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IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!

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死神の笑い声

一夏はGTロボを片付けるとアリーナから出た。まだその顔は普段とは違い、鋭く戦意が削がれていなかった。まだ戦いは終えていないとでも言いたいようだった。一夏はその殺気にも似た雰囲気を醸し出しながら放送室にへと向かう。

「離せ!何なのだお前は!!」
「先程から言っているでしょう、IGONEOの職員。アリト・ブロンデー、一夏様のご命令で貴方の行動を制限させていただいておりますと」
「嘘をつくな!一夏は私に危害を加えるような指示などするh「お前は俺を美化しすぎだな篠ノ之」い、一夏!!?」

放送室に入った一夏を待っていたのはアリトに組み伏せられた箒の姿だった。どうやら箒が勝手に暴れたらしく周囲に物が散乱している。アリトはそれを少々強引に組み伏せたようだ。一夏は組み伏せられている箒に近づく。

「貴様、何のつもりだ」
「え」

箒が一夏から言われた言葉は予想外のものだった。もう危ないからするなとか、心配したとかそのような甘い言葉でも期待していたのだろう。が、一夏はそんな言葉など掛けない。かける必要がない、大切な友人でもなければ自分のなすことに殆ど口を挟んで邪魔をしてくるストーカー。自分の意見が全て通っているかのような暴論、その全てが一夏は気に食わなかった。

「あのような事をして何のつもりなのだと聞いているのだ。俺の戦闘の邪魔をするつもりか糞餓鬼」
「(どうやら本気でお怒りのようですね一夏様)一夏様、私めはどのようにしたら宜しいでしょうか?」
「い、一夏何を言うんだ!?それとこいつはいきなり私を組み伏せてきたんだぞ!?」
「ああ、この後IGOの日本支部に向かうつもりだ。それに付き添ってもらうが構わないな」
「承知致しました」

箒は唖然とした。自分が知っている一夏ならば、自分に暴力を振った女を何を言わずに放置するなど無いからだ。それが単なる自分の中の勝手な空虚な事とも知らずに、一夏は既に大人だ、子供ではない。物事を客観的に、第三者の視点で考える事もする。どう考えても箒のほうが悪い。

「貴様は自分が間違っていないとでも思っているのか?」
「わ、私の行動が何が悪いというのだ!?私が出来る事をやったまでだ!!それの何がわr「38人だ」え?」
「38人だと言ったんだ、お前の勝手な行動で危険に晒したまだ避難が完了していない生徒の人数だ」

そう、一夏が戦っている最中も観客席にいた生徒の避難は完了していなかった。一夏は他のGTロボやジュラングが他の生徒に手を出さないようにワザと大きく威嚇して自分とアリトに注意を引き付ける事で避難する生徒の危険になる可能性を下げていたのだ。が箒の行動はそれを妨害した行為だった。あのような行為は敵の注意が其方に向いてしまい、他のものにも注意がいくには十分すぎるものだ。下手したらジュラングが避難中の生徒を人質に取る可能性も否定出来ないのだ。

「そして下手したらお前も死んでいた。嫌お前が死ぬだけならいいだろう自業自得だ。最悪の場合、他の生徒にも被害が行っていただろう。そのような状況の場合お前は責任を取れるのか、それだけの力があるのか、それだけのコネがあるのか」
「ぐぅぅぅ・・・」

箒は唇を噛み締めながら握った拳を震わせる。一夏の言葉は正論だ、その代わりようのない事実が箒に突き刺さり、苛立ちが生まれ始める。

「これだから自分勝手で可笑しな事しか考えていない餓鬼は・・・嫌いなのだ。アリト、この後危険になった生徒達に謝りに行く。せめての侘びをしなくては俺の気が済まない。自己満足だが、俺の責任でもある」
「・・・了解致しました。(全く、妙なところが正義感強いんだから一夏様は。会長に似たのですかね)」
「・・・・・・納得いかない・・・」
「何?」
「何故私だけがここまで酷く言われなければいけないのだ!!不平等ではないか!!」

箒は全く反省していない口ぶりだった。その表情にも反省の色は全く見られない。その言葉が一夏の額に青筋を立たせるには十分すぎた。

「貴方は自分がした事が理解出来てないのですか」
「うるさいうるさいうるさい!!!私は一夏があの変な連中に苦戦しているから活を入れてやったんだ!!それの何が間違っているというんだ!?なにがいけないというのだ!!!それに被害も無かったからよかったではないか!!!」
「この小娘・・・!!」

アリトは珍しく怒りを露にし口調も荒れた。が次の瞬間に箒は胸倉をつかまれ持ち上がれられる。それの張本人は一夏だった。女子とはいえ高校生を容易く自分の頭の位置にまで持ち上げている。そこへ織斑先生と山田先生が入ってくる。

