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連邦の朝

作者:連邦士官
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第三十四話 現場

 
前書き
遅れて申し訳ありません。 

 
ワイアットは、現状視察の為に諜報員を使った。護衛を付けなかった。彼らは勿論、優秀な諜報員であり、隠蔽や相手に気取らない事を目的として選ばれたのだった勿論必要以上の戦闘力を持っていたが。

トリスタニアの城下は、急激な発展により劇的に変わっていた。どの辺がと言うと主にその区画や一定距離に憲兵で構成された警察分署に、諜報機関や掲示板、新聞社を設置して治安向上と情報統制や反乱分子抑制に動いていた。

元の町並みは、路地が多くもしも、反乱などを起こされたならば、少人数で交通の要所を防衛できる程であり、最初はワイアット達は、防衛しやすいと考えていたが悪徳貴族や悪徳商人、腐敗官吏を処分していく内に自分達に反感を持つものが、煽動をして反乱を起こされる可能性も高まって来たために、路地を整理して大通りにした。こっそりワイアットは、車を通れるように元の主要な大通りは、四車線分になり路地を必要な部分のみに統合した道は、二車線から少なくとも二車線分に改装したのだった。
ワイアットは妥協せず、ついでにと町並みを綺麗にするために雨樋とそれに繋げる下水道の完備その上、用水路を作った。ワイアットの考えは、過去のヨーロッパに魔法以外は結構な部分で似ており、衛生観念も基礎すら存在していなくて、なまじ魔法が存在している為にコルベール家の様な革新的で異端な考えを持っていないと魔法に頼りきり、魔法でなんとかなると多くの人々は思考停止をしてしまった上に、教会が異端裁判を開催しその思考停止を助長させた。農民や貴族や市民の中には、風や雲の動きから天気を予想したりシケを予想したりとある程度は、自然に対して科学的な考えを持っている者達もいたが、教会からの圧力などがあって学問として発展していなかった。

話は、元に戻して衛生観念や病気に対する知識をこの世界より持つワイアットは、過去のヨーロッパ史で必ずといっても良い程で出てくる黒死病等のへの恐怖から、上下水道を作る事とした。
トリステインは、気候は北部と南部で大きく違い、トリスタニアの位置は水が手に入りにくい為に水がわりにワインを飲む習慣が根付いていたのだった。最も、水メイジや金持ちは魔法で得られる水を飲用し、自身の財産や権力を表す一種の行為として、長年行われていた様だが…。そんな背景もあり、水はトリスタニアではワインよりも高い物と考えられていたから、トリスタニアに住む国民に今人気の高いワイアットが、上水道を完備して水を飲用させてくれると聞いた人達は、ワイアットの寄付金を求める声に答えていた。市民だけの寄付金では、工事費は集まる筈もなかったが商会達も寄付をしたのだった。彼らの考えは簡単で、寄付をしたならば今の好調経済を突き進むトリステインに恩を売れる事と商売をする上で非常に大事な“名声”を手に入れる事が出来る、その上に土木工事に必要な資材である木や切り出された石等をあわよくば、自身の商会から購入してもらえるかもしれないと言う期待等が合わさって、この寄付は投資と割り切り商人達は、寄付をした。
商人は、利に対してはまるでカミソリの様に鋭くなる性質をワイアットは知っていた為に前述の区画整理と道路設備の整備時にもワイアットは、寄付を募っていた。トリステインの性質上、馬車鉄道駅やトリスタニア郊外に土メイジを使い建てた港やドッグ群(この場合、空飛ぶ船 )に、直接繋がるように作られたトリスタニア第二商業区域通称ブリュッセル(名前は、ワイアットがベルギーに相当する場所だからと名付けた。)。この一等地を寄付金が一番多く寄付してくれた商会に安く譲り渡した。

以上の事から、商会や商人達はこぞって寄付をするのだった。巨大な市場であるトリステイン市場、その巨大なパイを食べる為に、今までトリステインに支店を持っていなかった商会もトリステイン市場参入の為、トリスタニア公共事業の投資に食らい付いていた。ワイアットは、他にもローマ帝国の発展理由の一つである“道路”にも着手していた。

基本的にトリステインの貨物は、馬車鉄道を使用して運ばれており、余程のバカか無知でないと襲われない強硬で堅牢な護衛をしていた。
しかし、それだけでは、需要に対しての供給の流通を確保出来ない。
ワイアットは、その為に交通・運搬手段を増やしていったのだ。主に航空運搬、海上運搬、陸上運搬この3つを握りトリステイン国営商会である、ブリティッシュ商会に利権を渡し間接的に各国の流通を管理しようと画策した。ブリティッシュ商会は、公共事業の建設を全て安く引き受ける為や国家機密の技術流失を防ぐ為に作られた商会で、内情はワイアットの孤児院卒業者が、社員の大半をしめているのだった。前述の新聞社も傘下であり、また鉱石採掘を請け負うトリステイン資源公社も傘下である。二社以外にも多種多様な会社や商会を傘下に置きハルケギニア最大の商会と言っても可笑しく無いほどの規模に純利益、雇用人数、保有船舶数等を誇っていたが、何分ワイアットの居た宇宙世紀や中世(第二次世界大戦時)等、まだまだ遠く及ばない為に、ワイアットはまだ普通の中堅企業と考えていた。

また銀行や株式の所謂金融業を開始していた。一部の貴族や商人らを使い社交界に珍しいもの自慢を開始させていた。これにより、他国の貴族は珍しいものを集めているのが当たり前一種の権威を現すものとして用いられることとなった。その上に、諜報員を使った流行作りにより果実等を高く売り捌いたり、花の流行を作り裏で値段操作をして、花に対する過剰投資を誘発させてガリアやゲルマニアの商会を借金漬けにして乗っ取りその商会が持っていた商売範囲や人脈をブリティッシュ商会は食らい尽くしていた。

トリスタニアのみでもこの変化…トリステイン全体では、ワイアットの地方発展計画に基づき更に着々と計画を進められているのだった。 
 

 
後書き
トリスタニア改革の資金源の一部についての説明でした。

お読み頂き誠に有難うございました感想を頂けたらなおのこと有り難いです。 
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