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ソードアート・オンライン~冥界を司る女神と平和の創り手~

作者:ほにゃ~
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第6.5話 バイト 詩乃SIDE

目覚ましの音に気付き布団から出る。

時刻は7時ジャスト。

顔を洗い、髪を整え、服を着替える。

姿見で自分の恰好におかしい所がないかを確認し、テーブルの上に置いてある二つの鍵を手に取る。

一つは自分の家の鍵。

もう一つは秋人の部屋の合鍵。

合鍵を渡し会うなんて恋人同士みたいだなっと思うがすぐにその考えを捨て我に返る。

………また、頬が熱くなるのを感じる。

姿見でもう一度自分の姿を確認するとこれでもかっと言うぐらいに真っ赤になってる。

恥ずかしい。

顔の火照りが引くのを少し待ってから部屋を出る。

そして、隣の秋人の部屋に向かいドアの鍵を開ける。

秋人はまだ眠ってるみたいだ。

持ってきた食パンをトースターにセットし、フライパンを火にかける。

卵を二つ取り、殻を割ってフライパンに落とす。

落としたらすぐにかきまぜスクランブルエッグの完成。

次にソーセージを4本焼きスクランブルエッグと共に皿に移す。

それと適当にプチトマトなどを乗せとく。

それと同時にパンが焼け皿に移しテーブルに並べる。

あらかじめ沸かしといたお湯で、インスタントコーヒーを淹れて朝食の完成。

後は、秋人を起こすだけ

秋人が寝ているであろう部屋に移動し、秋人を起こす。

「秋人、朝よ。起きなさい」

肩を掴み優しく揺すると秋人はゆっくりとした動作で布団から起き上がる。

あ、寝癖………

「おはよう、詩乃」

「おはよう、朝御飯できてるわよ」

「サンキュー、早速食うか」

「その前に顔を洗いなさい。後、寝癖も付いてるわよ。服も着替えなさい」

そう言うと秋人は面倒くさいように洗面所に向かう。

秋人が戻るのを椅子に座りながら待っていると一つのことが思い浮かんだ。

………恋人って言うより私、母親みたいね。

軽くため息を吐き秋人が戻るのを待つ。

暫くすると秋人が戻り、朝御飯を一緒に摂る。

そう言えば秋人もアミュスフィア持ってたわね。

アミュスフィアっていくらぐらいするのかしら?

「ねぇ、秋人はアミュスフィアを持ってるわよね?」

「ん?持ってるけど?」

「あれっていくらぐらいする?」

「ん~と、確か、3万5000だったかな?」

「さ、3万5000………」

予想よりも高くてびっくりした。

「ソフトも安いので5000円はするから、ソフトも買うとなると4万と少しはいるな」

「そ、そんなにするんだ……」

仕送りを切り詰めても購入には多分2,3年は掛かる気がする。

「詩乃、もしかして、GGOするつもりなのか」

やっぱり、ばれた。

感のいい秋人のことだがら、多分すぐにばれるとは思っていたけど………

「…………ええ。昨日、図書館の閲覧室で新川君にあったのよ。その時、私、『世界の銃器』っていうタイトルのグラフ誌読んでて、ちょっと勘違いされたのよ。その時、GGOをやらないかって誘われてね」

「でも、いいのか?だってあの世界にはあの銃もあるぞ?」

「だからよ。GGOに行ってあの銃を持った敵とあってもし、そいつに勝てたら私はあの事件を受け入れることが出来そうなの」

それに、今は秋人が傍にいてくれてる。

だからこそ、私はGGOに行ける。

そう思った。

私の話を聞いて秋人は数秒黙ると口を開いた。

「………分かった。詩乃がそう思うなら俺は止めたりしない」

「ありがと。」

そう言えば、あの銃があることを知っているみたいだけど秋人もGGOやってるのかしら?

「ところで、秋人もGGOやってるの」

「ああ、やってる」

やっぱり。

なら、ソフトの値段も知ってるかな?

「GGOのソフトはいくらぐらいするの?」

「あれは、6800円だった」

「そう、どうしよう」

ソフトだけでも十分に高い。

「足りないのか?」

「ええ、圧倒的にね」

無理を承知でお祖父ちゃんに頼もうかしら?

いや、あの人のことだがら顔を真っ赤にして怒るだろう。

本当にどうしよう?

