少年は魔人になるようです
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第58話 一回戦は順当と波乱なようです
Side ネギ
――ズズゥン!!
「ぐっ……!バリア・バースト!!」
ドォオオオオン!!
「ほぉ。随分思い切った事をしますね。」
戦闘が始まった瞬間に重力魔法が襲って来たけれど、風華・風障壁で防ぎ、魔力暴走を起こさせ爆破する。
多少のダメージを受けるけれど、後方に距離を離し完全に相殺出来る。
「フフ……流石ですね。『小さく重く黒い洞』。」
ゥオガッ!
「『戦闘の為の協奏曲』!"ラス・テル マ・スキル マギステル!
我が手に来たれ雷帝の槍我が敵を穿て冥薙の真!『迸る雷霆の腕』"!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアア!!
「おっと、武装魔法ですか。」
敵を内部に引き摺り込む重力を避け、近距離で攻撃しつつ詠唱を完成させる。長時間残る武装魔法、雷の槍。
当たるごとに、雷の矢10本程度の麻痺を与える事が出来る。
「それは少々厄介ですね。――呑み込め、『四黒』。」
ギュオン ギュオン ギュオン ギュオン
「この……!『我流 郷紅』!!」
ドドドドドドドドドドド!!
クウネルの傍に重力場が現れ、僕を吸い込む。それに気で作った針を投げつけ、破裂させる。
「今のは……重力場への魔力供給と供給路に異常を発生させて、力場を暴走させたのですか。」
「そうだとしたら、なんですか!?『我流 閃海』!!」
『子供先生、槍を振り回す!が、クウネル選手に当たらない!
以外と素早いぞクウネル!それにしてもふざけた名前だクウネル・サンダース!!』
雷槍を閃海の気で包み、学園長先生に習った槍術を使うけれど――
武闘術程鍛練していないから、当たらない!
「(少しでもリーチが欲しかったけれど、仕方ない!)『天掴む雷神の双手』!!」
ドガガッガガガガッガガガガガガッガ!!
「フフッ……思いの外、出来るようで安心しました。
では、これでラストにしましょう。――『押し潰す黒重』!」
「『我流 銀龍』!!!」
『おぉっとこれは!?子供先生の龍とクウネル選手の黒い玉が激突!
と言うか、そろそろやばいので私は退避します!』
上から落ちて来たステージ全てを覆うほどの重力塊を、龍で押し返す。けれど、徐々に押される・・・!
「"イーソ・リーソ・ヴォンヴァリーメ! 契約により我に従え虚空の剣彼の宙より来たれ漆黒の蔵
宇の深奥 此の熾より吞み込め!"『果て無く黒き球』!!」
「……アル、それは死ぬぞ。」
巨大な重力場の上に、更に黒い空間が現れる。光すら呑みこむブラックホール――
前に聞いた、千の雷や奈落の業火級の魔法か!
「呑み込まれる前に、壊せば……!!『我流 閃海』『郷紅』!!」
ギュオン ギュオン!
「フフッ、これは既に私の手を離れました。魔力が切れるまで発生し続ける、完全なブラックホール。
どう対処しますか?」
『閃海』での内部破壊も『郷紅』での暴走も効かない。
ついに重力場すら呑み込まれ、その代わりに『銀龍』がぶつかるけれど、一瞬で呑み込まれた・・・!?
「(どう対処するか、だって……?対処方法はあるのか。なら!)『銀龍』!『閃海』!
同技・混合――『龍閃大剣』!!」
ズッ―――――
「……これは、愁磨の技……!?我流同士とは言え、この歳で!」
「ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!」
――――ザン!
『乾 坤 一 擲 !!子供先生、ブラックホールをぶった切りました!!』
理論だけ出来てて、殆どぶっつけ本番で成功したのはいいけれど、これ以上は、戦えない・・・・。
大剣を支えに立って、空に浮くフードの男を睨む。
「フフッ、私の負けです。よく頑張りました。」
「え……。」
『おぉっとクウネル、ここで降参!!良く分からないが、
三回戦勝者は、ネギ・スプリングフィールド選手だーーーーー!!』
『また会いましょう』と言って、クウネルさんはどこかへ消えた。な、なんだったんだ?