「い、一体何をやってるんですか!!?」
「手出しを無用ですよ先生方」

アリトが二人の教師の前に出て静止する

「どういう事なのだ」
「その口は直した方が宜しいかと、いえ、あの小娘が自分の行為は正しい事だと主張し続け、遂には逆切れして暴論を吐くので少々教育をするまでです」

「ふざけるのも互いにしろよこの糞小娘!!自分の愚かな行為が正しいだと!?自分だけならまだしも他人の命を危険に晒した行為が正しいだと!?被害が出なかったから良かっただろう!!?貴様の必要性の欠片も無い行動のせいで、被害を被った生徒達の命が危険に晒されたとまだ理解出来ないのか!!」

このとき一夏は本当に怒っていた。無闇に命を危険に晒すという行為。それは嘗て自分が命を身勝手に捨てようとしてる行為に似ている、その事から一夏はそのような行為に激しい怒りを感じるようになっている。

「ひっ・・・・・・」
「ふざけるなよ小娘、あの戦いの俺とアリトの行動の意味さえも解らないお前が!!」
「ぅぅぅぅ・・・・うううううううううう!!!元はといえばお前が苦戦していたからではないか!!私はそれを!!」
「きさまぁぁあああまだ言うかぁああ!!もう許さん貴様!!(トリコさん、技借ります)痛みの中で自分の罪を悔い改めろ!!」

一夏は右手で箒の胸倉を掴んだまま、左腕を大きく引いてそのまま振りぬいた。

「3連!釘パンチッ!!!」

一夏の一撃は箒の腹部に炸裂した。そして一夏はそのまま壁に押し付けた。

「がぁ・・・が・・・がぁぁああ!!?があぁぁああだぁぁああああ!!!!!!!!!!」

箒は段階的に訪れる強烈な衝撃で体中の骨が軋むのを感じながら、凄まじい痛みを感じた。その痛みで意識を手放しようになるが、一夏は箒の額に軽い一撃を入れたので気を失うことは許されなかった。

「ぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!」

一夏が手を離した事で床に落ちた箒は余りの痛みでのた打ち回る。まるで鈍器、嫌、電柱などといった巨大な武器で殴られたようなとんでもない衝撃が身体を貫く。

「だ、大丈夫ですか!!?」
「どういうつもりだ龍神!!」
「どういうつもり?それはこっちの台詞だ。この小娘をまさか無罪放免にするつもりではないだろうな、その場合は俺はこれではすまさんぞ。行くぞアリト」
「はい一夏様」

一夏はのた打ち回る箒を放置してアリトをメイドのように連れて放送室から出て行き、生徒達がまだ避難している食堂にむかう。そこでは多くの生徒がまだ不安そうに話し合っていた。中には涙目の生徒もいた。一夏が食堂に入ると女子生徒たちが一斉に駆け寄ってくる。皆、大丈夫か、怪我は無いかと聞いてくる。一夏は大丈夫だと答えて、この中に、避難中に女子生徒が勝手に放送をしたときにアリーナにいた生徒はいるかと聞くと、一夏の言葉通りに38人の女子生徒が手を上げて寄ってきた。

「そうか君達が・・・済まなかった」
「「「「「えええ!!?」」」」」

一夏は一寸の迷いも無く頭を大きく下げた。ほぼ直角に近い角度で頭を下げた。アリトも同じ様に頭を下げる。

女子達はいきなり頭を下げられて驚く、一夏たちが頭を自分達に下げる理由など一つも無いはずなのに。

「俺がもっとあいつらを殲滅していれば・・・。他の皆もそうだ、すまなかった・・・」
「私も申し訳御座いませんでした・・・。私がもっと素早く相手を斬り捨てていれば・・・」
「い、嫌々嫌々!!頭下げられるとこっちが困っちゃうんだけど!?っていうかこっちは寧ろ感謝したいぐらいだよ!?」
「そうだよ!私達が逃げられるまで戦っててくれたんでしょ!?それだけで十分すぎるよ!!」
「一夏君とその人が謝るなんて筋違いだよ!!」
「そ、それに私達全員怪我してないし気にしないで!ねっ!!?」

そう女子達に言われて一夏とアリトは頭を上げて、感謝の言葉を述べた。そして一夏は後日全員に料理をお詫びにご馳走すると約束して食堂から出て、IS学園を出てIGONEOの日本支部へと足を運んだ。その前に、鈴とあってしっかり謝罪してから、また正々堂々とリベンジマッチをしようという約束した。

この後、箒は反省室に入れられて3週間の停学と反省文20枚言いつけられた。そして箒が停学の間、箒が居ないことから、箒が一夏の言っていた女子生徒が箒だと判明し、学園内での箒の評判は地へと落ち、箒は避けられるようになった。

反省室内では私は悪くない、一夏が・・・一夏が・・・、私が元の一夏に・・・っと呟き続ける箒がいたが、それを知るものは誰もいない 
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