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俺と現実とファンタジー

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part15 盗聴 そして 憤激

 
前書き
今回はシャグリーンsideがメインです 

 
sideシャグリーン



『すまん……もう、俺は駒王学園に通えねぇ……』


翔太がその言葉を言うてから五日たった。
その言葉通り翔太は駒王学園に通わなくなってしもうた……
わしはあれからもずっと通っているが……
……あの日、翔太は全てを話してくれた。
テレポートした場所が駒王学園そっくりの場所だったということ、
そこで、ホスト風の男と戦い勝ったということ、茶髪の転生者にまたあったということ、
……そして、この物語の主人公らしき男とヒロインらしき女に完璧に敵認識されたということも。
わしはこれを聞き、腹が立った。
翔太が現れた理由を勝手に決めつけ、襲いかかったのはそ奴らなのに
何故翔太ばかり悪と決め付けるのか。
しかし、翔太にも悪い部分はある……意地を張り、引き時を見極めなかったからの……
……じゃが、そうなる理由を作ってしまったのはこのわしじゃ……
なんとか誤解を解けぬものか……難しいのぉ……
……む! もうこんな時間か! はよ学校へいかんとな……
わしは翔太の元へ行き、声をかけた

「では、行ってくるからの……」
「おう! ……何落ち込んでんだっての。
トレーニングはちゃんと毎日やってるわな、心配すんな」
「……うむ……」

翔太……違う……わしが悩んどるのはそこでは無い……
この一言が今日も言い出せぬまま、わしは学校へ向かった……





「それじゃ、寄り道せずに帰れよ。」

終礼が終りわしは帰路につきかけたが、ふとあることが気になり旧校舎へと向かった……
翔太と敵対しとるという茶髪の転生者、龍宮 朧(たつみや おぼろ)……
こやつのことがどうしても気になる……
幸か不幸か、わしの使えない能力の一部は翔太から離れると使えるようになる。
旧校舎が見える位置に立ち《遠聞耳》の力を使い、中の会話を聞く……
……少しの間集中していると、中の声が聞こえてきた。

『……ても、あいつ何者なんだろうな……?』

成功のようじゃの……どれ……

『あいつって、誰のことですか? イッセーさん』
『ほら、ライザーとのレーティングゲームの時に乱入してきた奴だよ』
『……あの人……ですか……』
『ああ、ソーナ・シトリー……支取会長を狙っていた、ってわりには最近行動起こしてないし
じゃあ、いったい何が目的なんだって思ってな』
『確かに……でも、多分悪いことだと思います……』
『当たり前だ。じゃなきゃ、朧や俺をボコボコにしたりしねえよ』

……好き勝手言ってくれるのぉ……お主らにも非はあるというのに……

『早いね。イッセー君、アーシアさん』
『ああ、木場か』
『こんにちは。木場さん』
『それでイッセー君、その男はどれだけ強いんだい?』
『……はっきり言って、勝てる気がしねぇ……あの朧も簡単にやられたしな』
『それに……部長さんの消滅の力や、イッセーさんの力も簡単に打ち消していましたし……』

どうやらあの茶髪はそれなりに頼りにされとるようじゃの……

『あらあら、盛り上がっているようですわね。』
『あ! 朱乃さん!』
『こんにちは、朱乃さん』
『うふふ、こんにちは。
それで、何の話をしていたのですか?』
『……レーティングゲームの時に乱入してきた、あの男のことです』
『……私の朧君を傷つけた、あの男ですか……』
『はい……朱乃さんは、どう思いますか?』
『許せませんわ……朧君を痛めつけ、腕を折った男……許せるはずありませんわ……!』
『しかも、見ていられないほどにボロボロで傷だらけだったからね……』

……ちょっと待て、腕を折った(・・・・・)じゃと……!?
あの時、翔太の額あての鉄板に殴りかかったとき確かに骨が折れる音はした。
じゃが、おの時折れておったのは()のはずじゃぞ!?
それに、腕の骨まで衝撃が来ておったとしても、ヒビが入るだけのはず……
そして、見ていられないほどにボロボロで傷だらけというのもおかしい。
翔太がしたのはあやつの顔面に拳を一発叩き込んだ、ただそれだけじゃ。
変に倒れてしまい、傷を負うのはわかるがあやつは仰向けに倒れたからそんなことはありえない。
そもそも、倒れただけでズタボロになるなんぞありえん……
まさか……あやつ、自分で……!?

『……こんにちは』
『あら小猫ちゃん、こんにちは』
『……何の話をしていたんですか……?』
『レーティングゲームの乱入者のことだよ』
『そんで朧を傷つけたやつだ』
『……あの人ですか……』
『……小猫ちゃんはどう思いますか?』
『……少なくとも……いい人ではないと思います……』
『朧さんからよくお菓子をもらっていましたからね』
『……はい……それにソーナ・シトリー様を狙っているから……』
『確か、部長が言っていたよね?』
『ああ。部長は凄いぜ、あの場で相手の目的を少ない情報だけで導き出したんだからな!』

……これじゃ、これもおかしいと思ったんじゃ。
何故、ここが駒王学園ではないのか、という質問だけでその”ソーナ・シトリー”とかいう
名前が出てくるんじゃ?
いくら思い込みが強くてもここまでは……まて、確かお爺様が言っておったな……

(お爺様、今度の転生者はどんな力を望んだのじゃ?)
(ふむ……NARUTOの術と、ONEPIECEの覇気を全種、それからいくつか別の力……
ニコポナデポじゃったか? あとは思考の差し込みじゃったかのぉ……)

思考の差し込み……もしかするとこれを使って……

わしは考えながら旧校舎を後にした。
……翔太よ、もしかするとお主の誤解を解くことができるやもしれんぞ……
……あのクソッタレな茶髪に十分すぎる報いをあたえてのぉ……!

 
 

 
後書き
次回、お楽しみに…… 
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