父さんの友達とか言っていたけれど・・・。
『さぁ続いて参りましょう、第五回戦!!
犬っ子関西弁、犬上小太郎選手VSそれで隠してるのか忍者!長瀬楓選手!!』
「へー、姉ちゃん忍者なんか。刀子姉と似とるんか?」
「それは言えんでござるよ童。それと、拙者は忍者ではござらん。」
次は小太郎君と長瀬さんか・・・。強いらしいけれど・・・頑張って、小太郎君!
Side out
Side 愁磨
「ネギ坊主……あそこまでやれるなんテ。伊達にバグじみた英雄と王族の血を引いてはいないネ。」
「素材としちゃ、アレほど良質なモノはそうそう無い。人間は、の話だがな。
それよりも、次は俺達直々に教えた弟子の登場だ。」
ステージで対峙する小太郎と長瀬。
あの忍者娘、見た感じじゃ達人の域に片足突っ込んでるけど・・・。
『それでは!!レディィィィ……ファイッ!!』
「行くでござる!」(ブンッ
「ち―――!!」
長瀬は分身を三体作り出し、小太郎へ肉薄する。が、その程度じゃあウチの弟子は倒せんぞ。
「『八つ身分身 朧連刃』!!」
ザザザザザザザザン!!
「ぐあああああああああ!?」
『おぉっと長瀬選手八人に分身ーー!!犬上選手、これはーー!?』
「………思いっ切り直撃したネ?」
「………ああ、思いっ切り直撃したな。」
長瀬の分身・・・あの距離では、小太郎はいつ分身したか分からないだろう。
現に、反応も出来ずに短刀で八つに斬られる。
忍術か・・・。対抗策ついでに習得しておいて損は無いか。
「やり過ぎたでござるか……?」
「いやー、驚いたわ。いつ分身したか分からんかったわ。」
『おぉっと、犬上選手無傷ーーー!!長瀬選手もこれにはビックリだ!』
「(気配が全くなかったでござる……!そう言うのは拙者の領分でござるよ!)忍!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
「へっ、ちょろいで!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!
『長瀬選手、今度は16人に分身しての猛攻ーーー!!
しかし犬上選手、黒い狗と自身で迎撃!迎撃!!これは激しいーー!!
狗神を出す所でも無いだろうに・・・。分身に対抗しようとしたのか?強化も縛ってるし仕方ないが。
「やるじゃないカ、あのワンコ坊主。楓はそこそこ名の知れた使い手アルよ?」
「あれも中々の素材だからな。狗族と人間のハーフは気が普通の人間より多いし、
魔力の扱いにも長けている。」
「『我流犬上流 狗音双掌打』!!」
ガォン!
「『三十二身分身 護光陣』!!」
ガォン!!
小太郎の狗神を集めた双掌を三角錘の陣を四つ敷き防御するが、片手の一撃で三つが破られ、
ほぼ全力の一撃が長瀬に当たる。
「ガッ…………!!」
「まだまだ行くで!『翼族流派生 我流 狗音空牙十文字』!!」
――ザンッ!
『犬上選手の黒い何かによる 一 撃!!長瀬選手ダウゥゥーーーン!!
1! 2! 3! 4! 5!』
「やるで、ござるな……。ここまで、圧倒されるとは………思わなかったでござる。」
「無理せんとき。雑魚ぉなっとるとは言え仮にも師匠の技や。」
本来は魔法を固定させ、そのまま十字に斬り裂く技。
小太郎の場合は"狗音拳"系統の技の応用で、クロスレンジだけでなくショートレンジまで100%の威力を出せる。
『8! 9! 10!!犬上小太郎選手の勝利!!』
「次は……もっと修行を積んで、勝たせてもらうでござるよ。」
「へっ、抜かせ!次もワイの勝ちや。」
小太郎が長瀬に手を貸すと、会場から拍手が起こる。・・・まぁ、及第点かな。
『さぁ、次もまた可愛らしい対決だ!
