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世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

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第七話 笑劇!?あかねの敵はキュアサニー!?

ある七色ヶ丘中学校

「「「「ワイワイガヤガヤ」」」」

みゆき達が何やら楽しそうに談笑していると・・・

「何やってるんや~?」

「「「「え?」」」」

あかねが会話に入ってくるのだがあかねの顔を見たみゆき達の表情が硬直した。

どう見てもあかねの鼻が天狗になっていたのだ。

「なんや~みんなけったいな顔して~まぁ~バッドエンドの襲撃でも考えてたんやろうけど・・・ウチには戸隠流の忍法があるねん♪もう怖い物なんてあらへんで」

ケラケラと笑いながら言うあかね。ここ最近連戦連勝だったうえに戸隠流忍法もそれなりに強くなった為相手を下に見ているのかもしれない。

「完全に天狗になってますね?言った方が良いのでは?」

「いやぁ・・・ああいう場合は自分が痛い目に合わないとわからない口だな」

れいかはあかねに天狗になっている事を伝えようとするが、なおの意見ももっともである。

「へっへ~んバッドエンド王国だろうが何だろうがいつでもこいや!お尻ペンペンしたるわ♪」

「大丈夫かな~あかねちゃん」

完全に調子に乗っているあかねをみゆきが心配する。

その様子は学校の外で犬の散歩をしていたある人物の目にばっちりと映っていた。





第七話 笑劇!?あかねの敵はキュアサニー!?





日野家

「ただいま~」

元気よく戸を開けて帰ってくるあかね。すると店内にすごく見慣れた後姿が・・・

「え?」

あかねが目を凝らしてよぉおっく見て見るとオレンジのコスチュームにオレンジの纏めた髪の少女。とても見覚えのあるあかねは思わず叫んだ。

「あんた誰やねん!!?」

仰天したあかねに少女は振り返り応えた。

「キュアサニーや♪」

振り返って飄々と答えるキュアサニー。クローン人間を思わせる瓜二つの姿にあかねは冷静に考え・・・

「あそうか!ケイさんが化けとるんやな?」

「こんにちは~」

「ええええええ!!」

あかねがまたケイの変化の術だと思うが偶然食べに着たケイの姿を見て仰天した。目の前のキュアサニーはケイではない。

「あ!あんたいったい誰やねん!!??」

「だからキュアサニーやて♪」

再び仰天するあかねに飄々と答えるキュアサニー。なお同席しているケイもついていけないようだ。

「・・・!!」

するとキュアサニーはあかねに向かって蹴りを放ってきた。

「んぎゃ!!」

咄嗟に受け止めるあかねはそのままキュアサニーに拳を繰り出すが受け止められてしまい投げ飛ばされてしまう。受け身を取ったあかねは起き上がり近くに置いてあったモップで戸隠流棒術を繰り出すがキュアサニーは目をつぶって無駄な動きの無い回避を披露していく。

