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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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戦術と新らしきもの

 発射された弾丸は狙った柱に向かって飛んでいく。そしてそのままその柱にぶつかると弾丸は火花を散らしながら別の方向に飛んでいってしまう。だが、これでいい。こうじゃなければ意味がない。今までは相手に銃口を向けていたことによりある程度のことを読まれていたりしたかもしれないが今度は違う。

「跳弾……こいつはどうかな?」

 そして弾かれて隣の柱にぶつかった弾丸は更に近くの柱にぶつかって弾かれる。五回ぐらい弾かれてようやくボスの後頭部の方に行きボスの後頭部を直撃した。

「ぐるぉ!?」

 いきなりの後頭部に衝撃が走り、後ろを振り向くボスモンスター。しかし、その後ろには風景以外は何もなく敵のような姿を複眼でも捉え切れていない。それもそのはず。その後頭部に衝撃を与えたのは自分の撃ったベレッタの弾丸なのだから。そして後ろを向いた瞬間に柱を登ってそのまま、ボスモンスターに近づく。そしてほぼ確実に当てられると思う位置にまで来るとM500を構えて発砲する。

 ようやく、振り返ったボスモンスターはすでに目の前に来ている弾丸をそのまま脳天に直撃すると柱から落とされる。そのまま大きな音を立てて落ちると周辺の柱も数本倒れる。

「ぐるおおおおお!!」

 倒されたことと落とされたことに怒ったのか、倒れた状態から口から酸を大量にてきとうな場所に向けてぶちまけてくる。それを避けるために柱の上を移動しながら遠くに逃げる。そしてそのまま逃げながらも何発も銃を発砲する。もちろん撃つのは敵ではなく柱や床。そのまま狙ったらまともに当たらないことはわかってるからだ。だが、何故このように柱や床に狙って上手く相手に向かっていくのか疑問も浮かぶがそれはSAO時代の自分の戦い方の応用である。

 SAOではホワイトバレットと異名を馳せていたほど壁を跳ねて移動していた。その時に自分はこの弾丸と同じような動きをほとんどしていたことと、この世界に来て空間把握能力を身に着けて大体の建物の位置を音で把握している。これで跳弾で相手のどの部位に狙うかも完全に出来るのだ。

「まさか、ここでSAOでの戦い方が活かされるなんて思っても見なかったな」

 そう呟きながら柱から柱へ飛び移る。そしてあらかた離れると酸の攻撃の範囲から離れているためボスも酸を吐くのをやめて今度は柱を破壊しながら進んでくる。

「おいおい、柱を消しちゃったら跳弾できないんだからやめてくれよ」
「ぐるあああああ!!」

 そんなことでボスモンスターは進むのをやめない。まあモンスターなのだから決められたアルゴリズム以外の行動をしないのは当たり前だ。そして今度は口から長い舌を出すと自分に向けて伸ばしてくる。それをギリギリで回避するとそのままバタフライナイフを取り出して、舌を掴むと切り刻んだ。

「おおおおお!!」

そしてそのまま舌を振るって柱から無理やり落とすと受身を取ってダメージを最小限に抑えて着地する。そして、そのままボスモンスターの足元に四発発砲する。するとボスモンスターは右に飛んで回避するがその床の出っ張りによって弾丸は右と左に二発ずつ分かれて弾かた。そして右のニ発はボスモンスターの足に当たる。

「ぐるおおおお!!」

 そして残りの二発は床に弾かれた後更に柱に当たって更に柱に向かう。そして五回弾かれたあと、逆方向のボスモンスターの体を貫いた。

「正直、もう倒れてくれよ。俺のとこの弾丸もう後ホローポイントが15発と普通の弾13発、それとM500の弾丸も後6発と手榴弾一個しか残ってないんだからよ」

 そう呟きながら、ベレッタの弾丸をホローポイントに入れ替えて接近する。ホローポイントは先端が窪んだ特殊な弾で敵に当たると先端の形状がきのこのかさのように広がって殺傷能力を高めるものだ。実際にこんな弾があるらしいがその撃たれた時の傷は本当に頭が割れたようで気持ち悪いらしい。

