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万華鏡

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第三十七話 夏祭りその十

「とにかく。キリスト教では赤ワインなのね」
「そうなの、難しいわよね」
「そうね。けれど焼きそばとかお好み焼きってパンと同じなのよね」 
 どう同じかというと。
「小麦粉から作るのよね」
「そうよ」
「パンと赤ワインは合うのに」
 ついでに言えば白ワインとも合う。
「それでも焼きそばとかは駄目なのね」
「そうなのよね」
「不思議よね、白ワインだとまだお好み焼きいけるのに」
 それでもだった、赤ワインになるとだ。
「こっちも同じ葡萄から作っているのに」
「同じものから作っても別物になるとな」
 それでだとだ、ここで言ったのは美優だった。
「組み合わせも変わるんだな」
「そうなるのね」
「そうなのね、じゃあ」
 ここで五人共料理を見た、するとだった。
 もうかなり食べていた、後はだった。
 琴乃はたい焼きを見てだ、他の四人に言った。
「ねえ、私達今日本酒飲んでるけれど」
「それでよね」
「たい焼きはっていうのね」
「ベビーカステラにクレープにね」
 それにだった。
「林檎飴ってあるけれど」
「味わかるかしら」
 景子は少し苦笑いになって言った。
「お酒かなり飲んだし」
「そうよね、調子に乗って飲み過ぎたかしら」
「どうにも」
「いや、待てよ」 
 ここで美優が気付いた。
「あたし達合宿の時もかなり飲んでたよな」
「ああ、広島の地酒ね」
「確かにかなり飲んだわね」
「飲んだよ、けれどな」
 それでもだというのだ。
「部屋で先輩達と話しながら紅葉饅頭食べてたよな」
「じゃあ大丈夫かしら」
「お酒飲んだ後でも」
「いけるだろ」
 これが美優の言葉だった。
「そうだよな」
「ええ、じゃあね」
「特に気にせずにね」
「食べていいだろ」
 たい焼きでも水飴でもだというのだ。
「流石に餡子食べながら日本酒はやれないけれどな」
「ちょっとそこまでいくとね」
「そうした組み合わせはね」
 ないだろうと話してだ、そしてだった。
 五人は今度は甘いものを食べていった、たい焼きもクレープも全部食べた。そしてそうしたものを全て食べてからだった。
 景子は他の四人にこう言った。
「それでね」
「うん、全部食べたし」
「後は」
「どうするかよね」
「そう、どうするの?」
 食べて飲んだ後の話になった。
「お参りする?神社に」
「それしようか、もうお腹一杯だけれどさ」
 美優が景子に応えて言う。
「それじゃあな」
「そうね、夏祭りでもね」 
 この時でもだというのだ、景子も。 
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