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銀色の魔法少女

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第三十九話 四対一

 
前書き
台風でプラスチックの屋根が一部飛んだ、だと、、、、、、、
 

 
side ALL

 規格外の雷撃が結界に叩きつけられる。

 その圧倒的なエネルギーは結界を砕き、内部にて拡散する。

(守護騎士たちは無事に離脱したようね、私たちも帰りましょう遼)

 彼女は内側(・・)から遼に語りかける。

 そう今、フィリーネと遼はユニゾンした状態にあった。

 髪は紫に染まるも、黒い瞳と口調は変わってはいない。

 必要によってはユニゾンすることによってその力を高めることができる。

 これが、死体兵士を纏うということである。
 
(いや、それはもう少し後の方が良さそうだよ)

 そう言って、遼は振り返る。

 そこには、驚きにに満ちた目で遼を見つめるなのはたちの姿があった。




side なのは

「シグルドさん、なの?」

 私は目の前の女の子に、そう尋ねる。

 髪の色とデバイスが違っても、あの服にあのバイザーは彼女のものだったから。

「うん、そうだよ、……あ! なのはにこの口調で話すのは始めてかな」

 彼女の口調はとても明るく、いつもの彼女と違って本当に女の子らしかった。

「どうして、結界を壊したの?」

「今彼女たちが捕まっちゃうと困るの、少なくとも闇の書の完成までは無事でいてもらわないとね」

 !?

 シグルドさんは闇の書を完成させる気のようだ。

「あれが完成すれば何が起こるのか、わかっていてやっているのですね?」

 フェイトちゃんが確信したようにそう言う。

 そして、シグルドさんから帰ってきた答えも、予想した通りだった。

「うん、闇の書の封印は完成前では意味をなさない、完成してからじゃないと無理だからね」

「……その方法を話してください、さもないとたとえあなたが相手でも」

 そう言ってバルディッシュを構えるフェイトちゃん。

 それに対して私は強くレイジングハートを握ることしかできなかった。

「ごめんね、今はまだ言えないの、だから私はこのまま逃げ――」

 彼女がそう言おうとした時だった。



               「させるかよ!!」



 突然現れた刃君がシグルドさんに斬りかかった。





side 遼

「おお」

 そんな気の抜けた声を出し、私は杖でそれを受ける。

「やあ、あの答えはちゃんとわかったかい?」

「さあな、さっぱりわからん! だから、今から聞き出す!」

 剣で私を突き放し、改めて構える彼のデバイスに、見慣れないものがついていた。

「ん? それって」

「そうだ! あんたに勝つために取り入れた、カートリッジシステムだ!」

 彼はそう言ってデバイスを掲げる。

 トリガーの近くに、恐らく八つはカートリッジが収納出来そうなマガジンが装着されていた。

「今度こそは、俺が勝つ!」

『ロード・カートリッジ』

 そう言うと、彼のデバイスがカートリッジをロードする。

 爆発的に高まる魔力に、私は驚く。

(ただでさえ多い魔力をカートリッジで更に強化、……泣けてくるなぁ)

 それだけではない。

 たとえ彼を倒したとしても、なのはにフェイト、それにクロノまでいる。

(バインドをしてこないのがちょっと不気味だけど、ここは逃げるしかないよね)

「ロード・グリム――」

「残念だけど、それはさせないよ!」

 その声と共に、青色の結界がこの街に展開される。

(これは……、まさか!?)

 まさかと思ってグリムゲルデを呼び出そうとしたが、やはり応答がない。

「これは、古代ベル化時代のデータから作り出した封印結界さ、この結界内部では君は転移も召喚もできないよ!」

 これで、脱出の手段が封じられた。

 出来るかどうかわからないけど、ここは全員を気絶させて逃げるしかない。

(今あるのは魔力強化のフィリーネだけ、ちょっとしんどいなぁ)

 せめてシュベルトライテかオリトリンデがあれば、と遼は後悔する。

「さあ、君が何を企んでいるのか捕まえてからゆっくり聞かせてもらうよ」




side ALL

 遼は杖をしまい、自分の愛剣を出す。

 ここはふざけている場合じゃない、そう思ったからだ。

「ノートゥング、双剣形態」

『Doppelschwertform(ドッペル・シュヴェーアト・フォルム)』

 カートリッジを一つ消費して、ノートゥングの第二形態、双剣を構える。

「今回は、本気で行くよ」

 その姿を見て驚いたのが数人、あることを確信したのが一人いた。

 今まで剣一つで戦ってきたから双剣を使うなどと思っていなかったからだ。

 そして後の一人、フェイトは遼の正体を見抜いていた。

(あの構え、やっぱり遼だ、だとするとこのメンバーで勝てるかな……)

 フェイトもカートリッジシステムによって強くなった自覚はあった。

 けれど、相手も使うなら別だ。

 遼に追いつけるのはこの中ではフェイトと刃だけ、アルフとユーノは内と外からの結界維持しているとなると、作戦は自然と決まってくる。

『フェイトと刃が彼女に攻撃を、なのはと僕はそのサポートだ!』

『『はい!』』『よっしゃ!』

 まず牽制にクロノとなのはがシューターを放つ。

(これは術者が操作するタイプの魔法弾……、避けるのはむりかな)

 そう感じた遼は神速を使い、全て斬り裂く。

『Hakenform(ハーケンフォーム)』『ソードモード』

 その隙に、フェイトと刃が背後から斬りかかるが、

「甘いよ」

 遼は前を向いたまま、背中に双剣をまわして二人の攻撃を受け止める。

「!?」「嘘だろ!?」

「そこ、気を抜かないの!」

 そう怒鳴ると遼は二人を斬りつける。

 フェイトは間一髪それを避け、刃はベイオットの盾で受け止めるが少し吹き飛ばされる。

 これで、遼を中心に四人がそれぞれ対局の位置についた。

 遼の前がフェイト、後ろになのは、右に刃、左にクロノ。

 遼はそれを見渡し、この場にいる全員にこう言った。



         「痛みも感じないうちに、終わらせてあげる」




 
 

 
後書き
解説
なのはの刃に対する態度
昔は嫌いだったけど、今は刃がつかかってくることがなくなったので普通 
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