ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
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一部:超絶美少女幼年期
二十六話:妖精の村を探索します
小さな木のお家も散々探索して回り、例によって家主さんの許可をちゃんと得て!
家主さんの、ご厚意で!
アイテムも漏れなく、ゲットします。
「ドーラ……あなたって……」
「ちゃんと、ききましたよ?」
「そうだけど……」
さすがに現役幼女のビアンカちゃんほど、簡単に誤魔化されてくれそうにありませんね!
「フルートをとりかえすって、かんたんじゃ、ないと、おもうんですよ?」
彼らのために、働いてくるんだから。
この程度、ご協力いただくくらい、いいじゃない?
しかも強制でなく、進んであげたくなるような状況を、ちゃんと演出してるんだからさ!
「……わかったわよ。そうよね、仕方ないわよね……」
うーむ、これは。
どういう理解をしたのか気になるところだが、どんな方向でもたぶん間違いでは無いし、それなりに納得してくれたなら、まあいいか!
「なんと!それは、地獄の殺し屋、キラーパンサーではないか!」
「え?そうなんですか?」
「ええっ!?そうなの!?……も、もちろん、知ってたわよ!?」
この寒いのにお外でスライムと語らってるじいさんに、話しかけた結果。
その誤魔化し方は、無理です、ベラさん。
「モモは、とってもいいこなんですよ?ほら、モモ!おて!」
「ニャッ!」
私の急なフリにも、キリッと対応するモモ。
驚愕に目を見開く、じいさん。
「なんと……!まだ小さいとは言え、人に懐くだけでなく、芸までするとは……!信じられんわい……!」
目の前で見たものを信じられないなんて、困ったじいさんだね!
追い出そうとするとかじゃ無いから、まあいいけど。
じいさんの隣のスライムくんが、のんびり口を開きます。
「ポワン様は、とってもいい人だからね!ぼくみたいなスライムを置いてくれるだけじゃなく、キラーパンサーもいるなんて!すごいね!」
野生の本能で怯えるとか、無いんだろうか。
肝が据わってるのか、野生が遠退き過ぎてるのか。
「ポワン様も、考えが甘いのよ。妖精も人間も、怪物ですら、みんなで仲良く暮らそうだなんて……。だから、フルートを盗まれたりするんだわ!」
その辺の妖精に、話しかけた結果。
……ムカッ。
なんて高飛車な妖精だ!
大人的思考で冷静に考えれば前半は一理あると思えなくも無いが、それとフルートの件は別の話だろう!
不満があるからって、関係無いことまでそのせいにして非難するようなやり方は、良くないです!
それに私とモモとポワン様をまとめてディスられては、黙ってるわけにはいきませんよ!!
汚れた心とは裏腹なキレイな瞳で、真っ直ぐに高飛車妖精を見据え、悲しそうに問いかけます。
「おねえさんは、にんげんが……わたしが、きらい、なんですか……?」
美幼女の(見た目は)純粋な瞳で見据えられ、動揺する高飛車妖精。
「うっ……!き、嫌いとか、そういうことでは、無くてね?」
怯んでる、怯んでる。
こういう輩は自分が言ってることが必ずしも正しくないって、実は自覚してるからね?
その上で、自分の立場をゴリ押してくるからね!
正論で立ち向かおうとしても、あんま意味無いんですよ!
だからこそ、屁理屈で押し切れない、罪悪感や正義感といった部分に訴えかけてくる、子供の真っ直ぐな視線には弱い筈……!
「きらいじゃ、ないんですか?」
上目遣いで、僅かな期待を滲ませて、でもまだ悲しみを湛えた瞳で、問いかけるドーラちゃん。
否定されたら、泣いちゃうかも、しれないよね?
「……まあ、うん、そうね!嫌いでは、無いわね!」
なんか、ツンデレっぽくなってきました。
「ほんとうですか!?」
悲しみに満ちていた瞳を一転、喜びに輝かせて、迫るドーラちゃん。
「そ、そこまで、喜ぶような、こと!?」
動揺してます。
キョドってます。
若干、顔が赤いです。
「はい!うれしいです!わたし、がんばって、フルートをとりかえしてきますね!いきましょう、ベラさん!」
別に高飛車妖精に謝罪や肯定の言葉を言わせることが目的では無いので、この辺にして出発することにします。
他も大体、話は聞き終わったしね!
私に手を引っ張られてついてきていたベラが、微妙な顔をしてます。
「ドーラ……あなたって……。……ううん、ポワン様のためよね!ありがとう、ドーラ!」
お、気付いてましたか。
ホント、勘はいいんですよね!
割と上手くやっていけそうな気がしますね、ベラとは!
「それじゃあ、いよいよ!しゅっぱつですね!」
「ええ!北の、氷の館に行きましょう!」
え、そっち?
「こおりのやかたは、カギがかかってるって、ききましたよ?」
「えっ?……そうだったわね!それじゃ、えーと、えーと……、どうするんだっけ?」
意地を張らずに聞いてくるとは、いい判断ですね!
変に子供ぶらなくて良かったわ!
「にしの、ドワーフのどうくつに、いきましょう!とうぞくのカギのぎほうを、おしえてもらえるかも、しれません!」
「そっか!それなら、カギも開けられるわね!よーし、行きましょう!」
先に立って歩き出そうとするベラを、呼び止めます。
「ベラさん。そっちは、ひがしです」
「え?そうだっけ?」
あんな田舎に助けを求めに来るなんておかしいと思ったが、もしや方向オンチ?
東には特に何も無くてすぐ海だか湖だかだったから、かなりの重症?
「……あ!そうよね!こっちには、何も無いもんね!」
ただの天然か!
どっちにしても、先に行かせると危険だね!
「ようせいさんは、ちからは、つよくないんですよね?わたしがさきにいきますから、ついてきてください!」
「そうね!わかったわ!」
土地勘を差し引いても不安で任せられないって、相当だね!
「モモは、ベラさんのうしろから、きてくださいね?」
「ニャー!」
モモに見張っておいてもらえば、はぐれることも無いだろう!
この辺は、モモのほうが信用できる!
確実に!!
またベラがなんか言いたげだが、そこ突っ込んできたら完全にやり込めますよ?
返り討ちですよ??
……あ、目、逸らした。
「それじゃあ、こんどこそ!にしに、いきましょう!」
「おー!」
「ニャー!」
うん、なかなかノリのいいパーティーだね!
ベラの天然に気を付けさえすれば、楽しい旅になりそうです!!
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