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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0372話

 円と合流し、戦力的にも気持ち的にもある程度の安堵を得ながら道を進んでいく。
 先程の広い空間から伸びている通路は2本のみだった。即ち俺達が通ってきた道と、まだ未踏破の道だ。なので当然俺達は現在未踏破の道を進んでいる。
 フォーメーションとしては先頭が俺、真ん中が円、最後尾が茶々丸となっている。

「……ねぇ、これ本当に迷宮なの?」

 後ろに居る円が通路の様子を見て思わずといった様子で呟くが、それに対しては俺もなんとも言えない。

「さっきも言ったように、ここが迷宮云々って言うのはあくまでも俺の予想だからな。しかもその予想にしても勘頼りのものだから正確な所はここを出て誰かに聞いてみないと分からないさ」
「誰か、ねぇ。そもそもここが魔法世界だっていうのは正しいの?」

 その円の質問に答えたのは最後尾にいる茶々丸だった。

「はい。フェイト達の強制転移魔法が発動した時点で私達は既に魔法世界に来ていました。魔法世界と私達の世界の間の行き来はあのゲートという装置を使わないと出来ないので、あの転移魔法で飛ばされた先は魔法世界で間違いありません」

 ゲート……ゲート、か。俺達シャドウミラーが使っている平行世界間を繋ぐ装置もゲート。そしてこの世界で魔法世界と俺達がいた世界を繋ぐ装置もまたゲート。……これは、偶然か? それとも何らかの関係が……いや、考えすぎだな。そもそもシャドウミラー製のゲートはつい最近レモンが作りあげた物だ。かなり昔からイギリスや世界各地にあるという魔法世界行きのゲートと関係がある筈が無い……か。

「アクセル君、どうしたの?」

 考え込んでいる俺を不自然に思ったのか、後ろから円が尋ねてくる。

「いや、何でも無い。早く召喚術を使ってみたいと思っただけだ」
「……全く。深刻な顔をして何を考えてるのかと思ったら……それよりも罠とかに気をつけてね」
「ああ」

 何とか誤魔化せたらしい。
 ちなみに、罠を見抜ける茶々丸ではなく俺が先頭を歩いているのは純粋に俺がしぶとくて、まず死ぬ事はないからという理由だそうだ。
 もちろんその意見を出したのは円だったりする。
 最初は茶々丸が先頭に立つと言っていたのだが、『男が女の影に隠れるって格好悪い』との意見で俺が先頭に立つ事になってしまった。
 ……いや、まぁ。確かに俺がしぶといのは事実だけどな。
 そんな風に会話をしつつも、通路を進んでいく。不思議な事に、あの広間を出てからはリビングアーマーの類は出没しなくなっていた。プログラム的に巡回する場所が決まってるのか?
 そう思った時、唐突に何かが空気を裂く音が聞こえてくる。

「スライムッ!」

 反射的にスライムを展開。3人を包み込むように覆い隠す。
 そして次の瞬間にはギンッ、という音が数回聞こえてきた。何かがスライムにぶつかっている音だ。

「……アクセル君?」
「恐らく罠だな」
「でも、茶々丸さんは……」

 スライムに埋め込まれている何かを吸収しながら口を開く。

「茶々丸が罠を感知出来ると言ったって、それは近くにあった場合だろう?」
「はい。申し訳ありません」

 俺の言葉に頭を下げてくる茶々丸だが、そもそも別に茶々丸は迷宮探索用に造られた訳でもないのだから機能が及ばなくてもしょうがない。
 茶々丸のせいでは無い。それは円も同感なのだろう。慌てて首を左右に振る。

「そんな、別に茶々丸さんが悪い訳じゃないんだから謝らないでよ」
「ですが私が先頭を歩いていたら罠に気が付いた可能性もあります」
「でも、逆に気が付かなかった可能性もあるんでしょ? それならほら、今回はアクセル君のスライムがあるおかげで無事だったんだから気にしなくてもいいって」
「俺も円の言う通りだと思うぞ。そもそもスライムがあって、何があっても防げると判断したからこそこうして先頭を普通に歩いている訳だし」

 スライムに突き刺さっていた何かを吸収し終えたので、空間倉庫へと戻す。
 その時に目に入ってきたのは、横の壁に突き刺さっている数本の矢だった。
 石の壁に突き刺さってるとなると、余程の速度で発射されたのだろう。

