転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0344話
意識が急速に浮上していき、目が覚める。
「……ここは?」
上半身を起こそうとして、俺が寝ていたベッドを囲むようにして4人の女達が座りながら眠っているのに気が付いた。
その4人を起こさないように、そっと周囲を見回すと見覚えのある部屋であることに気が付く。確かエヴァの別荘である城の中で俺が眠る時に使わせて貰ってる部屋だ。
「気が付いたか」
声の聞こえてきた方へと視線を向けると、そこには空中に浮かんでいるエヴァの姿がある。
「俺は、どうしてここに?」
「ふん、覚えてないのか。麻帆良に侵入してきた悪魔と戦って、それに勝ったのはいいがいきなり苦しみだして角と羽を生やしたかと思ったらそのまま気絶したんだよ。で、あの場にそのまま置いておけば魔法先生達がやってきて厄介な事になりそうだったからあの場にいた者達全員でこの別荘に連れてきた訳だ。ちなみにお前が気絶してから丸3日程経っているぞ。まぁ、外では3時間しか経っていないんだがな。そいつ等はずっとお前に付き添っていたが、体力の限界が来てダウンしたんだろう」
エヴァの言葉を聞き、気絶する寸前の事を思い出す。そう、確かヘルマンを永久的に消滅させる為にスライムで吸収した結果、スキルを入手したのはいいものの身体に激痛が走って気絶したのだ。
ステータスを表示してスキル覧を確認すると、気絶前に確認したように鬼神化のスキルが異形化へと変化していた。……進化と言うべきなのか? あの時の記憶はうろ覚えだが、確か鬼神化したまま角と羽が生えてきた。つまりは鬼神化+悪魔化=異形化という認識で間違ってはいないだろう。
「世話を掛けたな」
「構わん。それよりも結局あの時は……」
「アクセル君?!」
エヴァがこちらへと質問をしようとした時、俺とエヴァの声で目が覚めたのだろう。あやかがこちらへと掴みかかってきたのだった。
「身体の具合は!? どこか痛い所はありませんか!?」
「アクセル……君?」
「……本当だ、アクセル君の目が覚めてる」
「ほら、だから言ったでしょ? アクセル君があの程度で死ぬ訳ないって」
そしてあやかの声で目が覚めたのか、千鶴、円、美砂の3人も目を覚ましてこちらへと視線を向けている。
「全く、幾らアクセル君が強いとは言っても余り無茶をしないで下さい! 本当に、あの時のアクセル君の苦しみようといったら……」
目に涙を溜めながら抱きついてくるあやか。俺はそれを黙って抱き返すしか出来なかった。
「……ふん。まぁ、いい。落ち着いたらいつものリビングへ来い。そこで詳しい話を聞かせて貰おう。ぼーや達も色々と用事があったらしいからな」
そう言って部屋を出て行くエヴァに軽く頷いて返事をする。
「アクセル君。いい? 確かにアクセル君は実年齢は私達よりも上かもしれないわ。でも、今のアクセル君はあくまでも10歳の子供でしかないの。余り心配を掛けさせないで頂戴」
千鶴が微かに目の端に涙を溜めながら、悲しそうにそう声を掛け。
「全く、余り心配させないでよね。鬼神化とかいうのはともかく、後頭部から新しい角が生えるわ、羽は生えるわ……心配したんだからね!」
円が目の端に涙を溜めながら真剣な様子で怒ってくる。
「皆心配で夜も眠らずにアクセル君の看病をしてたのよ? こーんな美少女4人に心配を掛けるなんてアクセル君の女誑しぶりも堂に入ってきたね。……ま、あんな美女3人を恋人にしてるんだからそれも無理はないか」
暗くなる雰囲気を盛り上げようとわざと軽く振る舞う美砂だが、その目にはやはり涙が微かに滲んでいた。
「……悪かったな。だが、もう安心だ。あれはどうやらヘルマンとかいうのを吸収した時に得たスキルが関係してああなったんだと思う」
果たしてあの現象が、鬼神化のスキルを発動したままヘルマンを吸収して新たにスキルを得たからこそスキルが統合されてああなったのか、あるいはスキル覧に空きが無い状態で無理に吸収したからこそああなったのか。
まだ確定的では無いが、恐らく両方の要素が混ざった結果だろうと俺は予想している。……と言うか、何となくそんな風に感じ取っている、と言った方が正しいか。
その後、30分程4人に説教をされたりからかわれたり、可愛がられたりと色々としていたのだが、ようやく4人とも落ち着いてくる。
「さて、じゃあそろそろいつものリビングに行くか。そこでエヴァ達が待ってるらしいぞ」
「ええ、そうです……わね」
何故か気の進まないような返事をするあやか。ネギに対して好意を抱いているあやかにしては珍しい感じだ。そしてそれは千鶴、円、美砂の3人も多かれ少なかれ共通している様子だった。
「どうした?」
「いえ、その……ネギ先生とアスナさん達がちょっと」
