魔法少女リリカルなのは 壊れた人形現無し
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01 そんな出会い
前書き
暑いぃ゛~……
暑さのせいで集中が途切れてなかなか書けん
言い訳乙っと。
体調にはお気をつけて
地球 ―海鳴市―
視界がぼんやりとしている。
私は確か母との……――
「……っ!?」
そうだ。思い出した。
私は母の手によって転移した。
もう帰る場所はない。これからはここで生きていかなくちゃいけないんだ。
だけど目的はある。
母は私に言った。
『近い未来。貴女の予知夢が正しければ、貴女にとって妹となる子がそっちへ来るわ。そうしたら、私もあの計画を実行する。もし、貴女の前で妹が困っていたらちゃんと助けてあげるのよ』
妹。
私に似た子なのだろうか……?
いや、私は人形。元となったモデルがいる。
もし、妹も同じだとしたら……
「ん……」
妹を【 人形 】と呼ぶのはよそう。
自覚のあるあしも関係する。
私はいつか未来。母から人形呼ばわりされる事を知っている。
夢で見たからだ。
その夢が本当になるかは分からないけど、たぶん現実となるだろう。
勘だけど。
思考に頭を悩ませている刹那、冷たい風が肌に吹き付けた。
よくよく考えれば、私は薄い布切れを羽織っているだけ。
それも薄汚れていて痛んでいる。
髪や肌も汚いままだから気にはならない。
しかし、いくら自分が人形だと言えど人間と大差ない感覚があるのだ。
その中には勿論冷たいと思う感覚が存在し、私は現に寒いと思っているのだ。
辺りを見回してみれば人気のない公園――と呼ばれるものであろう。
あの部屋から出た事などほとんどないし家の外に出た事なんて1度もない私が、外の知識を手に入れるには本しかなかった。
幸い、家には母がたくさんの本を持っており私に読ませてくれた為外部の情報は多少の知識がある。
と言っても、本で覚えた知識と実物を見るのは全く違う。
私の目の前には興味をそそられるものがたくさんあるのだ。
キョロキョロと辺りを見回し、ペタペタと実物を触る。
砂の感覚。木々の匂い。風の音。
全てが新鮮に感じると同時に、今後の衣食住について悩まされる。
1週刊は何も食べずとも平気だろう。この公園には水の出るところがあったし。
問題はその後だ。
働きたくても書籍もない。年齢も体格も足りない。
「んぅ~……?」
ホント、どうしたものか?
―◆◇◆―
私、高町なのはは悩んでいる。
家には居にくいのでいつもの公園へと向かった。
いつもはあんまし人がいない公園。
今日もいつもと変わらない風景――
「……っ!?」
の中に知らない子。
お世辞にも綺麗とは言えない格好の少女。
長い髪は薄汚れ服装も酷い。
そんな少女は驚いたような横顔をして俯いてしまった。
いつもとは違う光景に自然と目がいった。
家の事なんか忘れて彼女を眼で追っていた。
時間の流れを忘れさせてくれるような不思議な気分だった。
少女の動きや表情はとても面白い。
近くの木をまじまじと見て、そぉ~っと触る。
だんだんペタペタと普通に触るようになり、くんくんと匂いを嗅いだ。
その瞳をキラキラと輝かせ、砂やベンチを興味深く観察していた。
まるで何も知らない赤ん坊のような無邪気な瞳だった。
そんな少女が水飲み場を観察している姿は可愛らしかった。
蛇口を両手で捻ったため、勢いよく飛び出した水。
少女はびっくりした様子で後ずさりした。そして、そぉ~と蛇口を逆に回し水を止めた。
ほっとした顔は次第に笑みを浮かべまた次のものへと足を動かしていた。
穏やかな時間が過ぎゆく中、途端に少女が困惑を顔にした。
「んぅ~……?」
可笑しな唸り声を上げて悩む少女。
さっきまでの笑顔が消え、私も自然とドキドキしてきた。
キョロキョロと辺りを見渡す少女。
ジーっと少女を見つめる私。
そして――
「「……?」」
眼が、合った。
少女はテッテッテと小走りで走ってこっちへ来る。
ニコっと笑みを浮かべ、私の前で頭を下げた。
……ん?
頭を下げた?
なんで?
「私を働かして下さい!!」
……なんで?
―◆◇◆―
目の前の少女は困惑している。
なぜだ?
私に働ける場所を教えてるように頼んだはずなんだけど……。
やはりこの年齢や体格ではまだ働けないのか。
じゃあ、私はここで死ぬのか?
それは駄目。絶対に駄目。
でもそれじゃあ
「ううぅ……」
「あっ、泣かないで欲しいの!」
「え……?」
「と、取り合えず落ち着いて話し合えば! えっと~えっと~……」
なんだこの少女は……
泣いてもいないのに慰めて、話し合おうと言ったのにそのから先がなくて……
忙しい子なのか?
いや、この世界ではこれが普通なのか?
母。私は上手くやっていけるか心配で仕方ないです。
「「あ、あの……」」
……。
気まずい。
もう何なんだよ……
「え、えっと……私、高町なのはって言うの」
そう言って少女高町なのはは手を差し出してきた。
少女の小さく白いてが私に向いている。
その小さい手のひらに、それよりも小さい私の手を重ねた。
「シア・テスタロッサ。宜しく」
「う、うん!!」
手を握り返したのが嬉しかったのか、なのはは花が咲くような綺麗な笑顔を見せた。
私とは違う、人間味のある表情を。
これが、私となのはのそんな出会い。
後書き
主人公ちゃんは人形である事に何かしらの執着がある模様。
そして、テスタロッサ。母と妹はもうお分かりですな。
次回は主人公がせかせかと働きます(嘘)
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