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黒子のバスケ 無名の守護神

作者:stk
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第二十一話 初めての敗北

第2Q終了後の休憩(インターバル)で待機室に戻ると休憩(インターバル)とは思えないほど疲れていた。
秀徳戦でもここまでは疲れていなかった。
しかし点差はそこまで大きくはない。
可能性はあるだろう。
そこで一番の驚異になるのが青峰くん。
青峰くんを止めるとしたら僕か火神。
でも風邪を引いている僕は出してもらえない。
それなら話は早い。
火神の足の状態を考えながら休息をとる。
一番の手段であると考えられる。
「・・水野くん!」
「はいっ。」
いきなり大声出さないでよ~。
ビックリするじゃん。
「残念だけど水野くんは今日出したくない。でも火神の足のことを考えると出すかもしれない。」
へぇ~。
出すって言ったよ。
「本当は万全ではない選手出すなんてやりたくなかったわ。」
「監督~。そんなこと言ったらみんなのやる気が下がっちゃいますよ~。」
こんなところでみんなのやる気を下げようとしないでよ。
勝てる確率がさらに低くなっちゃうじゃん。
「そうね。水野くんは第4Qまで体力を温存しておいて。」
「はい。」
「黒子くんは一度下げるわ。第4Qで勝負よ。」
それではみなさん。
僕は体調を考え暫し休息をとるとしましょうかね~。
お休みなさい。


それから約十分くらいねると降旗くんが起こしに来てくれた。
「試合はどうなってるの?」
僕ははじめに今の状況を聞いた。
思っていたほど良くはなかった。
そして話を聞いている限り火神の足は痛めた足を無意識に庇っていたせいか逆の足に負担がかかっていた。
試合は今から第4Qらしい。
僕はすぐにベンチに戻った。
「ちょうど良かったわ。水野くん。交代よ。」
「はい。」
思った通りだ。
火神の足の動きがおかしい。
『誠凛。選手交代(メンバーチェンジ)です。』
アナウンスも入ったことだし
「火神。交代。」
なんか驚いているし。
「なんでまた・・・!?テーピングも問題ねーよ。」
「早くもどんなよ。」
「大丈夫っすよ。それにまだ試合は・・・こんなところで」
「いいから戻りなさい!!」
監督が怒鳴ったよ!
仕方がないか~。
でも火神は残りの二試合にも出れないだろうね。
その前にちょっと聞いてみよう。
桃井さんの情報とやらを
「あの~。桃井さんから渡された紙には僕のことなんて書いてありました?」
二年生らしき人に話しかけるとすぐに
「お前の情報なんて無かったよ!」
と答えられた。
詳しくは教えてくれなかったけどそれならやりやすい。
というか火神からものすごい怒りを感じるんだけど。
僕は試合が再開されると青峰くんのマークについた。
「ショウ。お前なら楽しませてくれるんだよな!」
「どうかな?でも易々とシュートは打たせないよ。」
僕と青峰くんは本気とまでいかないけど結構力は出した。
多分青峰くんは五割弱で僕は六割くらい。
試合の点差からして追い付けないと僕は考えた。
青峰くんには僕がマークについているけど他の四人のはマークがついていてついていないような感じがした。
残り六分をきったところで急に足下がふらついた。
そして青峰くんのマークに着いていたことから青峰くんの前で意識を失ってしまった。
「ショウ!」
「水野くん!」


ここからは後から聞いた話だけど試合は僕が倒れたことで少し中断された。
医務室まで僕を運んでくれたのは青峰くんだったらしい。
試合はそこから急展開し、点差は僕がいたときよりも開き始めたらしい。
試合終了後、僕は監督のお父さんの車に乗せられて病院に言ったらしい。
そこで検査を行ったところただの風邪ではあるが体温が40℃を超えていたらしい。
また火神も病院に行ったらしい。
火神は足が完治するまで運動が禁じられた。
そして僕はかなりの期間、危ない状態だったらしい。
退院したのは試合の日からに一週間かかった。
そして明日から復帰の予定だけど何故か見覚えのある人が病院にいたのを見た。
バスケ部に顔を出すのは二週間ぶりである。
ちなみに決勝リーグは全敗したそうだ。
新聞やニュースでやっていた。
暇だしジョギングでもしてこようかな。
そう思い僕は外に出た。
適当に走っていくと部活が終わった先輩たちに出くわしてしまった。
「お前。練習が出来なくても顔を出せって言っただろうが!」
「すいません。」
「それでもう大丈夫なのか?」
「えっ。」
聞き取れなかった。
「もう大丈夫なのか?」
「はいっ。もう大丈夫です。」
「そうか。なら明日はやっと全員揃うな。」
そうなんだ。
と言うことは火神も?
「そう言えばお前は木吉鉄平を知っているか?」
どっかで聞いたことがあった気がする。
何処かで。
・・・
・・

あっ。
もしかして
「たぶん知っています。うる覚えですが無冠の五将と呼ばれている人ですよね。」
「そうだ。そしてアイツは誠凛高校バスケ部を作った男でもある。」
へぇ~。
そうだったんだ。
「そうなんですか。それでは明日を楽しみにしてます。」
「おう。じゃあな。」
あの人が誠凛にいたんだ。
面白くなりそう~。
 
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