 それと同時にそれは地面に撃てないためもう片手に持っているM500を先に三発撃つ。それももちろんボスモンスターを狙わずに床や柱を狙う。ボスモンスターはその複眼の動体視力を使ってその弾丸を目で追おうとするが弾丸は三発もあるのだ。それを全部目で追うことなど不可能。しかしボスモンスターはゆえにアルゴリズムにしたがって柱を壊す。その弾丸の軌道を変えるために。だが、そのせいで自分の真正面にいる敵の姿を見失う。

「少しは頭を冷やしたほうがねえか?」

 崩れた柱の下をスライディングしながら出てくるとそう言いながらベレッタとM500を構える。そして大きく口を開けてこちらに酸を吹きかけてきそうな顔に向けて銃口を向けて発砲する。その顔面に銃弾がM500の弾丸を三発、ベレッタの銃口からは5発も食い込んでいった。そのせいで酸を吐かれずに済む。そしてそのままボスモンスターの下を通りながらベレッタのマガジンが空になるまで撃つ続けた。そして抜け出したと同時に触手の攻撃が襲ってくるがそれを柱の影に逃げて回避する。

 だが、それを読んでいたのかすでにその柱に向けてボスモンスターは突進してきてそのまま柱ごとへし折って自分に攻撃した。

「そんなのありかよ!?」

 回避も間に合わずに、そのまま後ろに飛ばされて柱に激突する。

「痛ってー……」

そう呟いて瞬間に刃物が自分のをはさんでいることに気付いた。ボスモンスターはすでに勝ち誇ったようにこちらを見ていた。

「ぐるおおおおおお!!」

 自分が勝った、そういいたいような感じで自分に向けて吼える。臭い息や唾液のような少し黄色い何かが自分の顔に当たる。その瞬間は、自分のストッパーの一つが外れたような気がした。そしてこの臭いで自分の中で何かが切れるような音がした。その瞬間、刃物のようなものに当たらないように腕を出すとM500のグリップではなく銃口のほうを手で握って、そのまま顔面に食い込むほどに叩き込んだ。

「てめぇ……こんな息をかけやがって……どうなるかわかってるんだろうな?」

 いきなり顔面に叩き込まれた銃のグリップを食らったボスモンスターは一瞬だけ怯む、その隙にもう片方に握っているベレッタのマガジンを入れ替えてから銃口を頭に向けて五発連射で撃つ。

 それをボスモンスターはやめさせるために止めを刺そうと刃物を押し付けようとするがM500を持っている手で逆さに持っているナイフの刃に防がれていた。

「いい加減離れろ!」

 体を足で思いっきり蹴ってボスモンスターを無理やり押して刃から逃れると逆に接近してからナイフを頭部に突き立てた後、銃口を押し付けてから五回トリガーを引き絞り、発砲した。これなら避けられる心配はほとんどない。

「これでナイフの継続ダメージも加わったけど、正直、お前の体力からみて正直こいつも使いそうだな」

 そう呟くとバックパックから一つ手に乗るサイズの丸いものを取り出した。それはグレネードだ。普通は腰に吊っているのだが自分はこれを狙われて爆死させられたら困ると言った理由で此処に入れている。そしてそのまま口の中グレネードを突っ込んでそのまま下がる。

「ぐるおおおおおおお!!」

 ボスモンスターはそして頭を振りながら振り落とそうとするが押し込んでいる手とナイフを指している腕でがっちりと掴んでいるために落とされない。そしてそのままグレネードを喉まで押し込むとナイフを引き抜く。それと同時にボスモンスターは自分の体に向けて触手を振り回した。それを回避しようと急いで降りるが僅かに腕を巻き込んで切り裂いて、こちらは腕を片方、あちらは自分の攻撃を食らってダメージを食らう。

