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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん! 

作者:メア
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん、リーゼンガングへ行く







 岩山の段差に作られたリーゼンガングの村に到着しました。そこは大変な騒ぎのようです。

「おーい! そっちに行ったぞっ!!」

「女と子供は家の中へ入れ! 鍵を掛けて、絶対に外に出るんじゃねえぞ!」

リーゼンガングの村では、サモンナイトに出てくるようなポコちゃんが青くなったようなのが、浮いていて動き回っています。それを大人の人達が攻撃したり、攻撃されたりしています。他にも巨人タイプや、4足歩行の犬タイプなどもいます。その数は多いですね。

「わわあ。なに? 何の騒ぎですか?」

アーシャさんがはげの……こほん。頭がツルツルのおじさんに話しかけました。

「おお、嬢ちゃん! こないだの地鳴りで壁が傷んでいたみたいでな。崩れたところから、スラグが大量に出てきやがった。悪いこた言わねえ。しばらく村の外に避難してな。今は村の外の方が安全だぞ」

「あの、私達もスラグ退治を手伝います」

私はおじさんにお手伝いする事を伝えました。しかし、その前におじさんは奥へと慌てて進みました。

「そう、そうです。わたしもお手伝いします」

アーシャさんも賛成してくれました。ベルちゃんにいたってはすでに黒歌と共に戦う準備をしていました。

「おい、そっちに行ったぞ!!」

「嬢ちゃん達、逃げろ!」

おじさんの声が聞こえましたが、私達の目の前に上の方からスラグと呼ばれる存在が多数飛び降りて来ました。2メートルくらいの巨人型が6体、犬タイプが6体、浮遊タイプが5体です。合計17体です。

「ここはこれです! えいっ!」

巨大な氷の塊を取り出してアーシャさんが投げつけました。それが着弾すると、周りの敵と地面を氷漬けにして粉々に砕きました。

「す、凄いですね……」

「錬金術で作ったスニーレヘルンです」

「相変わらず飛んでないわね。それじゃあ、アタシは空から攻撃するね。いくよ、黒歌!」

「はいにゃ」

ベルちゃんが黒嬢(シュバルツフローレン)で飛び上がると、黒歌もそこに飛び乗りました。その後は上空から魔術を放っていきます。

「って、私が前衛ですか……」

「すいません、お願いします」

「構わないですけどね。デモンベイン、リベル・レギスより黄金の剣を引用」

魔導書デモンベインを呼び出して、切っ先が十字架のような奇妙な形をしている十字架型の金色の剣を召喚しする。持ち手も十字架のようですが、切っ先がこの形なのはこの剣が天狼星の弓の矢としても使われるためです。ちなみに手で持つ下の部分も切っ先なので両方使えますし、伸縮自在でございます。追加で断鎖術式が入った靴、ティマイオス・クリティアスを召喚します。これはシールドに搭載されているのですが、可愛くないのでりりなののフェイトちゃんのような靴に変更しました。

「えい」

おお振りの一閃を行い、長くした刀身で纏めて切り裂きます。近づく必要も有りません。避ける敵にはイタクァで撃ち落とします。どれも1擊で相手にもなりません。よって、直ぐに殲滅が完了しました。

「すまねぇ、嬢ちゃん達。ウチの守り番が頼りなくてよぉ……」

「「いえ、いいんです」」

つるつるのおじさんがやってきて、謝ってくれましたが、私達のせいだと思いますからね。ベルちゃんはまだ警戒してくれています。それと、アーシャさんはかなり悩んでいるみたいです。

「ほう、スラグの暴走か。あの言葉はスラグにも通じるのだな」

「キースさん……いつここに?」

振り返ると、おじ様が居ました。

「たった今だ。こちらも面白そうな事になっているようだったので来させてもらった。結晶が発する言葉はスラグにとって絶対命令を伝える神の声なのだろう」

「成程。聞いた状況から推測するに、飛散した言葉は意味をなさない物だったのですね」

「そうだ。制御されていない神の声が鳴り響いたんだ。連中も相当混乱しているようだな」

「どうしましょう……怪我人とか出ちゃったら私……」

「なぁに、ここの連中は荒事に慣れているだろう。心配はいらんよ」

おじ様はそう言いながら、タバコを吸い出しました。すると離れていたツルツルのおじさんの場所に1人の男の人がやって来ました。

「親方! 中に居たデカブツが動き出しやした!」

「おいおい、あいつが動くのかよ……こりゃあ、ちょいっとやばいぜ」

「しかも、半透明の女の子がふわふわ宙に浮いて、スラグに命令しているんです。ありゃ一体……」

「お兄さん、その子はどんな格好をしていましたか?」

「どんなって、髪の毛は短くて……ん? なんとなくあんたに似ているな」

どうやら、妹さんのようですが……どうなっているんでしょうか?
私と同じくお転婆らしいので、悪戯でしょうか?

「親方さん。私達が行きます」

「アンタ達が? 駄目だ駄目だ! 中に入るのは危険すぎる!」

「いえ……行きます。私が行かないと!」

「けどよぉ、何かあってからじゃ遅いしなぁ……」

心配そうにするおじさんに私はお話します。

「失礼ですが、この村に居る人達の中では私達が戦闘能力の面でも一番適任です。無駄な被害を出さない為にも私達が突入した方が安全です」

「そうだな。この娘達なら大丈夫だろう。行かせてやってくれ」

「確かにさっきの実力をみたら……わかった。そこまで言うなら……行かせてやる。でもよ……危ねえと思ったら、直ぐに引き返せよ!」

「よし、決まりだな。行ってこい」

「はい! わたし達のせいですから、私達がなんとかしないと……!」

「そうです。私達の手で終わらせます」

いざとなれば遺跡ごとでもです。

「まあ、そう気負わなくてもいい。いざという時は俺が始末をつけてやる」

「ありがとうございます。確かに混乱しているだろう今なら、簡単に倒せるかも知れません」

「そうだ。お前に残り2人も居れば問題なかろうがな」

「わ、わかりました。行ってきます!」

私達はベルちゃんを呼んで、3人と2匹で遺跡の中に入りました。遺跡の内部にもスラグがわんさか溢れていたので、クトゥグアとイタクァでさっさと全滅させながら進みました。そして、中層にそれは居ました。







 
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