ヘタリア大帝国
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TURN85 日本の奮起その七
「後のことも考えてな」
「じゃあ全軍攻撃だね」
南雲もイナゴ達を見ている。
「まあカチコチにならずに行こうね」
「了解」
パンダが南雲の言葉に応える。
「それじゃあね」
「攻撃開始だ」
東郷は今攻撃命令を出した、そうして。
まずは艦載機が出されるがそれはだった。
大したダメージを与えられない、しかしこれは想定済みだ。
東郷は戦艦達を前に出させ全軍に告げた。
「狙いは特に定める必要はない」
「それよりもですね」
「そうだ、焼く様に撃つ」
タイにもこう告げる。
「敵陣をな」
「艦隊戦の様にポイントを集中的に貫くのではなく」
「周辺に波状攻撃を仕掛ける」
それが今の攻撃の仕方だというのだ。
「とにかくイナゴを焼き払ってくれ」
「わかりました」
「はい、それでは」
タイは早速自身の艦隊の戦艦達、一隻は彼が乗るそれも前に出してそしてだった。
東郷の言う通り広範囲へのビーム砲撃を行った、それによってだった。
イナゴ達はその数を大きく減らす、だがそれは完全ではない。
残ったイナゴ達は攻撃を浴びせる、そうしてダメージは与えた。
だがそのダメージは完全ではない、だが。
ダメージを受けた艦隊の中に古賀の艦隊もあった、艦隊の将兵達がダメージコントロールに奔走する事態となった。
「ダメージは軽微だ!落ち着け!」
「応急班は現場に向かえ!」
「エンジン異常なし!」
「指揮にも問題なし!」
報告が確認される、そして。
士官達は提督である古賀にもこう報告したのだった。
「司令、艦隊の損害は軽微です!」
「運用にも攻撃にも問題はありません!」
「このまま攻撃を続行可能です!」
「如何されますか!」
「如何も何もないわね」
違った、決定的に。
古賀の口調は普段の優しいものではなかった、鋭くそれでいて楽しむ、まさに賭場の女の声になっていた。
軍服も肩にかけている感じになっている、表情も不敵な笑みになっている。その彼女が士官達に告げたのである。
「やられたらやり返すよ」
「?司令一体」
「どうされたのですか?」
「言ったわね、やられたらやり返すよ」
古賀はその不敵な笑みでまた返した。
「倍返しにね」
「いや、提督どうされたんですか?」
「何か違いますが」
「違うも何もないわよ」
戸惑う彼等にもこう言うだけだった。
「いいわね、全軍反撃よ」
「鉄鋼弾ですか」
「それで」
「やられる前にやれよ」
古賀は自分達に攻撃を浴びせたイナゴ達、モニターに映る不気味な雲達を見据えている。
「いいわね」
「そうですか、では」
「今より」
「攻めるわよ」
古賀は自ら乗り出さんばかりだった、明らかに普段の彼女ではなかった。
攻撃も果敢だった、イナゴ達にこれ以上はないまでに接近し。
鉄鋼弾を叩き込む、その爆発によって残されたイナゴ達は消え去ってしまった。
古賀だけでなく他の艦隊も攻撃を浴びせる、イナゴ達は一回の総攻撃で全滅した。
軍全体の損害は軽微だった、だがだった。
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