ソードアート・オンライン 折れる事無き意志と絆
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第1章 剣の世界
前書き
やっとの思いで完成
つ...辛い...
小説を書くことがこんなにも辛いとは...
2022年11月6日 日曜日 午後1時
遂にこの時がきた。
ソードアート・オンライン正式サービスが開始されたのである。
ヤマト「久々の街だな...遂にきたんだ!」
ここ《はじまりの街》の噴水前で感傷に浸っているヤマト。
?「ヤマト!!」
するとヤマトを呼ぶ声が聞こえた。
声のする方に向くとそこにはいかにもファンタジーとかに出てくる勇者のような容姿をした男性がこっちに近づいてきた。
ヤマトは一目でそれが誰なのか理解した。
ヤマト「キリト! 相変わらずその格好でいくんだな」
キリト「お前は少し容姿を変えてみたらどうなんだヤマト、リアルとあんまり変わらないじゃないか」
ヤマト「あんまり好きじゃ無いんだよな...顔とか変えんの」
キリト「全く...んじゃとりあえず武器屋に行くか!」
ヤマト「了解!」
二人は会話を終え一目散に武器屋に走り出した。
?「おーい! そこのお二人さん!!」
武器屋に寄る途中で一人の男性に呼び止められた。
赤髪に赤いバンダナを着けた戦国時代に出てきそうな若武者をイメージしそうな男性だった。
?「ハァ...ハァ...その迷いの無い走りっぷり、あんたらβテスターかい?」
ヤマト「ええ、そうですけど...」
ヤマトがそう答えると男の表情が明るくなった。
?「おぉ! やっぱりそうだったのか!! 実は俺、VRMMOはこれがはじめてでよ、もし二人が良ければ色々とレクチャーしてほしいんだけど...」
ヤマトは一度キリトを見てみた、キリトはヤマトを見て少し考えたがすぐにうなずいた。
ヤマトはそれを理解して再び男に顔を合わせた。
ヤマト「わかりました、では俺達はこれから武器屋に行こうかと思いますので一緒にいきましょう」
?「おぉ!! ありがとう! 恩にきるぜ!!」
男はヤマトの両手を掴んで握手してきた。
ヤマトは別に不快に思わなかったのでそれを受け入れた。
?「おっと、そういや自己紹介がまだだったな! 俺は「クライン」ってんだ! よろしく!!」
ヤマト「俺はヤマトです、んでこっちが...」
キリト「キリトだ、よろしく」
クライン「ヤマトにキリトだな! こちらこそよろしくな! 後ヤマト、俺の事は別に敬語じゃなくてもいいぜ! なんか固っ苦しいしよ」
ヤマト「そう? じゃあそうさせてもらうよ」
三人はそれぞれ自己紹介を済ませてパーティーを組み、武器屋に向かった。
一通り武器を見終わった後、三人はそのままフィールドに向かった。
クライン「ぬおっ...とりゃっ...うひええっ!」
奇妙な掛け声にあわせて滅茶苦茶に振り回された剣先が、すかすかっと空気のみ切った。
直後、巨体のわりに俊敏な動きで剣を回避してのけた青い猪が、攻撃者にむかって猛烈な突進を見舞った。
その突進は見事に直撃、クラインはそのまま地面に転がっていった。
クライン「っててて...!!」
お腹をおさえて悶絶するクライン
ヤマト「大袈裟だなぁ…痛みは無いはずだよ?」
クライン「あれ? おぉほんとだ!」
ヤマトの言葉に気がつきクラインはそのまま立ち上がった。
キリト「ははは...クライン、重要なのは初動のモーションだ」
クライン「ンなこと言ったってようぉ、キリト...あいつ動きやがるしよぉ」
キリト「動くのは当たり前だ、練習用のカカシじゃないんだぞ?」
ヤマト「でも、ちゃんとモーションを起こしてソードスキルを発動させれば、後はシステムが技を命中させてくれるよ」
クライン「モーション...モーションねぇ...」
呪文のように繰り返し呟きながら、クラインは右手に握られた海賊刀をひょいひょいと振った。
青い猪、正式名《フレンジーボア》はレベル1の雑魚モンスターだが、空振りと反撃被弾を繰り返しているうちにクラインのHPバーは半分近く減少してしまっている。
猪の突進を剣でブロックしたキリトは、うーんと首を捻った。
キリト「どう言えばいいかなぁ...一、二、三で構えて振りかぶって斬るんじゃなくて、初動でほんの少し溜めを入れてスキルが立ち上がるのを感じたら、後はこうスパーン! って打ち込む感じで...」
