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銀色の魔法少女

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第八話 強敵 前編

 
前書き
どうも、夏の暑さに溶ける寸前の水淵やややです。

フェイトちゃんと新たな転生者の登場なので!
後編はまた明日になりますが、
第八話前編、始まります。 

 
side ALL

 遼がなのはたちと友達になってから数日が経過した。

 その間、遼は昼は学校、夜はジュエルシード探しに全力を注いだ。

 彼女はクリムのバックアップもあり、新たに三つ集めることに成功した。

 これでなのはが三つ、遼が五つ、残りは十三。

 そこに、新たにジュエルシードを求める者たちが現れた。

 彼女たちは海鳴市のどこかのビルの上に降り立つ。

「ここに母さんが求める物があるんだね、アルフ、レイ」

 金髪の少女の後ろに二人の人影が現れる。

 一人は獣のような姿をしている大人の女性。

 もう一人は彼女と同じくらいの歳の少年。

「うん、データ通りならここに落ちてきてるはずだよ」

 レイと呼ばれた少年が少女に答える。

「形態は青い宝石、一般呼称はジュエルシード」

 彼女は手に持った黒い斧、『バルディッシュ』を握り締める。

「とりあえず、隠れ家に行って体を休めよ、広域サーチは僕がやっておくから」

「頼むよ、レイ、さあフェイトはこっち」

 アルフと呼ばれた女性に背中を押され、フェイトと呼ばれた少女は心配そうにレイを見つめる。

「大丈夫? 広域サーチは結構疲れるよ?」

「もう、フェイトは心配性なんだから、アイツの魔力の高さはフェイトも知ってるでしょ」

「アルフの言うとおり、この程度ならなんともないよ」

 だからフェイトはゆっくり休んでなさい、二人は言葉に出さないがフェイトにはそう思っているのが伝わってくる。

「じゃあ、私は先に行ってるから……」

 アルフに押されて、彼女たちは姿を消す。

「さてと、それじゃあ本来の目的も果たすとしようか」

 彼はフェイトには見せなかった黒い笑みを浮かべる。

 彼が操作する地図に異常に大きな反応が浮かび上がる。

「流石トリプルsランクは見つけやすい、まずはこいつを始末して、他にいるだろう転生者を皆殺しにしなくちゃね」



side 遼

 私はとても緊張していた。

 今日はすずかの家に呼ばれてお茶会だったのだが、

「すごく、大きい……」

 そう、すずかの家は豪邸だった。

 私としては普通の家を予想していただけに、とても驚いた。

 あれ? 私すごく場違いじゃない? 本当に来てよかったの?

「いらっしゃいませ」

 そんなことを考えているとメイドさんが扉を開けて出迎えてくれた。

「あの、戦場 遼といいます」

「はい、伺っております、お嬢様の所に案内しますので、ついて来てください」

 メイドさんに連れられ、私は長い廊下を歩く。

 壁には絵画や綺麗な装飾などが飾られて、とても煌びやかだった。

 少し歩いて、メイドさんがある扉の前で止まる。

「こちらで、あら?」

 彼女が部屋を開けるとフェレット(?)が猫に追いかけられている。

 それが彼女の足元でぐるぐる周り、

「あ、あら~」
 
 遂に彼女は目を回し、倒れそうになるがちょうど後ろにいた私が彼女を受け止める。

「ファリン大丈夫……って、どうやっ立ってるのよあんた!?」

 アリサの声が聞こえるけれど、何か驚いているようだ。

 すると足音が近寄って来て、聞き覚えのある声で話しかけてくる。

「あ、遼ちゃん、いらっしゃい」

 彼女の横からひょこっと現れるすずか。

「あ、あああ! ごめんなさい!」

 メイドさんは正気に戻ったらようで、自分で体勢を立て直し、私に謝ってくる。

「別に、大丈夫だから」

 

 別のメイドさんがお菓子を持ってきて、私たちは中庭らしき所で楽しくお茶会を満喫していた。

「…………………………」

「きゅ、きゅー?」

 私は目の前のフェレットモドキ、通称ユーノを抱き上げていた。

 何か、言い知れぬ違和感がある。 

 いつもの私なら飛びついてじゃれるくらいはやるんだけど、こいつ何か変。

 でも、具体的に何が変なのかさっぱり分からない。

 いっそ、魔法を使ってやろうか、そう思った時。

(!? ジュエルシード!)