「ほらな? 茶々丸がいくら高性能だからと言っても、一度に複数の攻撃をされて対処するのは難しいだろ。適材適所だ、気にするな」
「……ありがとうございます」

 ペコリと頭を下げた茶々丸が……バッと身を起こして通路の先へと視線を向ける。同時に俺もまた、同じように異変を感じ取り通路の先へと視線を向けていた。

「……2人共、どうしたの?」

 円のその問いかけを無視して茶々丸の方へと視線を向ける。

「聞こえたか?」
「はい」
「なら俺は先に行く。円は任せてもいいか?」
「お任せ下さい。アクセルさん、ご武運を」
「ちょっ、アクセル君? 茶々丸さん? 一体何を話してるの?」
『戦いの歌』

 円への説明は茶々丸に任せ、戦いの歌を使用。同時に瞬動を利用して通路を最大速度で突っ走る。
 時々俺を狙った罠が発動して壁から槍が突き出されたり、天井に隠されている弓が発射されたりするが、その全てを通り抜け様にリビングアーマーから奪った剣で破壊していく。とは言っても俺には剣の心得なんて殆ど無い上に、持っているのが剣とは言っても、いわゆるブロードソードに近い剣だ。斬り裂くというよりは叩き切るような一撃で罠を壊しながら道を走り抜けていく。
 先程かすかに聞こえてきた声。俺だけなら耳の錯覚という可能性もあったのだが、茶々丸にも聞こえた以上は間違い無く本物だ。おまけにその悲鳴は2種類の声。俺と茶々丸がここに強制的に転移させられ、その近くには円も転移させられていた。そうなると聞こえてきた悲鳴が誰のものなのかは大体予想が出来る。即ち、俺の従者のうち残り3人の誰か。

「間に合えよっ! 加速!」

 短く叫び、精神コマンドの加速を使用。より速度を増して通路を駆け続け……

「見えた!」

 通路の先に広い空間。微かに見えるのは『魔法の射手』の炎の矢か。つまり誰かが戦っている!
 まだ死んではいない。その微かな安堵を胸に、最後の通路を駆け抜けて広い空間へと飛び込む。
 そこで見たのは虹色領域の腕輪で赤の領域を発動して守りを固めている千鶴と、『魔法の射手』を放っては領域内へと退避している美砂の姿だった。
 そして視線を動かすと次に目に入ってきたのは剣を持った骸骨の集団。ゲーム的に言えばスケルトンとでも呼ぶべきか。

「はぁっ!」

 駆ける速度を維持したまま、スケルトンの集団へと突っ込んでいく。同時にブロードソードをその中心地点で大きく振り回し、当たるを幸いにスケルトン達の骨を砕き、切断し、破壊する。同時に何体かのスケルトンの持つ剣もまた破壊し、数秒後には俺の周囲にいたスケルトン達は殆どがバラバラの骨になって地面へと転がっていた。

『アクセル君!』

 俺を見た千鶴と美砂の声が重なる。
 それに軽く手を上げて応えながらも、まだ周囲にいるスケルトン達を警戒する。
 そしてふと気が付く。こいつらは恐らく魔力で動いている存在。なら。

「千鶴、俺を中心にして黄の魔石の力を使え!」

 虹色領域の黄の石。その力は指定した領域内にいる存在から魔力を吸収するというものだ。俺の考えが正しければ……

「え? でも黄の領域だとアクセル君も魔力を……」

 横から突き出された剣の一撃を回避し、刃筋を通すといった事をしないで扱った為に所々刃が欠けているブロードソードで真下から切り上げてその骨だけの身体を左右に分けてやる。ボロボロの剣を見ていると、ふとSEEDの世界でブリッツに乗っている時にジンの重斬刀を使っていた時の事を思い出す。あの時も最終的には切れ味なんて2の次で棍棒代わりになってたんだが……そんな事を思い出しつつスケルトンの攻撃を回避して口を開く。

「安心しろ、俺の魔力回復速度は知ってるだろ。こいつ等の魔力を吸収する程度の時間なら全く問題無い!」
「……分かった、アクセル君を信じるわ。アクセル君を中心に半径5mに領域を指定。黄の石よ、その力を示せ」

