ドラゴンクエスト5~天空の花嫁……とか、
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第1話:始めました
俺は毎晩の様に夜空の星々に祈りを捧げた……
“自宅警備の仕事から解放され、ドラゴンクエスト5の世界に転生される様に!”と……
そして、その祈りは叶えられたのだ!
「おお、この子が私の子か!?」
「はい、そうですよアナタ……」
まだ定まらない視界の中で、二人の人物が俺を囲み会話している。
間違いなく“パパス”と“マーサ”だろう……
「元気な男の子だ! 名前をどうするか……?」
名前……“トンヌラ”とか言ったら盛大に泣き出す!
今の俺に出来る精一杯の抵抗をしてみせる!
「アナタ……私、考えてありますの」
マーサキター!!!
パパスの事は無視して素敵なお名前頂戴致します!
「な、何……そ、そうか……で、何という名前かな……?」
「はい。“アルス”というのはどうでしょ?」
お、よく聞くねそれ……でもトンヌラより良いんじゃネ?
「うむ、アルスか……マーサが決めたのだ、それが良いだろう」
嬉しそうに俺を抱き上げ、名前を定めたパパスだが、小声で「トンヌラの方が格好いいのに……」と呟いてた。
お前、美的感覚がおかしいぞ!
さてさて、そんな訳で始まりましたドラクエライフ!
前世でのドラクエ知識をフル活用し、“パパスの死”&“過酷な奴隷生活”を完全回避し、愛しのビアンカとラブラブでエッチぃ人生を満喫しようと思います。しかも王子様だしね、俺!
そんな決意を固めながらママのオッパイにむしゃぶり付いていると、どこからともなくゲマ登場!
有無を言わせぬ強引さで、マーサママは連れ攫われる……
パパスパパを初め、周囲の家臣達愕然……
この後、周囲の反対を押し切りパパスは旅立ちを決意する。
唯一サンチョだけがパパスの行動に反対せず、共に旅立つ事を宣言する。
俺としてはビアンカに逢う為やむを得ないのだが、王子様生活を手放すのは残念無念でいっぱいです。
危険な旅なのは承知してるけど、赤子を連れて行くぐらいなのだから、若くて可愛いメイドの一人も連れてきてほしかった……
出なくても良いからオッパイを吸わせてほしかったのになぁ……刺激してればそのうち出てくるかもしれないじゃん!?
王様の溜りに溜まったミルクを絞る処理係的にも、若い美女は必要じゃネ?
まぁそっちは現地調達するつもりなのかもしれないね。
サンチョは兎も角パパスはイケメンだから、その手の物事に困る事は無いのだろう。
良いなぁ……前世から引き続き“まだ”な俺には羨ましい限りです!
しかし……
俺の願いは叶う事なく、若くて可愛いお姉ちゃんとは無縁の旅を続けるお父さん。
気が付けばサンタローズに移り住み、『ドキッ! 男だらけの身分秘匿生活』を送っております。
だが悪い事ばかりじゃない。
サンタローズに住み暫くするとビアンカに出会う事が出来た!
まだロリなビアンカも可愛くて、一緒にお風呂に入った時は子供のフリ(見た目は子供なんだけどね)して、ツルペタオッパイに吸い付きました。コドモ最高!
バッチリ可愛い男の子を演じたところで、父と一緒に二人だけで旅立ちます。
どうやら天空の剣の情報を仕入れたみたいで、俺を連れて探しに行くらしい……
直ぐに帰ってくる予定との事で、サンチョはお留守番……
でも俺この時4歳……
原作のスタート地点へのイベントだとすると、2年間家を空ける事になるんだよね?
サンチョも連れて行けば良いのに! ご飯係が居ないのは辛いっす!