言いにくそうに言葉を濁したあやかに変わり、美砂が口を開く。
「実はさ、ちょっとアスナ達とやりあっちゃって」
「やり合う?」
「そ。アクセル君がスライムを問答無用で消滅させたり、ヘルマンとかいうのをスライムで吸収したりしたのが酷すぎるってなってね」
「……ああ」
美砂のその言葉で大体予想がつく。基本的にはネギにしろ神楽坂にしろ、人道的と言うか例え敵であろうとも人殺しは絶対に駄目というスタンスを取っている。まぁ、今回の場合は魔物と悪魔だが。それにネギ達にしてみれば、つい数時間前には戦争の只中を生き抜いてきた俺の記憶を体験した訳で。……それを思えばあの2人や他のメンバーが俺に対して反感を抱くのは無理もないのかもしれない。
「なるほど、大体分かった。そんなに怒るな。お前達も体験したが、俺の記憶は常に戦争と共にあると言っても過言ではないんだ。そんな状態の俺の記憶を体験してすぐにアレだ。ネギ達が戸惑うのも無理は無い」
「でも! 皆アクセル君に助けて貰ったのにあの言いぐさは酷いじゃない!」
俺の言葉に感情を爆発させたのは円だった。その顔は怒りか、あるいは憤りかで赤く染まっている。
「ほら、怒るな。俺なら問題ないから」
ポンポンと円の肩を叩いて落ち着かせる。円も黙って俺の手を受け入れ、数分程経つと落ち着いた様子を見せていた。
「さて、じゃあリビングに向かうとするか」
ベッドから降りて、ふと気が付く。気を失う寸前はあれ程に肉体的に消耗していたと言っても間違いではなかったのに、何故か今の俺は不思議なくらい心身共に力が漲っている感じだ。これも異形化の影響か?
内心首を傾げながらも、部屋を出ていつも使っているリビングへと向かう。
リビングに入ると、エヴァがにやりとした笑みを口元に浮かべながら俺を迎え入れる。だが、ネギや神楽坂はどこか不満そうに俺を見ているし、宮崎は視線が一瞬合った途端ネギの背中へと隠れる。綾瀬はそんな宮崎を心配そうに眺め、それ以外の面々は心配していた程のわだかまりはないようだった。
……あ、小太郎もいた。古菲となにやら戦いについて語り合っているらしく、部屋に入ってきた俺には気が付いていないらしい。
「アクセルさん、これをどうぞ。丸3日も寝ていたのでお腹が空いていると思い、用意しておきました」
こちらに気が付いた茶々丸が大量のサンドイッチが盛られた巨大な皿を俺の前に置く。
「悪いな」
「いえ、ご無事でなによりでした。マスターも1時間に1回はアクセルさんの様子を見に……」
「おぉいっ、茶々丸!?」
そんないつものやり取りを苦笑して眺めながらサンドイッチを口へと運ぶ。
「で、結局何が原因でああなったんだ?」
俺のその質問に答えたのは、意外な事に隣に座っていた千鶴だった。
「エヴァンジェリンさんの別荘から戻って、寮に帰ったら夏美ちゃんが犬を拾ってきて介抱していたのよ。それをあやかと一緒に手伝っていたらいつの間にかその犬が小太郎君に変身して……取りあえず手当をしてお腹を減らしていたみたいだったからご飯を食べさせてたの。そうしたらあのヘルマンとかいう人が部屋にやってきて……」
「……その割には小太郎は捕まっていなかったようだが?」
「別に逃げた訳やないっ! ただ、途中でネギが部屋に来て、そんであのおっさんが一端退いたんや」
微妙に俺を見る目に恐怖が宿ってるようにも感じられるが、それでもきっぱりと言い切る小太郎。なるほど、以前に比べて成長はしてるようだな。
「じゃあ裸で捕まっていたグループは?」
その質問に答えたのは美砂だった。
「エヴァちゃんの家から帰って、大浴場に行ったらあのスライム達に襲われて一網打尽って感じね。最初は私と円は狙われてなかったんだけど、朝倉達を庇おうとしたら纏めて……」
「なるほど。つまりは敵の狙いはネギだった訳か」
「それと、アスナの魔法無効化の調査がどうこうっても言ってたわね」
「大体分かった」
言葉は悪いが、ネギの巻き添えと言った所か。……まぁ、円と美砂に関しては自分から巻き込まれていったような形だが。俺が頷いたのを見たエヴァが口を開く。
「それで、次はこっちの質問だ。あの時の苦しみようは何だったんだ? てっきり闇の魔法が暴走したのかと思ったが、それも違うようだったしな」
「詳しくは分からないが、恐らくはあのヘルマンとかいうのを吸収した影響だろうな」
「……そう言えばリョウメンスクナノカミの時も同じように苦しんでいたが、その吸収というのは苦痛を伴うものなのか? お前の記憶の中ではそうでもなかったような感じだが」
「今回と前回が偶々、といった感じだな」
「吸収? それってあいつをどうにかした奴なん?」
「まぁ、そんな所だ」
小太郎の呟きが聞こえたから質問に答えてやったのに、何故かビクゥッとする小太郎。……修学旅行の時の薬が効きすぎたか?