「っ!」

 転がりながら相手から離れるとナイフを喉に向かって投げる。ボスモンスターは自分の攻撃によって仰け反った状態から体を上げた瞬間にナイフが喉に刺さった。

「ごがああああああ!!」

 悲鳴のように大きな声を上げる。だがそれを無視してベレッタの残っている弾丸三発をナイフと同じ場所にむけて撃った。弾丸は一発目は見事にナイフに当たってそのままナイフをさらに奥に突き刺してダメージを与え、ニ発目はそのナイフを破壊して、そのまま喉に食い込んでいき、やがて運動を停止させる。そして最後の一発はその停止させた弾丸の上に当たってそのまま弾丸を喉の奥に押し込んでいく。そして、その喉を貫通させるとあるものはグレネード。

「ぐるああああああああああ!!」

 断末魔のような叫びがフィールドに響くと同時にボスモンスターの喉が膨らんでいき爆発した。その爆発に巻き込まれまいと自分は体を倒れた柱の後ろに回した。そして爆風が柱に当たり一気にその場が暑くなる。ようやく爆発が収まったので柱から体を出して、ボスモンスターがいる場所を見る。そこには胸の辺りから吹き飛んで体だけとなったボスモンスターだったものがあった。

「何とか倒せたっぽいな……せっかく手に入れた弾丸なくしたし、使い慣れたナイフを壊しちまったし本当についてねえ」

 溜め息を吐きながらバックパックから普通より高めの回復用の注射を打って体力を一気に回復させると同時に腕も復活すると同時に、ボスモンスターの残骸が消えていく。そしてウィンドウを確認してドロップしたアイテムドロップしたか見てみると、レアアイテムらしきものが幾つかあった。

「結構いいアイテムはあるけど武器が何もないのは痛いな……」

 武器がないのは本当に残念である。弾丸とナイフをなくしてもうほとんど終わりに近いのに新しい武器がないとは本当に運がない。アウラの言っていた通り、自分にはリアルラックがないのはあながち間違いではないようだ。

「もうどうすりゃいいんだよ。せめて弾!弾さえあれば何とか逃げることは出来るかもしれないのに!」

 頭を抱えて頭を振る。そしてある程度冷静になると溜め息を吐いて視界を正面に戻す。するとボスの残骸があった場所に何かがあったのに気付いた。

「ん?何だ、これ?」

 近づいて何かを確認するとそれはGGOでレンタルされている四輪バギーであった。何でこんな場所にバギーがあるんだと思うが、たぶんアイテムではなく大型の装備のためにウィンドウに収納できなかったためここに出されたんだろう。

「もしかして、これもボスドロップ品なのか?」

 そう呟いて、そのバギーに触れるとウィンドウが表示される。

【所有者/ゲツガ】

 つまり、このバギーは先ほど触れたことで自分の物になったようだ。バギーなんて乗ったことがないため若干緊張しながらまたがると、シートはふかふかで座り心地はよかった。しかし、バギーは運転が難しいのでそちらの心配をしながらもエンジンをかけると意外にもしっかりしている。とりあえずこの場所から抜け出すためにそのまま試運転をする。

 最初は柱にそのままぶつかったりとバギーが柱などを破壊していったりしたが、しばらくしたらバギーの運転に慣れてきてぶつからなくなってきた。そしてそのフロアをようやく抜け出したかと思うと上のフロアに出た。

「やっふー!」

 下のフロアの入り口から飛び出すとそこには一人の大きなライフルを持った水色の髪の少女がいた。 
 

 
後書き
バギーという装備をゲットしましたー。だってSTR一極の移動速度は遅いんだもん!移動方法なきゃ本戦とかリッチと同じようにしなきゃなんないじゃん!
そして最後はわかると思いますがあの人ですね。何故会ったかは時間的に同じだからですね 
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