「う!嘘やろ!うげええ!!」

攻撃が通用しないことにあかねが仰天するとモップを奪い取られ顔面に突きを食らう。

「いいいだいいだい~」

鼻を押さえて悶絶するとスマイルパクトを落としてしまった。

「あ!」

「?・・・!!」

あかねがスマイルパクトを拾い上げようとするが、キュアサニーに先に拾い上げられてしまう。

「ウチのスマイルパクト!」

「へっへ~ん♪貰ってくで~♪」

「させるかあああああ!!」

ニカっとして言うキュアサニーにあかねが飛び掛かるとキュアサニーはあかねの背後に回り込み蹴り飛ばしてあかねのバランスを崩すと炎の球を作り出した。

「プリキュア!サニーファイヤー!!」

「嘘やろ!?うわあああああああああああああああ!!!」

自分の技まで使われたことに仰天すると足元に直撃し爆風で吹き飛ぶあかね。

「うげ!」

「も~らい♪」

スマイルパクトをあかねに見せつけるようにキュアサニーは持って行ってしまった。

「あ!返して!!」

だが無情にもキュアサニーの姿は消えてしまいスマイルパクトを奪われてしまったあかね。

そして見事に天狗になっていた鼻をへし折られた。

それを見たケイは・・・

「あれ?・・・前にもこんな事があったような」

といつぞやの記憶を呼び覚まそうとする。





あかねの部屋

「どうないしよう~スマイルパクト奪われてもうた~」

うつ伏せになりながらみゆき達にどう説明するか考えているあかね。

「せや!泥棒が入って盗まれた事にしよう!て!そんなん通じ訳があらへん!!」

頭を抱えてこのピンチを乗り越えようと考えていると投げ文が飛んできた。

「な!なんや!?」

あかねが投げ文をみるとこう書かれていた。

「スマイルパクトを返してほしかったら明日正午岬で待つ・・・キュアサニー」

キュアサニーからの挑戦状であった。

だが先程の戦いを思い出した。

「戦力は向こうの方が上や・・・悔しいけどスマイルパクトの無いウチでは勝てへん」

あかねが頭を抱えていると突然目の前に一冊のノートが渡された。それを持って来たのは・・・

「闘破?」

「話は聞いたぜ。あかね」

そう言って闘破があかねに渡したのは『プリキュア勝利の日記』と言うノートだった。闘破が加わった時期から今までの戦いを闘破が日記に着けておいてくれたらしい。

「て!いつの間にそんなもん作ったんや!?・・・凄い詳細やな・・・」

パラパラと捲ってみると細かく書かれていた闘破のまめな日記に感心するあかね。

だがそんなツッコミを余所に今までの戦いを振り返ってみた。

ハッピーを助けたりマーチと協力したりとお互いの欠点を補いあいながら戦い常に皆と協力して闘っていた。

「そうや・・・バッドエンドが弱いんやない・・・皆と協力して闘ってたから強くなれたんや・・・なのにウチ自分だけ強くなったつもりで・・・」

皆で協力して強くなっていった者を自分だけ強くなった気になったあかねは自分に喝を入れた。

「よっしゃ!眼覚めたで!待ってろキュアサニー!!」

「おお!やる気になった!」

思いっきり闘志を奮い立たせたあかねを見て拍手する闘破。


翌日あかねが学校から帰り決戦に行くと闘破が日野家の自分の部屋に入った。

「よし!しっかり応援しなきゃな!」

あかねを応援するために武神館の道着を用意する闘破。するとある事に気が付いた。

「あ!無い!!」

隠しておいた磁光真空剣が再び消えていた。





七色ヶ丘の岬に向かうあかね。

・・・その背中には磁光真空剣が・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

強敵と戦う為に今一番強い武器・磁光真空剣を持ち出したのだ。





「あかねぇ~・・・」

なお闘破の部屋にあかねの脱ぎ捨てた制服があったので犯人は丸わかりだった。

この後闘破は隠し場所を変えようと考えたらしい。





「・・・・・・・・・」

鬼気迫る雰囲気であかねが岬に向かうとそこには腕を組んで堂々と待ち構えているキュアサニーの姿が・・・

あかねは自分に打ち勝つためにキュアサニーの目の前に立った。

「へぇ~どうやら怖気づかなかったようやな~♪」

明らかに馬鹿にした笑顔のキュアサニーの言葉にあかねは反論した。

「黙りや!ウチのスマイルパクト・・・返してもらうで!!」

背中の磁光真空剣を抜刀し構えるあかね。それを見たキュアサニーはあざ笑うかのように見つめた。

「へぇ~武器に頼るとはな~」

「なぬ!?」

「しかも持って来たのは磁光真空剣・・・剣が冴えてもあんただとな~」

「なんやて!?」

キュアサニーの馬鹿にしたような言い分に激怒するあかね。

「真の達人は素手でも相手を凌駕する・・・どんなに凄い名刀でも・・・使い手がダメならただの棒切れって事や」

「何ならためしてみるか?棒切れかどうか・・・これでも闘破の一番弟子やからな!!」

磁光真空剣を正眼に構えたあかねは一気に踏み込んでキュアサニーとの間合いを詰め一閃を浴びせるが、空を斬り草木が舞った。

「な!?」

完全にとったと思ったあかねだが、キュアサニーはあかねの背後を取っていた。

「ほいっと♪」

キュアサニーが手から炎を放つと咄嗟に磁光真空剣で受け止めるあかね。

するとキュアサニーはあかねの至近距離に急接近し溝を殴り飛ばした。

「ぐ!」

突然の奇襲にあかねが悶絶するとキュアサニーは人差し指でクイクイッとあかねを挑発した。

「くうううう!馬鹿にするなあああああああ!!!」

あかねがキュアサニーに向かって磁光真空剣を振り回すが、無駄な動きの無い見切りで避けられてしまう。

表情に常に余裕があるキュアサニーに憎らしさを感じるあかね。

「くう!自分の顔にムカつく~!!」

「カモ~ン♪」

あかねのイラつきを余所に終始笑顔でキュアサニーは攻撃を誘う。

そしてあかねは磁光真空剣で次々とキュアサニーを攻撃するが常に当たりそうで当たらない距離を笑顔のまま見切りで避けられてしまう。

「こんのおおおおおおおおおおおおおお!!」

あかねが大振りで磁光真空剣を振り下ろすとキュアサニーはあかねの手首を片手で掴み取り、そのまま開いている手であかねから磁光真空剣を奪い取った。

「しまった!!」

「・・・終わりやな?」

距離を置こうとするが首筋に磁光真空剣を突き付けられてしまうあかね。キュアサニーとの圧倒的な力の差であった。

だがあかねはこの状況でも諦めずに逆転の一手を考えている。

(・・・どうする・・・どうすれば勝てる!?)

「終わりや!」

絶体絶命のあかねにキュアサニーは容赦なくとどめの一撃を繰り出そうとする。

その時闘破に教えられたある言葉が蘇った。

(忍びの心を忘れるな!敵は常に自分の中だ!!)

(せや!目の前の敵は二の次や!勝とうと思うな!!)