恥ずかしがりな剣士様!お嬢様を守る剣、桜咲刹那選手対!
兄様以外には懐かんぞ!エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル選手!!』
「ちょ、なんですかその紹介は!?」
「ふざけているのか貴様!!カンペ用意した奴出て来い!!」
『フハハハハ、俺だ!二人とも頑張れー、応援してるぞ!!』
「兄様、ちょっと下りて来い!!」
なんだよ、ちょっとしたユーモア溢れる愛情表現じゃないか。
ジョークを解さんとは、我が妹ながら融通の利かない。
「チッ、これが終わったら覚悟しろよ!」
『じゃれ合いが終わった所で始めましょう!第六回戦、レディィィィィーーーーー!ファイト!!』
「――行きます!!」
ガッ!
「そんな見え見えの一撃が当たると思ったか!?『エクスキューショナーソード』!!」
ドゥッ!!
始まった瞬間、刹那はエヴァを真っ二つにするように斬り掛るが、
エヴァは容易く白羽取り(指二本でもそう言うのだろうか)し、執行者の剣で斬り返す。
「(相転移された物質による融解・気化熱の吸収、それによる広範囲擬似氷結……!
詠唱破棄でここまで威力が……!?)」
「そら、休んでいる暇は無いぞ!!"リク・ラク ラ・ラック ライラック"
『魔法の射手 連弾・闇の1001矢』!!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド――――――
『エヴァンジェリン選手の黒い矢の雨が桜咲選手に降り注ぐ!!
弾幕が濃すぎて、ここからでは見えないーー!!』
確かにほぼ見えないが、刹那は神鳴流の絶対対魔結界を敷いていた。あれならば守り切れるだろう。
「―――『神鳴流最終決戦奥義 雷 帝 剣』!!」
「クッ、そこまで使えるようになっていたか……!!」
ドガアアァアァァアアァァァアアァアアアアアアアアアアアアア!!!
『黒い矢が降り終わった瞬間、桜咲選手の雷の剣が 直 撃 !エヴァンジェリン選手無事――』
「まだ……!『神鳴流最終決戦奥義 炎帝剣』!!!」
ボアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
『おぉおっと、桜咲選手炎の剣で追撃ーーーー!!エヴァンジェリン選手無事か!?』
雷と炎の二撃によってステージがほぼ壊滅する。
神鳴流の最強奥義の二連続・・・普通なら余裕で死んでいるだろうが。
エヴァはその程度では死なないし死ねない。
「ハハッ、やるじゃないか刹那!楽しくなってきたぞ!!」
「こっちは既に本気なんですけれどね!『翼族流 光皇・闇皇・虚神・空神』!!!」
「バッ、刹那!」
「おぉう、ビックリしたネ。どうしたアルか。」
「あれは足りない技術を強化する為の強化魔法だ!しかも自分に合った技術属性のみ代償無しで使えるんだ!
無いモノを無理矢理使えるようにするんだ、併用すると暴走する!!」
「なっ、バカが!『翼族流 闇皇』!」
「こうでもしないと勝てないんです!!一・撃・神・速!」
―――ィン
速い!鍔鳴りの音すらほとんど聞こえなかった。正に神速・・・エヴァでは避けようが無い。
「カフッ……!」
ドサッ・・・
『エヴァンジェリン選手ダウゥゥゥウウウーーーーン!!って、これ死にますよ!?』
『かまわん、カウントを。』
――ドサッ
『おぉっと、桜咲選手もダウン……いえ、気絶しています!カウントを取ります!1! 2!』
過剰強化による一撃のみの超加速・・・いくら速くとも、ただの剣。
エヴァは傷の再生さえ済めば起き上がる。
「ったた……驚いたよ、刹那。一瞬とは言え、私達の領域に来たか。」
『5! 6!と、ここでエヴァンジェリン選手立ちあがった!!
