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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0385話

 異形化としての能力である影を操る能力。それを使って敵の動きを止めて、同時にもう1つの異形化の能力である炎を操る力で炎を相手へと叩き込む。
 俺の特徴を1回戦で使った召喚能力だけだと思っていた予選2回戦の相手は、試合開始数分も経たずに焼け焦げて気絶したのだった。

『勝負あり! 1回戦ではグリフィンドラゴンの召喚という稀に見る大技を使ったアクセル選手でしたが、今回は魔法も使わずに影と炎を操るという恐らく種族特有の能力を披露して2回戦の対戦相手をまさに瞬殺です!』

 解説の声が闘技場に盛り上がる中、犬っぽい耳をした獣人の女がマイクを持ってこちらへと近付いてくる。

「勝利者インタビューです。よろしいですか?」

 よし、2回戦目でようやく来たか。ネギ達は1回戦だったっていうのにな。
 そんな風に思いつつも獣人の女へと頷く。

「では、早速ですが。1回戦ではグリフィンドラゴンの召喚という大技を披露しましたが……ぶっちゃけ、あのグリフィンドラゴンは本当にグリフィンドラゴンなんですか? こちらでちょっと調べてみましたが、グリフィンドラゴンの下半身は竜じゃなくて獅子なんですが……」
「まぁ、普通のグリフィンドラゴンと違うのは知っている。恐らく突然変異か何かで生まれてきた奴だと思うが俺も詳しい事は分からない」
「グリフィンドラゴンの突然変異というのは初めて見ましたが……ああいう風になるんですか。では今日の試合ですが、まさに圧倒的な勝利でしたね。勝因は何だと思いますか?」

 チラリ、とストレッチャーで運ばれていく2人組を見ながら女へと答える。

「俺が召喚魔法の使い手だと判断したんだろうが、召喚魔法以外を使えるとは思っていなかったのが向こうの敗因、俺の勝因だろうな」
「なるほど。では、先程の影や炎を操ったのは魔法ですか? それともアクセル選手の種族の特殊能力か何かでしょうか?」
「さすがに手の内をバラすのは嬉しく無いんで、そこは秘密という事にしておこう」
「あ、それはそうですね。すいません。では、最後の質問ですが、今一番注目している拳闘士は誰でしょう?」
「……」

 ようやくこの質問が来た、か。

「アクセル選手?」
「いや、すまない。そうだな、俺が注目している選手と言えば当然だがナギ・スプリングフィールドだな」

 俺がそう答えた瞬間、闘技場に集まっていた観客達がざわりとざわめく。

「ナギ・スプリングフィールド選手というとこの前TVに出ていたグラニクス夏季大会ミネルウァ杯の?」
「そうだ。……ちなみに、このインタビューは向こうにも放映されるのか?」
「え? ええ。その予定になっています」
「そうか。じゃあ、ちょっとそのマイクを貸して貰えるか?」
「……」

 恐らく念話か何かで上司辺りと話しているのだろう。数秒の間目を閉じていたが目を開けると大人しく俺にマイクを渡してくれた。
 恐らく、視聴率を稼げるからマイクパフォーマンスをやらせろとか言われたんだろうな。

「ん、あー……ナギ・スプリングフィールド、見ているか? いや、この放送を見ているのを前提として話させて貰う。俺はアクセル。アクセル・アルマーだ。この名前に聞き覚えがあるかどうかは知らないが、お前は強敵を待っているのでガンガン掛かって来いとこの前のインタビューで言っていたな? ならお望み通り俺がお前に敗北の土を付けてやろう。お前の父お……いや、お前の名前を冠したナギ・スプリングフィールド杯の本戦で俺はお前を待つ。お前と共に在る者達が現れるのをオスティアで待つとしよう。ちなみに俺も共に在る存在である鞭、虹、炎、歌がいる。あぁ、キリングドールの妹も俺と共にいるから5人だな。それ以外の4つのイレギュラーは俺の手元には存在しない。この意味が分かるな? ナギ・スプリングフィールド、繰り返すがアクセル・アルマーはオスティア終戦記念祭で行われるナギ・スプリングフィールド杯の本戦で待つ」

 そこまで告げて、マイクを返す。
 これで、ネギがこの映像を見れば俺やあやか達が無事であるとは理解出来るだろう。当然鞭はあやか、虹は千鶴、炎は円、歌は美砂を暗示する言葉だ。同時に茶々丸とも行動を共にしており、大河内達4人は俺と行動を共にしていないというのも理解出来るだろう。