その言葉通り目の前のキュアサニーではなく自分の中の恐怖に打ち勝とうとするあかね。

キュアサニーの磁光真空剣の一閃をあかねは刃を受け止め防ぎ、更に勢い殺さずにキュアサニーを投げ飛ばした。そして衝撃で磁光真空剣をキュアサニーが離し刃から持ち替え再び構えた。

「!!」

だが構えを解き、しかも力無く立つあかねにキュアサニーはクナイで次々と一撃を入れようとするがあかねは勝とうと思っていないのか余計な事を考えずに身体に染みついた避け方でキュアサニーの攻撃を避け続ける。

「!!」

まるで紙にでもなったかのようにヒラリとあかねは避け続けキュアサニーを蹴り飛ばした。

無駄な事を考えないあかねは面白いようにキュアサニーの攻撃を予測し的確に回避した。

「!!・・・!!・・・!!」

先程と違いキュアサニーの表情から笑顔が消えた。本気であかねにクナイを当てようとしているが今度はあかねが流れるように見切りで避けていく。

すると

「はぁ・・・はぁ・・・」

キュアサニーの息が上がってきた。体力ではあかねの方が上のようだ。

「!!」

するとあかねは目を見開きキュアサニーに向かって突きを放った。

「く!しまった!!」

突然の奇襲でキュアサニーが避けようとするが避けきれずに磁光真空剣が頬を掠める。

「!!」

キュアサニーがバランスを崩すとあかねはそのチャンスを逃さなかった。

「!!・・・!!」

磁光真空剣を納め戸隠流の印を組んだ。

「許さん!!」

あかねが自分の闘志を最大限に燃やし磁光真空剣を抜刀し正眼に構えた。

レーザー刀にはならないがその構えは闘破そのものだった。

「受けて立つ!!」

キュアサニーも強引にバランスを起こし炎の球を作り出しあかねに向かって飛んだ。

「プリキュア!サニーファイヤー!!」

キュアサニーから放たれた炎の球があかねに襲い掛かると・・・

「真っ向両断!!」

歌舞伎のような構えになり両腕で磁光真空剣を振り下ろしサニーファイヤーを真っ二つにした。

「な!」

技が破られたことに驚愕するキュアサニー。

すると

「でええええええええええええええあああああああああああああああ!!」

あかねは渾身の横一閃を放ちキュアサニーにヒットさせた。

凄まじい剣圧に押されて後方に吹き飛ぶキュアサニー。その反動でキュアサニーが持っていたスマイルパクトが宙を舞いあかねの手の中に納まった。

「はぁ・・・はぁ・・・勝った・・・」

体力と集中力のすべてを使い切ったあかねは磁光真空剣を地面に突き立てへたり込んでしまった。

するとあかねの攻撃を受けたキュアサニーが立ち上がりあかねの元まで歩み寄った。

「あ・・・あんた!」

「ふぅ~私もまだ修行が足りないって事かな?」

キュアサニーが自分の顔に手をやるとキュアサニーの顔を脱ぎ捨てた。中から出てきたのは自分とは似ても似つかぬ少女だった。

「あ!あんた誰?」

「驚いた?」

オレンジのかつらを外し自分の髪を降ろす少女は素性を語り始めた。

「私は紅葉。戸隠流よ♪」

「戸隠流って!何しに来たんや!?」

紅葉と名乗る少女は自分が来た理由を話し始めた。

「う~んっと最近あかねが天狗になってるから鼻をへし折って鍛え直してやれって哲山先生に言われて♪」

「哲山先生に!?」

どうも最近のあかねの天狗ぶりを見かねた哲山があかねに喝を入れる為に刺客を頼んだらしい。

しかも紅葉の年齢はあかねと同い年らしく同年代の戸隠流の中では1・2を争う実力者である。

因みに必殺技は忍法の応用でそれらしく演出していた。

「て・・・哲山先生・・・なんちゅう相手を選んだんや」

「まぁ~闘破さんじゃ何もしないからね~」

「ま・・・闘破やし・・・て!さっき言いたい放題言うてくれたな!」

「何言ってるの~口も達者なのが忍者なのよ~」

紅葉の飄々とした態度に呆れるあかね。

「そう言えば闘破もこんな調子やったな・・・」

「あはははは・・・まぁ~闘破さんも一回ジライヤスーツと磁光真空剣を持ってかれちゃったけどね~」

「て!闘破も同じことあったんかい!?・・・てことは闘破も『ジライヤ勝利の日記』というのあったりして・・・帰ったら見せてもらおう」

あかねの気合の入った様子に紅葉は安心した。

「良かった。これならもう天狗になる事は無いかな・・・それに負けっちゃったし。もっと腕を磨いてくるから今度は私から挑戦させてもらおうかな」

「いい!?それはもう勘弁や!!」

紅葉の言葉に仰天するあかね。

この後紅葉をバス停まで送ったあかねは闘破に磁光真空剣をちゃんと返したのだった。

 
 

 
後書き
やよいがさらわれた!捜査にあたったセントラルシティ警察署の刑事。絶体絶命のやよいの前に鋼鉄の戦士が現れた!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

機動刑事現る!

みんな・・・見てね♪

 
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