 千鶴の言葉が終わると同時に、俺を中心にして黄色の領域が広がっていく。

「ぐっ」

 魔力を抜き取られる感覚に低く呻くが、俺の周囲にいるスケルトン達はそれどころではなかった。

『……』

 無言でバタバタと地面に倒れていったのだ。そしてその衝撃でスケルトンを構成していた骨が周囲へと散らばる。

「え? 何が起きたの?」

 美砂の呟きが聞こえるが、スケルトンは無言で俺の方へと向かってきてはその場で魔力を奪われて地面へと骨を散らかすのみだった。
 それから数分。俺が魔力を吸収される感覚に耐えている間に部屋にいたスケルトンの全ては千鶴や美砂よりも脅威度の高い俺へと向かって来ては魔力を奪われてそのまま床へと骨の山を作ったのだった。
 そして全てのスケルトンを倒したと判断した千鶴が黄の領域を解除する。

「ふぅ……」

 多少魔力は持って行かれたが、持って行かれた分に関しても既にその殆どをSPブーストの効果で回復させている。

「美砂! 無事だったのね!」

 部屋の入り口の方から円の声。そちらへと視線を向けると、そこでは円が美砂へと走って駆け寄り、茶々丸が歩いてその後を追っていた。

「円! あんたもよく無事だったわね!」

 円と抱き合ってお互いの無事を喜ぶ美砂。

「千鶴も無事で良かったわ」
「ええ。美砂のおかげで何とかね。それよりも円はアクセル君と一緒に?」
「違うわ。私も美砂や千鶴みたいに苦戦している所をアクセル君に助けられたのよ。……もっとも、私の場合は2人とは違って空を飛んで敵の攻撃が届かない場所から炎を撃ちまくってただけなんだけどね」

 その言葉に円のアーティファクトである、純炎の涙の効果を思い出したのか美砂がその両腕、両足に嵌っている腕輪、足輪に羨ましそうな目を向ける。

「いいなぁ。私なんか千鶴の赤の領域に隠れて魔法の矢を撃ちまくってたのに」
「あらあら。でも、私は攻撃魔法が得意じゃないから美砂がいてくれて助かったわよ? でないと領域の中に閉じ籠もってるしか出来なかっただろうし」

 そんな風に話している面々へと視線を向け、安堵の息を吐く。
 取りあえず刃が欠けて刃物としては使い物にならなくなった剣を捨て、スケルトンが持っていた剣を回収して空間倉庫の中へと収納していく。

「さて、こうなるとまず確実にあやかもこの中にいると見ていいだろうが……」
「そうねぇ。私達がいたんだからあやかがいるのも間違い無いと思うわ」

 円や茶々丸から強制転移の時に接触していた云々という話を聞いた千鶴が頷く。

「とは言っても、あやかの事だから余り心配はいらないんだろうがな」

 従者4人の中でもあらゆる属性の魔法を使いこなし――その殆どが初級魔法だが――、尚且つ本人のセンスもあってアーティファクトである鮮血の鞭を使った戦闘力も高い。悪く言えば器用貧乏なタイプなのだが、あやか自身のセンスと才能で万能と言っても間違いでは無い能力を持っているのだ。

「でも、あやかも年頃の女の子なんだから1人だと色々と苦労する事もあると思うわ。出来るだけ早く合流しましょう」

 千鶴の言葉にその場の全員が頷く。
 ……ただし、それが少し遅かったと知るのはそれから数分後だった。

「アクセルさん、通路の向こうから何かの集団が!」
「ああ、皆下がれ。千鶴は守護領域を。円と美砂は援護……を?」

 まだ通っていない方の通路から何かが迫ってくる気配を察知し、素早く隊形を整えるべく動いたのだが……俺の見たものは何らかの攻撃により吹き飛ばされてこの大部屋の中へと投げ入れられてきたスケルトンの姿だった。

「……何だ?」

 同時に、吹き飛ばされたスケルトンへとトドメとばかりに炎の矢が飛び、氷の矢が飛び、雷の矢が飛んできてスケルトンを破壊していく。

「アクセル君、アクセル君はどこですの!? ええい、骨に用はありません!」

 そして通路の先から聞き覚えのある声がしてきたのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:710
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:391 
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