 そう、確かにジュエルシードの反応がした、しかもこの近くで。

「きゅ! きゅーーーーーーーー!」

 すると、さっきまで大人しかったユーノが急に暴れだし、私の手を離れ森の中へと逃げて行った。

「ユーノ君! ごめん、ちょっとユーノ君を捕まえてくる」

 そう言うとなのははユーノが走っていった方へ走って行く。

 両者とも、ジュエルシードの反応があった方に。

 これならいくら鈍感な人でも気がつく。

 あのフェレットモドキはなのはの協力者だ。

 おそらく守護獣だろうけど、あんな弱そうなフェレットでいいのだろうか?

 まあ、そんな疑問はさて置き、私には看過できない反応が二つほど現れた。

 一つは街から来る大きな反応、これはあの時に少年(データを見たものの顔も名前もすっかり忘れた)だろう。

 でも、問題はもう一つ。

 この感じは知らない。

 という事はなのはとアイツ以外にジュエルシードを集める人がいることになる。

 ……これは、私も動いた方が良さそう。

「ちょっと、お手洗いに行ってくる……」

「あ、私が案内して――」

「ううん、来る途中で見かけたから大丈夫」

 ファリンさんがしょんぼりしていたが、こればっかりは仕方がない。

 彼女たちから見えない所まで来ると、私はクリムに話しかける。

『クリム、感じた?』

『ええ、ちょうどマスターのご友人宅まで着いたところです』

 相変わらず早い。

『じゃあ仮面を私の所に送って、私たちはジュエルシードの確保、もしくはなのはの援護を』

『了解しました』

 通信を切ると、私の横に私そっくりな人形が現れる。

「じゃあ、あとよろしくね」

 彼女はこくりと頷くとそのままお手洗いに入る。

 適当に時間を潰してもらってから、すずかたちの元に戻ってもらうとしよう。



side なのは

 私、私立聖祥大附属小学校三年生、高町 なのは。

 少し前から魔法少女をやってはいるのですけど、

「ふ、ふええええええええええええええええええええええええ!?」

 正直、大ピンチです。



「えと、私の話を、きゃあ!」

 迫り来る青と黄色の弾をかろうじて避ける。

 さっきからこの繰り返し。

 私の話を聞いてもらおうと思っていても、あの子達が問答無用で攻撃してくるからこっちは避けたり弾いたりするしかできないの。

 ユーノ君も援護してくれてるけど、数が多すぎてとても避けきれない。

「きゃあ!」

 遂に肩に一つ当たり、バランスを崩して地面に落ちる。

「これで、止め」

 青い男の子が私に杖を向ける。

 その先端に青い魔力がどんどん溜まっていくのが見える。

「く、」

 私は動こうと立ち上がろうとするが、足をひねったみたいで、うまく立てない。

「じゃあね」

 そう言って、大きな魔力弾が私に向けて放たれた、が。

「ぎゃあああああああああああああああああ!?」

 それが私に当たることはなかったの。

 どこからか飛んできた子供にぶつかって、途中で爆発した。

 あまりの光景に私を含めたみんなが動きを止めたの。

「間一髪、だったかな」

 その声がした方に全員(気絶してる子を除き)振り向く。

「まったく、我がいる街でこのような騒ぎごとを起こそうなどと、貴様ら、死ぬ覚悟は出来ておるのだろうな?」

 顔は真っ黒なバイザーで見えなかったけれど、姿ははっきり見えた。

 風に揺れる黒い髪、全身を鎧のようなバリアジャケットで包まれた、とても強そうな男の子。

 彼は、腰にさした刀を抜いてこう言った。

「さあ、死にたいものからかかってくるが良い!」

 
 

 
後書き
結論
グリムゲルデ、まじ便利。

あと、レイの魔力弾に当たったのは間違いなく刃です。
なぜ彼があんなことになったのかは、次回でわかります。
でわでわ! 
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