グランドラインをドライブしよう ~目的地はラフテル~
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僕の修行の日々がスタートしたのでした
「さあ、修行を始めるぞ!」
悪魔の実を食べた翌日。部屋で寝ていた僕はお祖父さんの大声によって起こされました。……あのお祖父さん? まだ朝五時にもなっていないんですけど?
というか修行? 一体何の修行ですか?
「冒険家の修行に決まっとるじゃろう。将来グランドラインを旅するには今から修行をして強くならねばならん。グランドラインは『海賊の墓場』とも呼ばれる危険な海。実力がなけれはまともに旅をすることは出来ず、ラフテルを見つける前に海の藻屑になってしまうじゃろう」
そういえば僕、昨日お祖父さんに「ラフテルを見つけてみせる」と約束しましたね。確かにグランドラインを旅するのだったら今から強くなった方がいいですけど、それにしてもお祖父さん……気のせいか僕以上にノリノリじゃないですか?
「当然じゃろう? この老いぼれの跡を継いでくれるという者が現れたのじゃから、嫌でも気合いがはいるというものよ。リオンよ、お前はこのワシが世界一の冒険家にしてやるからな」
そう言うとお祖父さんは今まで見たことがないくらいのイイ笑顔で笑い、僕の修行の日々がスタートしたのでした。
○レッスン1「体力をつけよう」
「冒険家の基本は体力! 人間、何をするにしても体が資本じゃ! まずは走り込みから始めるぞ!」
修行で僕が最初に行ったのは体力作りのランニングでした。
始めは家の周囲を何回か走り込むだけでしたが、次第に腕立て伏せなどのメニューが増えていき、内容も厳しくなっていきました。
ちなみにある日、家の倉庫を掃除していたらバネでできた拘束具みたいなのがありましたけど……僕に装着させたりしませんよね、お祖父さん?
○レッスン2「能力の使い方を覚えよう(基礎編)」
「いくら悪魔の実の能力者になっても、能力を使いこなせねば意味がない」
修行を始めてから一年。僕は悪魔の実の能力の使い方を覚えることになりました。
僕が食べたエネエネの実の能力はあらゆるエネルギーを発生させて操ることですから、まずは複数のエネルギーを発生させるところからスタートです。
熱エネルギー、物を温めたり冷やしたりエネルギーと電気はすぐに発生させることができましたが、それ以外のエネルギーはうまく発生できませんでした。お祖父さんが言うには、エネルギーを発生させるにはそのエネルギーの性質を正しく理解してそれをイメージする必要があるようで、勉強しながら練習することになりました。
○レッスン3「航海術を習おう」
「グランドラインを旅するには航海術は必用不可欠じゃ。たとえ一人でもどんな荒波を越えていけるようにならんといかん」
修行を始めてから二年。勉強の内容に航海術の科目が追加されました。
小型から大型の船の操作、海図の見方、天候の知識。覚えることは山ほどありましたが、お祖父さんは昔の自分の冒険を話ながら教えてくれたので覚えやすかったです。
お祖父さんって結構教えるのが上手なんですね。
○レッスン4「戦闘技術を身につけよう(訓練編)」
「グランドラインには星の数ほどの海賊達がある。そやつらから身を守るために強くならねばならん」
修行を始めてから三年。僕は一人でも襲ってくる海賊達と戦えるようになるためお祖父さんに戦闘技術を教えてもらうことになりました。お祖父さんも冒険家だった時は一人で海賊達と戦っていたらしく、下手な海賊団よりも強かったそうです。
あと、お祖父さんに言われて自分にあった武器を色々と試してみましたら、なんとなくですけど銃が一番僕にあっている気がして、それを報告したら格闘技と射撃を重点的に鍛えられました。
○レッスン5「能力の使い方を覚えよう(応用編)」
「能力の基礎はマスターしたようじゃな。では次はそれを戦闘に活かす方法じゃな」
修行を始めてから四年。勉強と特訓のかいがあって熱エネルギーと電気以外のエネルギーも発生できるようになった僕は、発生させたエネルギーを攻撃に活かす方法を特訓しました。
とはいえ、能力を使った攻撃の特訓なんてお祖父さんもどうしたらいいか分からないらしく、とりあえず能力を使った攻撃のアイディアを二人で相談するだけで終わりました。
○レッスン6「戦闘技術を身につけよう(実践編)」
「リオンよ。お前にプレゼントじゃ」
修行を始めてから五年。一ヶ月くらい家を留守にしていたお祖父さんが突然帰ってきたかと思うと僕の前に小さな木箱を置いてそう言いました。
開けてもいいですか、とお祖父さんに聞いてから箱を開けてみると、そこに入っていたのは二丁の拳銃でした。
一つはリボルバー式の黒い拳銃で、もう一つは何やら角ばった外見の銀色の……銃、なんですか? 弾を撃ち出す機巧もないしオモチャの銃ですか?
「そうじゃな。確かにその銀色の拳銃はお前以外が持てばただのオモチャに過ぎん。だがお前が持てば強力な『兵器』となるじゃろう」
……なるほど。つまりこの銀色の拳銃は、以前お祖父さんと考えた『あの技』を使うための道具ということですか?
とりあえず拳銃を貰った次の日、最近現れるようになった人食い熊を探しだして銀色の拳銃の実験台にしてみました。人食い熊に狙いを定めて引き金を引くと……、
ズドォン!
と、なんだかシャレにならない爆発音が炸裂し、人食い熊は黒こげとなって絶命していました。……この技はあまり使わないようにしときましょう。
○レッスン7「移動手段を手にいれよう」
「リオンよ。ワシが教えれることは全てお前に教えた。……あとはお前だけの海を渡る乗り物を用意するだけじゃ」
修行を始めてから六年。今日の分の特訓を終えた僕にお祖父さんはそう言いました。
お祖父さんに認めてもらえたのは嬉しいんですけど乗り物をって、普通に船じゃいけないんですか?
「別に船でもよいのじゃが、グランドラインには能力者の力を原動力とした能力者専用の乗り物があるという話を思い出したのでな。せっかくじゃからお前もそれにした方がなにかと便利じゃろうし、それにその方が面白そうじゃろ?」
……はぁ、まあ別にいいですけど。
僕の専用となる乗り物の設計はお祖父さんがやってくれて、その外見は「クルマ」という馬がなくても走る馬車のようなものになりました。なんでもこのクルマという乗り物、お祖父さんが昔にグランドラインのある島で見たものらしくて、走っている姿がとてもカッコいいそうです。
ちなみにクルマの床の部分と車輪には特別な仕掛けがあって、僕の能力を使って海の上でも走れる設計だとお祖父さんが自慢していました。
そしてこの一年後になんとかクルマが完成し、僕が旅立つ準備が完了したのでした。
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