桜咲選手は気絶しています!よって、エヴァンジェリン選手の勝利!!』
「……さて、俺は刹那と……一応エヴァの治療に行ってくる。」
「あなたも大変ダネ……。行ってらっしゃイ。」
ザッ
「と言う訳でさっさと帰るぞ、エヴァ。」
「あ、ちょっと。下ろせ兄様!!」
急ぎ刹那とエヴァを抱きかかえ、家まで戻って来る。・・・起きたら説教と追加修行だな。
Side out
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subSide 千雨
『ダウンした桜咲選手とエヴァンジェリン選手は、織原先生が治療にお持ち帰りしましたので、ご安心を!
なお、これより十分間、ステージの修復に時間を取ります。』
「やっべぇ、マジ半端ねえな今回!!」
「織原が技術部に多額の寄付して、すげー開発したらしいぜ!」
「流石織原だな。」
『ご安心を!』『流石だな』・・・
じゃねえええええええええええええええええええええええええええ!!
ふざけてんのか!?全員精神科行った方が良いんじゃねえのか!?
どう考えても有り得ねえだろ!だってあれ完全に魔法じゃねえか!ロープレもビックリなレベルだよ!
詠唱とかしてるし、あのガキ龍とか出してるし!?気付かねぇとか馬鹿なの?死ぬの?
『―――お待たせしました!それでは第七回戦!そのお御足に踏まれたい男は数知れず!
クールビューティ刀子様!しかし字と名字が既にP・D・織原!男全員の恨みをその身に受けろ、愁磨先生!!』
『司会、ちゃんとやるネ!!』
『ご、ごめーーん。』
アハハハハハハハハハハハハハハハハ!
ってあの意味不明教師、いつの間にかあの女教師も手篭めに!?
もう、おかしいのは私なんじゃねーかと思って来たよ・・・。
「いいや、お前はおかしくないさ長谷川。」
「なっ!?て、てめーは……。」
横に居たのは噂の中心であるウチの副担任、意味不明教師愁磨先生・・・の、ちっこいのだった。
な、なんだ?こいつは。
「俺のせいで、壊れるのは忍びないからな……。――真実を、知りたいか?」
Side out
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Side 小太郎
『改めまして!刀子・P・D・織原選手に対するは、静かなるスナイパー龍宮真名選手!
本日は執事服で登場だーーー!!』
「これで私も愁磨さんの手篭めにされてる、と言ったら……面白いかな?」
「やめておいた方がいいですね。それと………余裕を出していると、大怪我しますよ?」
愁磨はんが刹姉とエヴァの姐さん連れて家行った後、司会の姉ちゃんの一言で会場が騒いでおさまらん。
ワイは見とったからなんとも、やけど・・・・聞いとらんかったら、そら驚くわな。
『それでは参ります!第七回戦、レディィイイイイイファイ!!』
「「『翼族流 空神』!!」」
ドガアアアアアアア!!
刀子はんと真名はんが空中でぶつかり合う。
『空神』は空中戦特化の肉体強化技や。あの二人は通常やと虚空瞬動でしか空中で動けへんからな。
「はあっぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドン!!
「せっ!ふっ!やぁああああああ!!」
ギキキキキキキキキキキン!!
「「『翼族流奥義ノ壱』!」」
「『鳳凰』!!」
キュアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「『朱雀』!!」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!
ドッ ――――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
『空中で鳥が激突!!余波でステージが火の海ですが……二人は全く無視!!空中で戦っております!!』
翼族流・・・愁磨はんとノワールはんが使ことる技の事を皆がそう呼んで、いつの間にか定着した呼び方や。
奥義の壱言うて技名が違うんは、愁磨はんとノワールはんで違う技使ことるから、
どっちに教わったかで違うんや。・・・同じやとつまらんて理由で、奥義変えるてどうなんや。
「くっ、ドラキュリーナになってから、随分腕を上げたね!」
ガォン! ガォン! ガォン!!
