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ヘタリア大帝国

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TURN81 内戦介入その十

「そんなに金はかけない」
「軍人たるもの贅沢は禁物ですので」
「平良中将は相変わらず厳しいな、その辺りは」
「軍人とは何か」
 平良が常に考えていることだ。
「やはり質実剛健であるべきです」
「そうですね、平良中将の仰る通りです」
 福原もにこやかに平良の言葉に頷く。
「軍人はやはり」
「俺は特に贅沢に興味はないがな」
 東郷は漁色家だがそちらへの興味は実際にない。
「だから特にな」
「やはり軍人は」
 平良はさらに言う。
「質素倹約であるべきですね」
「よく言われることだな」
「奢侈は人を堕落させます、怠惰もです」
「今のシャスタもか」
「本音を申し上げますと」
 平良は周囲を目で見回してから東郷に言った。
「私は賛成できません」
「そうか」
「昼は寝ずに働くべきです」 
 実に平良らしい言葉だった、見事なまでに。
「私はそう考えます」
「しかしここは伊勢志摩で日本ではないからな」
「シェスタもですね」
「ああ、当然のことだ」
 彼等の生活の中ではというjのだ。
「そのことはわかっておいておくれ」
「個人的にはどう思っていてもですね」
「他国の風俗習慣を理解して受け入れることも必要だ」 
 それが出来る度量や識見を備えるべきというのだ。
「そのことも覚えておいてくれ」
「だから今もですね」
「時間を潰してくれ、四時までな」
「わかりました、それでは」
「今は」
 福原も頷く、二人はそれぞれの本を取り出して読書をはじめた。見れば日本も同じ様に本を読んでいる。
 それぞれの時を凄し四時になった、そしてだった。
 一同は壁の時計と扉を見た、だが。
 スペイン達は来なかった、五分経ったがそれでもだった。
 扉は開かない、早速平良が憮然とした顔で言い出した。
「けしからんですな」
「はい、全くです」
 福原も平良に続く。
「四時と言ったら四時に来なければならないというのに」
「五分前行動です」
 平良は海軍の伝統も出した。
「それが出来ないとは」
「伊勢志摩はたるんでいます」
「全くだ」
 山下も二人に続いて言う。
「シェスタもいいがこれでは困る」
「その通りです、こうなれば」
「うむ平良中将、国王陛下達を起こしに行くとしよう」
「せめて誰か読んで来てもらいましょう」
「是非共」 
 時間に五月蝿い二人はこう言いだす、だが。
 席を立とうとする二人と福原を止める者がいた、それは宇垣だった。
 宇垣は厳しいながらも丁寧な口調で彼等に言った。
「ここは待ってくれ」
「ですが外相、外交において時間は絶対です」
「四時と言えば四時です」
 山下と平良は強い口調で宇垣に言う。
「それで来られないというのは」
「流石に注意すべきです」
「四時まで寝ていてすぐに来られるものではないだろう」
 これが宇垣の言い分だった。 
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