クライン「スパーン、てよう...」
悪趣味なバンダナの下で、剛毅に整った顔を情けなく崩しながらも、クラインは曲刀を中段に構えた。
すう、ふー、と深呼吸してから、腰を落とし、右肩に担ぐように剣を持ち上げる。
すると、規定モーションが検出されたのか、ゆるく弧を描く刃がぎらりとオレンジ色に輝いた。
クライン「りゃあっ!」
太い掛け声と同時に、これまでとは打って変わった滑らかな動きで左足が地面を蹴った。
シャギーン! と心地いい効果音が響き渡り、刃が炎の色の軌跡を宙に描いた。
曲刀基本技《リーバー》が、突進に入りかけていた猪の首に見事に命中し、半減しかけていたHPを吹き飛ばした。
「プギー...」っという哀れな断末魔に続いて巨体がガラスのように砕け散り、ヤマトとキリトの目の前に白いフォントで加算経験値の数字が浮かび上がった。
クライン「うおっしゃあああ!」
ヤマト「初勝利おめでとうクライン」
キリト「けど今の猪、他のゲームだとスライム相当だけどな」
クライン「えっ、マジかよ! おりゃてっきり中ボスかなんかだと」
キリト「なわけあるか」
笑いを苦笑いに変えながら、ヤマトは曲刀を腰の、キリトは剣を背中の鞘に収めた。
クラインはおさらいのつもりか、同じソードスキルを何度も繰り出しては楽しげな奇声を上げている。
クライン「しっかしよ...こうして何度も見渡しても信じらんねえな。 ここがゲームの中だなんてよう
キリト「中って言うけど、別に魂がゲーム世界に吸い込まれたわけじゃないぜ。 俺達の脳が、眼や耳代わりに直接見たり聞いたりしてるだけだ...ナーブギアが電磁波に乗せて流し込んでくる情報を」
クライン「そりゃ、おめぇは慣れてるんだろうけどよぉ。 おりゃこれが初のフルダイブ体験なんだぜ! すっげえよな、まったく...マジ、この時代に生まれてきててよかったぜ!!」
キリト「大袈裟な奴だなぁ」
二人は笑いながらも、内心では同感していた。
ヤマト「さてと...どうする? 勘が掴めるまで、もう少し修行しておく?」
クライン「ったりめえよ! ...と言いてぇとこだけど...そろそろ一度落ちて、飯食わねぇとなんだよな。 ピザの宅配、五時半に指定してっからよ」
キリト「準備万端だなぁ」
クライン「おうよ! あ、んで、俺その後、他のゲームで知り合いだった奴とはじまりの街で落ち合う約束してあるんだよ。 どうだ、あいつらともフレンド登録しねえか?」
キリト「え...うーん...そうだな...」
歯切れの悪い返事に、クラインはその理由を悟ったのか、すぐに首を振った。
クライン「いや、もちろん無理にとは言わねえよ。 ヤマトは?」
ヤマト「ごめん、しばらくはキリトと一緒に行くつもりだから...でも落ち着いたらその時にでもいいかな?」
クライン「そうか! まぁそのうち、紹介する機会もあるだろうしな」
キリト「...ああ、悪いな、ありがとう」
クライン「おいおい、礼言うのはこっちの方だぜ! おめぇらのおかげですっげえ助かったよ、この礼はそのうちちゃんとするからな、精神的に」
にかっと笑い、クラインは時計を確認する。
クライン「ほんじゃ、おりゃここで一度落ちるわ。 マジサンキューな、キリトにヤマト。 これからもよろしく頼むぜ」
ヤマト「こちらこそよろしく!」
キリト「また聞きたい事があったらいつでも呼んでくれよ」
クライン「おう。 頼りにしてるぜ」
三人はお互いに握手を交わしそして手を離した
しかし、彼等にとって、アインクラッド...あるいはソードアート・オンラインという名の世界が、楽しいだけの《ゲーム》であったのは、まさしくこの瞬間までだった。
クラインが一歩しりぞき、メニューウィンドウを呼び出す。
ヤマトとキリトも数歩下がって、これからどうするかを話し合っている。
直後。
クライン「あれっ?」
クラインの頓狂な声が響いた。
クライン「なんだこりゃ...ログアウトボタンがねぇよ」
後書き
とりあえずここで区切ります。
次回は前編後編とわけようかと思います。
ヤマト「次回...《終わりと始まりの世界》」
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