「えっと、あの……色々と意味不明な単語や語彙もありましたが、今のはナギ・スプリングフィールド選手に対する挑戦状と考えてよろしいのでしょうか?」
「そうだな、大まかにはそう取って貰って構わない」
「と言うか、今の挑戦状? を聞く限りではアクセル選手はもしかしてナギ・スプリングフィールド選手と面識があるんですか!?」
「いや、ナギ・スプリングフィールドとの面識は無いな」

 俺が面識があるのはネギであってナギでは無いからな。一応筋は通っている……筈だ。かなり無茶だというのは承知の上だが。

「そうですか。っと、そろそろ次の試合ですね。では、今日の勝利者インタビューはグリフィンドラゴンの突然変異を召喚するという離れ業を披露したアクセル・アルマー選手でした。では、この辺で失礼します」

 ペコリ、と頭を下げると試合場の外へと出て行く。それを見送ってから俺もまた選手控え室に向かうべく、レポーターとは違う選手用の出入り口から試合会場を出るのだった。

「アクセル・アルマー選手。2回戦突破おめでとうございます」

 通路に出た俺を出迎えたのは、1回戦の時にも俺を呼びに来たり賞金の支払いを担当していた例の無表情な闘技場スタッフの女だった。
 今日もまた、この前と同じく無表情なままに賞賛の言葉を贈ってくるが……その無表情さ故に本気で言ってるのか、からかっているのか、上辺だけの言葉なのかよく分からないというのが困りものだ。表情を殆ど動かさないこの女は、その点だけで考えるとフェイトといい勝負なんだよな。

「まぁ、あの程度の相手ならな」
「あの程度、ですか。あれでも一応所属している拳闘士団の中だと中の上程度の実力は持ってるんですが」
「相手の攻撃手段を召喚魔法だけだと決め付けてるようじゃな」
「……それだけ1回戦のインパクトが強かったんだと思いますが」

 そんな風に話をしている間に、選手控え室へと辿り着く。
 1回戦の時は試合終了後にそのまま闘技場から出て行ったが、今回はあやか達が用意してくれた着替えとかがあるのでここで着替えていかないといけない。

「では、これが今回の賞金となります」

 渡されたのは、やはりペラペラの封筒。ただ、気持ち前回よりは厚い……ような気がしないでも無い。

「3回戦は2日後となります。午前中には闘技場まで来ておいて下さい」
「ああ、了解した」
「では、また2日後に」

 微かな……ほんの微かな笑みを浮かべてそのまま去っていく。スタッフだけあってナギ・スプリングフィールド杯なんて大きな大会の予選が行われているので色々と忙しいんだろう。
 その後、選手控え室で着替え終わって闘技場の外に出ようとして……驚いた。何故か選手用の出入り口近くには大量の人、人、人。いや、正確には人じゃない獣人や亜人と呼ばれる類も大量に混ざってはいるが、この場合は人に入れて数えても構わないだろう。

「アクセル様はまだなのかしら」
「アクセル・アルマーか。あのグリフィンドラゴンを召喚する力は凄いから是非弟子入りをお願いしたい」
「私は絶対サインかなぁ」
「えー。なら私は握手ね」
「ちょっと。貴方達、余りアクセル様に迷惑を掛けないようにね」
「ナギ様の生まれ変わりと期待の超新星アクセル様……あぁ、私はどちらにこの愛を捧げれば!」
「っていうか、ここに来てる時点でアクセル様以外に選択肢は無いでしょうに」

 以上、ちょっと耳を澄ませている間に聞こえてきた会話だ。
 なんと言うか、拳闘士がアイドル化してるのってどうよ。
 そう思い通りすがった闘技場のスタッフに尋ねてみたのだが、実は目立った拳闘士がああいう風に出待ちをされるのはそう珍しい話でもないらしい。
 それなら普通にアイドルを作ればいいだろうに、何で拳闘士にアイドル役を求めるんだよ。
 そういうとスタッフも苦笑しながら去っていくしかなかった。

「あー……取りあえず、異形化を使ってて良かったな」

 影のゲートを展開し、その影に身を沈めて闘技場から離れた所へとゲートを繋げて転移して宿へと戻る。

「お帰りなさいまし、アクセル君」
「インタビュー、見てたよ。あれなら絶対に私達の事がネギ君に伝わるよね」

 あやかが笑みを浮かべて俺を出迎え、美砂もまた嬉しそうに笑っている。

「ああ、何とかな。で、千鶴と円、それに茶々丸は?」
「あの3人なら小腹が空いたって言ってちょっと女将さんの所に」
「……まぁ、ここに閉じ籠もってたら食うのが楽しみになるのはしょうがないよなぁ」

