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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0314話

 悲鳴を聞き、風呂場へと突っ込んだ俺が見たのは近衛を横抱きにした桜咲の姿だった。

「アクセル君!?」

 こちらを見て驚いているネギ。だが、俺はそれに構わずに背後に浮かんでいる魔法の射手で作られた炎の矢を風呂の近くにある茂みへと射出する。
 俺のSPを込められて完全に制御されている炎の矢は、茂みへと突っ込んだにも関わらず延焼を起こさずに念動力で感知した相手へと突っ込んでいく。だが……

「逃がしたか」
「ですね。どうやら相当の手練れのようです」

 思わず呟いた俺の言葉にそう返したのは桜咲だった。どうやら近衛の護衛というだけあり、潜んでいた相手を感じ取っていたらしい。

「せっちゃん、なんかよーわからんけど助けてくれたん?」

 だが、桜咲の怜悧な表情もその声が聞こえて来るまでだった。近衛がそう口に出した途端に何やら言葉に詰まり、そのままその場に近衛を残して脱衣所へと走り去っていったのだ。

「このかさん、あの刹那さんって人とはどういう関係なんですか? このかさんをお嬢様とか言ってましたけど」
「このか……やっぱり桜咲さんとは何かあったの?」
「……うん。アスナにもちゃんと話してへんかったよね。ネギ君もアクセル君もよかったら聞いてくれるかな?」

 ネギと神楽坂の問いに、そう答える近衛。当然2人は頷くが、俺は苦笑と共に口を開く。

「さすがにこの状況でここで話をするのは拙いだろう。旅館の入り口近くに休憩所みたな場所があったし、そこで話をするのはどうだ?」
「あ、それもそやね。さすがにここで話すのは恥ずかしいわ」

 俺の言葉で今更ながらに自分の格好に気が付いた近衛が頬を赤く染めながらそう言う。
 結局、俺以外の3人はさっさと風呂を出て行き、誰が次に入ってくるかも分からないのでカラスの行水状態でささっと風呂を終えた俺も3人の集まってる場所へと向かうのだった。
 ……久しぶりにゆっくりと入浴出来ると思ったんだがな。





「アクセル君、こっちだよ」
「悪いな、待たせたか」
「大丈夫、5分くらいだし。じゃ、このかさん。お願いします」
「ええよ。えっとな、ウチ麻帆良に引っ越すまでは京都に住んでたやろ?」

 そう言って自分の過去を語り始める近衛。小さい頃から住んでいた大きな家。初めて出来た友達。自分を守ってくれていたが川で溺れた時にはそれが無理で後悔する桜咲。その後、近衛を守る為に剣の修行にのめり込んでいったが次第に疎遠になり、近衛は麻帆良へと引っ越した。その後、麻帆良で近衛と桜咲は再会するがすでにその時には素っ気無かった、と。
 そこまで語った近衛は、目の端に涙を浮かべながら悲しそうに呟く。

「うち、何かせっちゃんに悪い事したのかなぁ。昔みたく話してくれへんようになって」
「このか……」

 神楽坂がそう言いながら、近衛を慰めるようにして部屋へと連れて行く。
 そんな様子を見送っていると、ネギが俺の隣で口を開いた。

「アクセル君。このかさんの件、どうにか出来ないかな?」
「さて、どうだろうな。こういうのは結局桜咲が自分でどうにかしないといけないしな」

 あくまで予想だが、桜咲が近衛を避けているのは自分が完全な人間じゃなくて異形とのハーフだからとかそういう理由があるのだろう。近衛の身分的には関西呪術協会の長の一人娘であると同時に、関東魔法協会理事の孫娘と、かなり高い。そうなると近衛本人は何も思っていなくても色々と邪推するような奴は少なからずいるだろうし、身分が高いだけに高圧的な奴も多いだろうから……

「ま、俺としては桜咲には近衛の護衛をしっかりと努めて欲しい所ではあるんだがな」
「うん、あの2人が仲良く出来ればいいんだけどね」

 それだけ言うと、ネギは教師としての仕事があると言って去っていった。
 その後ろ姿を見送り、近くの自販機でいつものように缶の紅茶を買って近くのソファへと腰を下ろす。

「さて。風呂場での一件は阻止された。そうなると、今日はもう襲ってこないか? ……いや、気を抜いてる所を再襲撃というのは十分あり得るか」

 一応、近右衛門から依頼を受けている身だ。ネギや桜咲と協力して事に当たらないといけないだろうな。
 そんな風に考えていると、後ろから声を掛けられる。

「……アクセルさん?」
「桜咲か」

 そこにいたのは、手に数枚の札を持った桜咲だ。どこか探るような視線で俺の方を見ている。

「先程の風呂場での出来事から、こちらの世界に関係している人だというのは間違い無いようですが……貴方は私の敵ですか?」
「……は? いや、ちょっと待て。学園長から俺の事を聞いていないのか?」
「え?」

 俺のその言葉に混乱する桜咲。その様子を見て、近右衛門から俺の話を聞いていないというのがはっきりとする。
 ネギの手伝いをするという依頼をしているというのに、俺については全く何も聞かされていないというのはさすがに手落ちが過ぎないか?