「なら、バイトしてみたらどうだ?」

バイトか………

欲しい本があって一度やってみたけど遠藤達のせいで1ヶ月も持たなかったわね。

「してたわよ。でも、遠藤たちが………ね」

「なるほど」

その話を聞くと秋人は少し考えると何かを思いついたらしくそれを提案してきた。

「詩乃、なら、俺のバイト先でバイトしてみるか?」

「え?」

「御徒町にある喫茶店なんだけど従業員が店主とその奥さんと俺しかいないんだよ。詩乃さえよければどうだ?」

「それは、こちらとしても嬉しいけど、多分、また遠藤達に」

そう、多分、いや、絶対にアイツらのことだから、また何かしらやってくるはずだ。

そのせいで秋人まで巻き込むのは………

「その心配はない。安心しろ。保障する」

「………分かったわ。行くだけ行くわ」

「よし、なら今日の16時からバイトあるから、その時行くぞ」

「分かった」












「ここがその喫茶店?」

着いた喫茶店は《ダイシー・カフェ》と雰囲気のいいお店だった。

「ああ、言っとくけど店主、結構凄い顔だぜ」

「いくらなんでも失礼よ」

「なら、開けてみな」

にやにやしながら秋人は扉を開けるのを進めてくるので扉を開ける。

「いらっしゃい」

笑顔で声を掛けてきたのは2mはあるであろう身長に色黒の肌にスキンヘッドまるでヤで始まる三文字の職業をしているような人がいた。

どうみても日本人じゃない。

私は、数秒固まった後、無言で扉を閉めた。

「秋人。店、間違ってないわよね?」

「ああ、間違ってない」

「何、アレ?」

「結構失礼だぞ?」

言われて気がついた。

私も結構失礼なことを言ってしまった。

秋人が扉を開けて中に入っていったのでその後ろに付いて店の中に入る。


「こんにちは」

「おお、秋人、来たな。ん?後ろの嬢ちゃんはさっきの………」

「今朝、連絡した子ですよ。詩乃、この人はこの喫茶店《ダイシー・カフェ》の店主のアンドリュー・ギルバート・ミルズさんだ」

「初めまして、嬢ちゃん。アンドリュー・ギルバート・ミルズだ。まぁ、本名より、エギルって呼んでくれ」

「朝田詩乃です。初めまして」

予想に反してエギルさんはとても優しい人だった。

「それで、詩乃のバイトの件ですけど」

「ああ、いいぜ。こっちとしても人手が増えるのは嬉しい限りだ」

「あ、ありがとうございます」

雇ってもらえるとは思っていなかったので雇ってもらえると分かり嬉しかった。

「うちは月給制だ。初任給は5万で、その後は働きによって変わる。基本は調理、接客、清掃といった感じだ。分からないとこはあるか?」

「はい、大丈夫です」

「なら、早速だが、今日からやってもらうがいいか?」

「わかりました」

「なら、奥の更衣室で着替えてきてくれ。制服はロッカーにある」

「はい」









更衣室に着いたのはいいけど、どのロッカーに制服が入ってるのか分からない。

一度聞きに戻ろう。

そう思い足を秋人の所に向けようとすると後ろに誰かいた。

「わっ!?」

「あれ?驚かしちゃった?ごめんね?」

そこには身長が私より10㎝程高い黒い長髪の女性がいた。

「私は朱美、《ダイシー・カフェ》の店主エギルの奥さんよ」

「あ、どうも、初めまして。朝田詩乃です」

「じゃあ、貴女が新しいバイトの娘ね?それより、どうしたの?こんなところで?」

「実は今日から働くことになりまして、それで制服に着かえるように言われたんですけどどのロッカーにあるか分からなくて」

「そう言うこと。なら、大丈夫よ。確か…………はい、これが、制服よ」

「ありがとうございます」

渡された制服を抱え更衣室の奥で着替えることにした。














「きゃー!可愛いわ!」

着替えてる最中に気付くべきだった。

この制服恥ずかしすぎる。

黒い制服の上からフリルの付いた可愛らしいエプロンを着用し、スカートは膝上10㎝で白いニーソックス。

どこのマニア受けする恰好よ!

「よし!早く、2人に見せに行こう!」

「え!ちょ、ちょっと待ってください!」

「早く早く!」

朱美さんは意外と力が強く抵抗できなかった。

「あなたー!ちょっといい!?この子凄い可愛いわよ!」

「ちょ、ちょっと待ってください!心の準備が!」

「いい加減に観念しなさい!」

朱美さん飯後ろから突き飛ばされ恥ずかしい恰好のまま秋人の前に出てしまった。

「詩乃、どうし……た……」

「秋人!?み、見ないで!」

思わず短いスカートの丈を何とかしようと引っ張るが意味がない。

ああ、恥ずかしい。

死にたい…………

「おお、似合ってるじゃないか」

「でしょでしょ!ほら、秋人君も何か言いなさい!」

「えっと………詩乃」

「う~~~、何よ?」

恥ずかしさから涙が出てきた。

もう帰りたい。

こんな、恥ずかしい恰好を秋人に見せるなってもう嫌!

「その、えっと、よく似合ってるぞ」

秋人の言葉に思わず耳を疑った。

「…………ホント?」

「ああ、詩乃によく似合ってて、その………可愛い」

い、今なんて言った!?

「か、可愛い!?」

私が!

有り得ない、有り得ない。

これは、きっと夢よ!夢!夢に違いない!

そう思いたい。

けど、これは現実だ。

「…………う、あう~」

恥ずかしくなり顔を下に俯く。

秋人の顔を直視できない。

「いや~、若いってのはいいな」

「ホントよね~」

エギルさんと朱美さんの声が聞こえる。

人の気も知らないで…………
 
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