そんな風に思っていると、神楽坂がテーブルをバシンと叩いて強い視線を向けてくる。
「それよりも! ちょっとあれはやりすぎだったんじゃないの? 何も殺さなくてもよかったと思うんだけど」
「そうだよ。僕もアスナさんと同じようにアクセル君のやり方は間違っていると思う」
「今までにも何度か言ったと思うが、俺は別に平和主義者という訳じゃない。敵意を持ってこっちと敵対した相手に寛容になれる程の甘さを持ってる訳でもないし、な。それは俺の記憶を体験したお前等も分かっているだろう?」
「それは! でも、別にあのヘルマンって悪魔の人だって殺さなくても良かったのに……」
「……あのヘルマンが正体を現した途端暴走したネギからそういう言葉が出るとは思わなかったな」
「っ!?」
思わぬ指摘だったのか、息を詰まらせるネギ。
その様子を見ながら思わず溜息を吐く。
「そもそも、だ。俺に奴等を殺させたくなかったと言うんなら、俺が到着する前にあの騒動を収拾させていれば良かったんじゃないのか?」
……まぁ、あの時は自分でも不思議な程に激高していたからそれはそれでどうなったか分からないがな。
「そ、それは……」
「ちょっと待てや! 確かにあの時は俺とネギが押されてたのは事実や。けど、それでもまだ勝負の途中やった所に乱入してきたのはあんたやで」
「まぁ、それは認めよう。だがそれも含めて俺が乱入するまでに……」
「ええい、もういい。どっちもやめろ」
俺の言葉を遮ったのはエヴァだった。
「このままではどこまで行っても平行線だ。ぼーや達とアクセルは立っている位置そのものが違うのだからな。ぼーや達も、アクセルが言うように自分の意志を貫きたいのならその力を示せ。口だけでピーチクパーチク囀ったところで力無き弱者にいざという時の決定権はない。アクセルにしてもだ。今回の件に関して私は問題無いと思っているが、じじぃや高畑、そしてそれ以外の者達はどう思うか考えた上での行動だったか? それにお前はさっさと始末してしまったが、あの悪魔から情報を手に入れるという手段もあっただろう?」
確かに、頭に血が昇っていて関東魔法協会について考えていなかったのは事実だろう。だが、それにしたっていざとなったら俺は最終手段として麻帆良を出るという手段もあるのだ。俺はエヴァと違ってこの麻帆良に封じられている訳でも無いのだから。……ただ、確かにヘルマンからもっと情報を引き出せたかも知れないというのは事実だな。俺の未熟さが露呈した形だ。
そんな風に考えていると、エヴァの言葉を聞いていた神楽坂が口を開く。
「ちょっと、エヴァちゃんはどっちの味方なのよ!」
「別に私はどっちの味方という訳でもないさ。ぼーやの言にも一理あるとは思っているし、アクセルに関しても同様だ。……ただまぁ、どちらの意見に近いかと言えばやはりアクセル側だろうがな」
「っ!?」
その言葉を聞いた神楽坂がテーブルをガッと叩いて部屋を出て行く。
「アスナ、待ってや!」
「このちゃん」
その後を追う近衛と桜咲。
「アスナさん! ……確かにアクセル君やマスターの言う事は正しいのかも知れません。ですが、僕はそれに納得は出来ません!」
「ネギせんせー」
「のどか、待つですよ」
ネギが部屋を飛び出て、その後を宮崎と綾瀬が追っていく。
「……理解は出来るが納得は出来ない、か」
ネギの言葉を聞き、思わずポツリと呟くのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
異形化
撃墜数:380
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