 とは言え迂闊に街に出て賞金首とバレるのは御免だし、そうでなくても奴隷やらなにやら物騒な面もあるからな。
 一応ある程度は自分の身は自分で守れると言っても、そういう場面にならないというのが一番ではあるし。
 ネギパーティの面々はその辺、どうしてるんだろうな? 一応闘技場に出向いた時に賞金首関係の情報も軽く探ってはいるのだが、ネギパーティに対する賞金が支払われたと聞いた事が無い。となると、ネギパーティの面々もまだ無事なんだろうが……
 そんな風に考えていると、部屋のドアが開いて千鶴と円、それと茶々丸がその手にサンドイッチやら飲み物やらを持って部屋へと入ってきた。

「あ、お帰りなさいアクセル君。インタビュー見たわよ。あれでネギ君達に気が付いて貰えればいいんだけど……」

 円がそう言い、持っていた大量のサンドイッチの載った大皿をテーブルの上に置く。

「怪我は……してないみたいね。良かったわ」

 千鶴が俺の身体を見て安堵の息を吐きながら持っていた紅茶の入っているティーカップを皆に配る。

「サンドイッチはアクセルさんの好きなエビのタルタルサンド……のような物を作ってみましたので、それを食べて戦いの疲れを癒して下さい」

 茶々丸がペコリと頭を下げてそう告げてくる。

「ああ、俺も試合が終わってから何も食べてないから腹が減ってたんだよ」
「ちょっと味気ないけど、これも祝勝会のようなものだね。……祝勝会、か。チアリーディング部としては出来ればアクセル君の応援をしに行きたい所なんだけどね」

 はぁ、と溜息を吐く美砂。それに続くようにして円もまた小さく溜息を吐く。
 そんな様子を見ていた千鶴が、2人の頭を撫でながら口を開く。

「ほら、アクセル君の従者である私達が落ち込んでどうするの。大丈夫よ、きっとどうにかなるから」

 そう言って2人を励ましている千鶴は、いつもなら母性を感じさせる……とでも表現すべき所なんだろうが、年齢詐称薬で幼児化している今の状況ではどこか微笑ましいだけだった。
 そんな3人の様子を見ていたあやかが口を開く。

「アクセル君、幾ら何でもずっと部屋に引き籠もっていては精神的にも肉体的にも良くありませんわ。出来れば一度、外に出て気分転換をした方がいいと思うのですが」
「……うーん、確かにこのままずっと引き籠もっているのはちょっと嬉しく無いわね。ね、どうかな、アクセル君。ちょっとくらい魔法世界の観光に行ってみるとか。ほら、明日とかはアクセル君も試合ないんでしょ?」
「まぁ、確かに次の試合は2日後だが……」

 非常に悩み所だ。確かにこのままこの宿に引き籠もっている限りは肝っ玉母さんの女将もいるし余程の事が無い限り俺達の正体がバレるような事はないだろう。だが、宿の中に閉じ籠もっているというのが精神的にも肉体的にも悪影響を与えるというのもまた事実。エヴァの持ってた別荘とかがあれば……

「あ」
「アクセル君?」

 思わず漏らした声に、千鶴が不思議そうに尋ねてくる。

「いや、ここって魔法世界なんだからエヴァの別荘みたいなダイオラマ魔法球が普通に売ってるんじゃないかと思って。アレがあったら部屋に設置して閉じ籠もるとかしなくてもいいんじゃないかと今更ながらに気が付いた」

 エヴァによるとかなり高額な品らしいのだが、今の俺達には軍資金がたっぷりとある。恐らくだが買って買えない事はないだろう。

「そう言えばそうですわね。確かにここは魔法世界なのですからその手段がありましたわ。そんな簡単な事に気が付かないとは……この雪広あやか、一生の不覚です」
「まぁまぁ、あやかも落ち着きなよ。何しろ私達は魔法世界で強制的に転移させられてから迷宮攻略したり、非合法奴隷組織と揉めたり、賞金首になったりと騒動の種に尽きなかったんだからさ。少しくらい気が抜けてもしょうがないって」

 落ち込むあやかを慰める円。美砂や千鶴、茶々丸も同様に励まして何とか立ち直ったあやか達と共に、翌日にはダイオラマ魔法球を買いに行くのを約束するのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:715
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:392 
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