(船上)
「おぉ、起きたかアルス……魘されていたが怖い夢でも見たのか?」
どうやらゲームスタート時に辿り着いた様だ……
つー事は、あの情報は確かだな……今日“ビズタの港”に到着するというのは。
「おはようお父さん……あのね、変な夢を見たんだ……大きなお城に住む、僕とお父さんとサンチョの夢を」
本当はそんな夢は見ていない。
昨日、変態水夫に部屋へ連れ込まれそうになった事を夢でフィードバックして魘されてたんだ。
知っての通り今の俺は超美形だ!
美少年好きには堪らないエモノに違いない……
美形過ぎるのも危険なんだなぁ……
「ははは……寝ぼけてるな。顔を洗って外の空気を吸ってこい……もうすぐビスタの港に到着だ。2年ぶりのサンタローズだからな! 船員の皆さんに挨拶をしておくんだぞ」
「はい、お父さん!」
俺は素直に返事をし、言われた通り船室から出て行く。
潮風を大きく吸い込み、ポケットから手鏡を取り出すと、自分の表情を確認する。
うん。今日も可愛い! あの水夫にだけは気を付けて、皆さんに愛想を振りまきに行こう!
俺はナルシストではないのだが、常に手鏡を携帯している。
周囲はナルシスト認定をしており、深くは突っ込まない……
だから気にしない様にしているが、一応説明しておこう。
俺はパパスとマーサの間に生まれた子供だ。だからスペックは高いのだろうけど、どうにも戦闘に慣れない。
父に剣術とか戦術とかを習いはしたが、戦闘になり目の前にモンスターが現れると怖くて戦えないのだ……
情けないとは自分でも思う。
でも出来ない物は仕方ない!
だったら別方面の実力を伸ばした方が効率的だろう。
では何を伸ばすか……そう、美しさだ!
将来冒険をしていく上で、戦闘に参加しないで済む様に、この魅力を最大に利用し仲間を増やそうというのが俺の計画である!
その為に常に美を意識し、周囲の人々全てに愛想を振りまくのだ!
それに……
第一ターゲットはビアンカだが、ついでにフローラもゲットしちゃおうと考えてるしね!
デボラも性格は兎も角、身体だけは一級品だから俺のハーレムに入れようと思ってるし。
だから今日は重要なんです。
フローラ&デボラとのファーストコンタクトですから。
ここで俺の可愛さをアピールして、後の再会に繋ごうと思います。
1人の水夫以外全員に挨拶を済ませると、船長が到着したと伝えてきた。
勿論それは父への言伝なんだけど……
だから俺は船室へ戻り、到着を父に知らせる。
そしてここからが俺の勝負所である!
父と一緒に甲板へ上がり、港との渡し板の所まで来る。
ちょうどルドマン親子が乗り込むところの様だ。
しかし人数が少ない気がする……
護衛的な兵隊さん一人、太っちょオッサン一人、ロリロリ美少女一人……
アレ……デボラは? ロリータ・デボラは何処に居わす!?
ゲームでは船と桟橋がドッキングした途端、『邪魔よオジサン!』とか言いながら、ズケズケと乗り込んでくる生意気ロリータが居たはずなんだけど……
はっ! もしかして俺の居る世界ってDS版じゃないの?
SFCかPS版なの!?
あの性格は兎も角、身体は魅力的だったのになぁ……残念!
ならば仕方ない!
ロリーラ……違った、フローラに全神経を集中し美しき出会いを演出しよう。
そう考えたのも束の間……
「オジ様、どうもありがとうございます」
船に乗れなかったフローラを抱き上げ、優しくエスコートしたのはボクのパパ。
乗り込んだロリちゃんは既に船室へと行ってしまい、手を握る事も声をかける事も出来ぬまま、俺は父に連れられ船を後にする……
あれぇ!?
こんなんで記憶に残るのかなぁ?
将来再開した時に、大きなアドバンテージになるのかな?
『あの時に出会ったイケメンだよ』って言っても、『はぁ……誰ですか貴方は?』ってなっちゃうんじゃないかな!?
後書き
リュカ伝とは全く違ったDQ5を書きたくて制作しました。
皆様に気に入って頂ければ幸いです。
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