「伊達で"翼"と"冠"と"織原"は貰ってません!!」
キンキキン! ドォン!!
『刀子選手、弾丸を斬る、斬る!!神鳴流に飛び道具は効かない!かつ反撃の手を緩めない!!
龍宮選手、これは厳しいか!?』
真名はんは拳銃からガトリングまで次々取り出して、弾切れんなった傍から使い捨てる。
『魔眼』使こても、人間状態やったら中りもせんか。
「これ以上は弾が無駄か……!!来い、アル!」
ッガォォォウ!!
「(『Ald-Uvoydo』の弾は斬れない……)『霧化』!」
サァ―――
真名はんがアルドなんちゃらとか言うでかい銃を王のなんちゃらとか言う空間から出して、ぶっぱなす。
けど、刀子はんは吸血鬼の能力の『霧化』で避ける。
「フゥ……ここで魔族化するのもバカらしいね。私の負けだ。」
――――ギュゥン
「……そうですか。次の戦いに力を残せます。」
『龍宮選手、ここで降参!!刀子選手の勝利です!!』
なんや真名はん、魔族化せんのかいな。ここで出すもんでもないけど、つまらんなぁ。
『さぁ、一次本戦も次がラストです!!その実力は全く未知数!
何故戦いの場に姿を現したのか!?難攻不落、源しずな選手!!
対するは妹の仇に燃えるお姉様、高音・D・グッドマン選手!!』
ステージに、しずなはんと黒い衣装着た姉ちゃん・・・一日目に会った、使い魔使ことった姉ちゃんや。
あんま強くは無いけど・・・しずなはんじゃ手も足も出んやろ?
「し、しずな先生。どうやって予選を抜けたか存じませんが、降参して頂ければお怪我をさせずにすみます。」
「ウフフ……さて、どうかしら。」
『それでは、レディィィィィ、ファイト!!!』
「仕方ありません……せめて痛みを感じないように一撃で!『黒衣の夜想曲』!」
魔法使いの姉ちゃんのあれは・・・操影術かいな。
魔法世界にしか使い手おらんと思とったけど、こっちにもいたんか。
「ハッ!!」
ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ!!
「ウフフ……。」
―――ドォン! ドォン! ドォン!
『高音選手の影による猛攻ーーー!!煙で見えませんが……し、しずな先生、生きてますか!?』
影の槍がしずなはんを襲う。見たまんまやと即死やけど、あれは衝撃だけのもんやな。
まぁ、良心的な相手でよかったわ―――
「安心してくださいな。怪我は一切してませんわ。」
「なっ……!?」
『しずな先生、無傷ーーー!!一体何が起こってる!?』
「見くびっていました。あなたも、織原家に入り浸っているんでしたね!!『影槍十字』!」
今度はキッチリ当たる影の槍が十字に並んで、しずなはんに迫る。
さっきの、どうやって防いだんや・・・!?
「"エル・デル・ケルク・ヘルネルド" 弾け風 巻け竜救済の加護を 『我が身集う清廉なる風』。」
ガキィィィン!!
「固い、風の層!?いえ、それ以前に――!!」
「"エル・デル・ケルク・ヘルネルド" 『穿て、聖者の列』!」
―――――――ゾン!!
『うわっ……!?空から光の柱が!眩しくてステージが見えません!』
アレは、なんや!?精霊の気配を感じひん・・・・。ワイの知っとる魔法やあれへん!
つーかこんなに強かったんか!?
キュゥン――――
「衝撃波、と言えば良いのかしら?優しい娘には、手加減をしてあげないといけないわ。」
『おぉっと、これはーー!?高音選手、気絶している!!
しずな選手、勝利ーーーーーーー!!それでは、十分の休憩の後、準々決勝を始めます!!』
・・・よう分からんけど、分かるんは一つや。次は、ようやっとネギ戦える!!
Side out
後書き
しずな先生の魔法、知ってる人は知っている。知らない人は・・・覚えなくてもいいかと
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