「えっと、その、アクセルさんは学園長ともお知り合いで?」

 先程までの鋭い視線は鳴りを潜め、恐る恐るといった様子で尋ねてくる桜咲。その言葉に黙って頷く。

「一応、今回の修学旅行ではネギの手伝いをするという事になっているな」
「アクセルさんは魔法使いという認識でいいんでしょうか?」
「まぁ、それも間違ってはいない」
「そう、ですか。では今回襲ってきた相手についても?」
「関西呪術協会の陰陽師だろう?」
「はい。なので式返しの札を使っておこうかと思いまして」

 懐からいかにもな札を取り出す桜咲。へぇ、あれが陰陽術に使う札か。

「と言うか、神鳴流とかの剣士じゃなかったのか?」
「そうですね。ですから陰陽術はあくまでも補助程度です」

 そんな風に桜咲と話していると、神楽坂とネギが2人揃ってこちらへと向かって来た。

「刹那さん、アクセル君。ここにいたんだ」
「ネギ先生に神楽坂さん。……アクセルさんと話があったのと、敵の侵入対策用に玄関に式神返しの札を貼っておこうかと。ちょっと失礼しますね」

 俺達に断り、玄関のドア付近へと持っていた札を貼り付ける桜咲。それが終了すると、皆で少し離れた場所にある休憩所へと移動する。先程近衛の話を聞いた場所だ。

「今の札を見る限りでは刹那さんも日本の魔法を使えると思っていいんでしょうか?」

 休憩所へと移動し、神楽坂から買って貰ったオレンジジュースへと口を付けながらネギが桜咲へと質問する。

「ええ。と言っても、私の場合は剣術がメインであってあくまでも陰陽術に関しては補助程度ですが」
「へぇ、なるほど。つまり魔法剣士と考えていいのかい」
「そんなものです」

 カモの問いに、特に動揺するでもなく答える桜咲。神楽坂がその様子を何か物言いたげな様子で眺めていた。
 そんな神楽坂の視線を感じたのか、桜咲も神楽坂へと視線を向ける。

「その、神楽坂さんには話しても?」
「もう思い切り巻き込まれてるから大丈夫よ。それに私だけじゃないわね。うちのクラスだと那波さんといいんちょもこっち関係よ」
「……え!?」
「と言うか、その2人はアクセル君の従者ですね」
「アクセルさんの!?」

 まぁ、3-Aでも中心的人物であるあやかと、色々な意味で凄い千鶴の2人だ。どちらもかなり目立つのでその2人が俺の従者だと言われれば、それは驚くか。

「ちなみに、従者という訳じゃないが朝倉もネギの協力者だな」
「……本気ですか?」

 本当ですか? ではなく、本気ですか? という所に朝倉の信頼度が如実に表れていた。

「とは言っても、あやかは昼間の酒でダウン。千鶴はまだまだ魔法に関しては初心者も同然だから、あまり実戦には出したくないんだけどな」
「なるほど、その気持ちは分かります。……さて、では早速ですが敵についてです」

 『敵』という単語を口に出した途端、その瞳は鋭くなる。護衛に関してはともかくそれなりの実力があるというのは間違いないんだろう。

「敵というと、関西呪術協会の強硬派なんですよね?」
「既に知っていましたか。新幹線の中でネギ先生が追っていた式神、それを使うのが陰陽道の呪符使いと呼ばれる者達です」

 そこから桜咲の呪符使いに関する説明が始まった。呪符使いは陰陽道を基本としており、術を使う為に呪文を唱えている間は無防備になるのは俺やネギのような西洋魔法使いと同じらしい。その為、西洋魔法使いは魔法使いの従者と呼ばれる前衛がいるのだが、陰陽術では善鬼や護鬼といった式神を使役するんだとか。
 ……使い捨てに出来るという意味では魔法使いの従者よりも使い勝手は良さそうだが、結局その式神も術者が魔力等を使って使役している訳だから魔力的な負担は陰陽道の方が大きそうだな。
 そして関西呪術協会を語る上で忘れてはならないのが神鳴流。すなわち桜咲が使う流派の剣術集団らしい。元々京都を守り、魔を討つ為に組織された存在で呪符使いの護衛として魔法使いの従者のように前衛を任せられる事もあるとかなんとか。

「にしても、京都神鳴流……ねぇ」
「アクセルさん? どうかしましたか?」
「……いや、何でも無い。話を続けてくれ」

 京都神鳴流。桜咲のスキルを確認した時にも感じた事なのだが、どこか聞き覚えと言うか、見覚えのある単語なのだ。アクセルに転生してから見た、というのはないと思うから、恐らく前世でだろうが。

「で、でもそれじゃあ、やっぱり神鳴流ってのは僕達の敵じゃないですか!?」

 ネギのその言葉に、桜咲が沈痛な表情で頷く。

「はい。彼等にしてみれば西から抜けて東についた裏切り者。でも私の願いはお嬢様をお守りするというただ一点にあります。お嬢様さえ守られれば私は満足です」
「刹那さん……」

 その様子を見て、思わずネギが桜咲の名前を呼ぶ。だが、次の瞬間には神楽坂が桜咲の背中をバンバンと叩きながら励ますように口を開いた。

「桜咲さんがこのかを嫌ってないと分かっただけで十分! 友達の友達は友達だからね。私も協力するわ!」
「か、神楽坂さん……」
「よし、それじゃあ決まりですね。3-A防衛隊結成です! 関西呪術協会からクラスの皆を守りましょう!」

 そう言って、3人の手を重ねるネギ。……そしてじーっと俺の方へと視線を向けてくる。
 ……しょうがない、か。そもそも俺が受けた依頼はネギの手伝いなんだし。

「はいはい、これでいいか?」
「うん、皆で力を合わせて頑張りましょう!」

 そう言い、テンション鰻上りのネギ。

「敵は今夜も襲ってくるかも知れないので、僕は外の見回りに行ってきますね!」

 そう言い、こちらの話も聞かないで走り去るネギだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    ???

撃墜数:376 
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