘密工作を頼みます」
実質的な命令だった。
「そのことをお願いします」
「わかりました、同志カテーリン」
ゾルゲもカテーリンを同志と呼んで返す。
「それでは」
「全てはソビエトの為に」
カテーリンは強い声で言った。ソビエトも手を打っていた。
それはエイリスも同じだった、エイリスは残されたアフリカの植民地を中心にして力を取り戻さんとしていた。
セーラはロンドンの王宮においてロレンスからの報告を聞いていた。
「ではアフリカからですね」
「戦力は出せています」
「そして正規艦隊も」
「再編成は進んでいます。ですが」
ロレンスはセーラの前で畏まりながら報告していく。
「それでもです」
「アジア、オセアニアの植民地を失ったことは」
「相当な痛手です」
このことは否定出来なかった。
「特にインドは」
「インド諸星域ですね」
「その損失が最も大きいです」
「軍事的にも経済的にもですね」
「国力が開戦前の四分の一になっています」
そこまで衰微しているというのだ。
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