仮面ライダーフォーゼ 自分の手で
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第二十九章
「俺が決める!」
「弦太郎、最後の最後は任せた」
メテオもこうフォーゼに言う。
「後はな」
「わかった、それじゃあな」
フォーゼも頷きそしてだった、放り上げられたスサノオに対して。
「抜いて挿す!」
世界が変わった、バリズンソード=ブーストモードを使ってワームホールを発生させそれでスサノオもろとも宇宙空間にワープした、ワープドライブを使ったのだ。
そのスサノオを観つつバリゾンソードからコズミックスイッチを一度抜いた、そして挿しなおしそれからだった。
スラッシュモードを発動させてだ、その剣身に。
コズミックエナジーの全てを注ぎ込んだ、その強さはスサノオを以てしても耐えられるものではなかった、それを剣に込めて。
宇宙空間にいるスサノオに突き進む、そこで技の名を叫んだ。
「ライダー超銀河フィニッシュ!」
スサノオの鋼鉄をも遥かに凌駕する硬さの身体を唐竹割りにした、それでだった。
スサノオとの決着を着けた、フォーゼは自身の前に目も眩む様な大爆発を見た。
フォーゼは両手に持っている剣を振り下ろしたままだった、その彼に対してスサノオの声が言って来た。身体はもうないが。
「見事だ」
「俺達の勝ちだな」
「うむ、いい戦いいや」
ここでだ、スサノオは言うのだった。
「心だった」
「そう言ってくれるんだな」
「その通りだからな、全く以て見事だった」
そうだったとだ、スサノオは言うのだ。
「私も満足した」
「あんたを満足させるつもりはないんだがな」
「ははは、しかしそうさせてもらったよ」
「そうか、ならいい」
フォーゼもこうスサノオに返す。
「俺達は勝った、あんたも満足した」
「お互いだな」
「しかしまだやるんだな」
フォーゼもスサノオの考えがわかっていた、それで彼にまた言ったのである。
「そうだな」
「うむ、また会おう」
「なら俺達はまた勝つ」
そしてだというのだ。
「そしてあんたも満足させてやる」
「そこで私のことを言うとはな」
「あんたは別に世界征服だの世界の破滅だの俺達を殺そうだの思っていないんだな」
「そんな考えはとうの昔に捨てているのだよ」
スサノオ自身もそうだというのだ、そうした考えは既にだ。
「私は楽しみを見出しているのだよ」
「そうだな」
「だから次に私と会う時にだ」
その時にだ、再びだというのだ。
「楽しませくれ」
「それではな」
こう話してだ、そしてだった。
スサノオは己の気配を消した、それと共にフォーゼは元の世界に戻った。銀河から。
その彼の周りに仲間達、そして火野達が来た。皆既に変身を解いている。その彼等が来て言うのだった。
「やったな」
「これで終わりだな」
朔田と火野が応える、それと共に。
皆如月の肩をぽんぽんと叩いたり手を打ち合わせる、戦士達の戦いはまさに大団円だった。
そしてその中でだ、歌星が言った。
「じゃあ今からな」
「ああ、どうするんだ?」
「仮面ライダー部の部室に戻る」
この城南大学のだというのだ。
「そしてすき焼きパーティーだ、祝勝だ」
「食材はもう勝っているのか?」
「たまたま全部買っていた」
歌星はアンクの怪訝な問いにあっさりと答えた。
「それでだ」
「鍋もコンロも全部ある」
「それは用意がいいな」
「後は料理をするだけだ」
それですき焼きを食べられるというのだ。
「だから今から行こう」
「スサノオとの戦いはこれからも続くがな」
一応だ、朔田はこのことは言っておいた。だが彼もわかっていてそれで言うのだった。
「しかしそれでもだな」
「そうだ、この戦いには勝った」
だからこの戦いでの勝利を祝うというのだ。
「そうする、いいな」
「わかった、それじゃあな」
朔田も歌星の言葉に頷いた、そうしてだった。
ライダー達は仮面ライダー部の部室に入った、そのうえでそのすき焼きを全員で食べて祝った。その朝に。
火野達は戦いの後の宴にすっかり満足した顔で部室を出た、その扉のところで笑顔で言うのだった。
「じゃあまた」
「次の戦いの時にな」
「戦おう」
火野だけでなく伊達と後藤もいる、アンクはその手にアイスがある。
湊もだ、こう言うのだった。
「また会う日まで」
「それじゃあな」
アンクも挨拶をしてだ、そしてだった。
火野が如月に手を差し出す、そのうえで言うことは。
「これだけはさ」
「やっておかないとな」
「ああ、じゃあ」
「やるか」
二人で笑みを浮かべて言い合いそうしてだった。
握手をした後何度も拳を打ち合わせる、それを伊達達とも行い。
そのうえで笑顔で別れた、それでだった。
ライダー達は一旦別れた、歌星は仮面ライダー部だけになったところで如月に言う。
「戦いの後は宴で徹夜だったからな」
「ああ、だからだな」
「今日はこれで休むか」
学校の講義には出ずにだというのだ。
「また何があるかわからないからな」
「休んでそしてか」
「まただ」
歌星は遠い目になりつつ仲間達に述べる。
「戦おう」
「そうだな、それじゃあな」
仮面ライダー部の面々も朝になりそれぞれの家、休息の場所に戻った。今は戦いではなく休息を選ぶ彼等だった、だがそれもまた新たな戦いのはじまりだった。
如月もそのことがわかっている、それで今ユウキにも言うのだった。
「今からはな」
「はい、お休みですね」
「暫くそうするか」
こう笑顔で言ってだった、彼は自身のバイクに乗り帰るべき家に戻った。そこでまずはぐっすりと眠り次の戦いに備えるのだった。
仮面ライダーフォーゼ 自分の手で 完
2013・9・25
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