こぶたのまき2
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こぶたのまき
特別仲のいい友達を作っていれば困らなかったのだろう。みんなみたいに人付き合いに対しては消極的だった為、入学してから隣の席の子と主に授業で話すだけ。特別な会話というものはなかった。
もちろん2年生の時も1年の時のトラウマがあったから人とあまり関わっていない。どちらかというと
自分から避けていた。だからグループ学習や2人組など作るときは何時も余っていた。
先生に仕方ないから○○のグループ入れと言われ行ってみるがその子たちが一瞬見せるいやな顔が
私はぐさりと胸に刺さった。
今回もなぜ私が避けられているのかわからない。自分が分かっているのだろうけどわからない。
人が嫌がるようなことはしないし、あまり関わってない。だからと言って私に原因がないとは言い切れない。
「そこじゃま」
私がぼーっと立っていると一人の女子に言われた。彼女の目つきが怖かった為、私はつい
「ごめんなさい」と言ってしまった。今考えると小3で同級生にごめんなさいって謝ることはないと思う。
そして、チッっと舌打ちされた。
嫌われるのはしょうがないと思う。人間だから。好みはあると思う、思うけど大きく態度に出しすぎだと思う。
そして、それに対して謝っている自分がすごく虚しい。
さすがに私も今日はつらかった。だから体調不良を訴え私は早退した。
そして2週間がたった。今日は平日。だけど私は学校に行かなかった。あの日から学校に行ってない。
親は行けというが私は全く行く気になれなかった。親はこの事を知らない。言えなかった。
こうして行かないことが多くなった。だから今年の運動会は出ていない。みんなにとっては私が
いないほうがよかったのかもしれない。足を引っ張るだけだし、暗いし、一緒にいても楽しくないし。
さすがにこの状態ではいけないと思い担任の先生が何度か電話をかけてきた。私に代われといっている
らしいが出ることもなければ無視をしたりもした。そんなやり取りが3か月続いた。
ある日のこと。先生が家にやってきた。勿論、私が学校に来ない理由を聞きに来たり学校に
来させるように納得させようとしたり。私はそのたびに部屋に閉じこもった。先生も諦めない。
毎日といっていいほど家に来た。そして家では家族会議が開かれた。私のことで。
「りな、何で学校に行かないんだ?」
父が聞いた。本当のことなんて言えるわけない。
私は黙った。
「黙ってたら分からないだろう。なにか学校であったのか?」
そうなんだよ。あったんだよ。そう、正直に言えばいいの?
「何も」
私は答えた。本当のことなんてやっぱり言えない。もし、知ったらどうなるの?知って解決できる?
1年生の時に先生に言われた「勘違いとかじゃないの?」という言葉を思い出した。
これが勘違いだというのか。被害妄想だというのか。そうだったら私もこんなに悩んでないし
学校にだって行ってる。でも、先生の言うことが当たってないとは言い切れないかもしれない。
「何もないんだな?」
父は言った。とりあえず私は何もないことにした。
それからまた3か月がたった。私はまだ学校に行ってない。恐怖が増えた。
これだけ学校に行ってないんだからみんなの目線が痛いし何を言われるかわからない。
親はそろそろいかないと勉強が間に合わなくなると心配していた。そろそろ学校に行ってくれる
んじゃないかと親は思っていたらしいが期待に応えることができなくでごめんなさい。
私は意気地なしで挑戦することができない。
月日は流れ私は結局学校に行かないまま1年が過ぎた。
4月からは行くようにと親と約束した。遅れを取り戻すために学校では4年生の勉強。家では家庭教師を雇って3年生の勉強をすることにした。まだいけるか心配と不安でいっぱいだけどここで私が
進まなかったらこのままダメ人間になってしまうかもしれない。だから私は決心した。
学校で何があってもめげない。強くなりたい。ちゃんと学校に行って勉強しようと。
後書き
3章へ続きます
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