SAOのペットな彼女?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
デスゲーム
第1話 嵐の前の賑やかさ
前書き
前回の続きです。
楽しんでお読み頂けるよう、最善を尽くします。
ログインした後、それぞれがはじまりの街に降り立った。仁は先にログインしていたようで、空太達を待ってくれていた。
「仁! 会いたかった~!! ひしっ!」
美咲──アバター«Misaki(ミサキ)»が仁──«Jin(ジン)»に飛びついた。
「空太」
後方から、ましろが声を掛けてくる。
アバダーの姿は、イチから自分で作成するのだが──ましろのアバターである«Masiro(ましろ)»の姿は、現実世界の«椎名ましろ»と全く同じ姿だった。
「ましろ……なんでお前、同じ姿なんだよ」
「何言ってるの、空太。同じ姿にするものよ。空太はカッコよくなってるわ。どうして?」
「悪かったな! そう作ったからだよ!」
マシロは淡いピンクと白ベースのワンピースの上に、初期装備の鎧を纏っていた。ファンタジー風の衣装に身を包んだマシロは……とても新鮮で、綺麗だった。
「神田くん」
このよく通る声は、七海──«Nana(ナナ)»のものだ。
アバダーなので声こそ違うが、それでも現実世界と同じくよく通る。さすが、声優養成所に通っているだけのことはある。
ナナは、水色ベースの長袖シャツの上に茶色い革のジャケットを羽織り、同色のミニスカートを履いている。現実世界とは顔の造りこそ違えど、芯の強そうな瞳を見ると、紛れもなくそのプレイヤーが七海であることがわかった。
ナナミは照れたように空太──«Sorata(ソラタ)»に言う。
「どう……かな? やっぱり、違和感あるよね」
「それは仕方がないよ。みんな、アバダーになってるんだからな……ましろ以外は」
「そうだね」
ナナは、女の子らしくくすっと笑った。
「それとさ」
「なに、神田くん?」
「ここ、一応ネットゲームの中なんだよね」
「そうだね」
「その……«神田くん»っていうの、やめてくれないか? 本名バレ激しいだろ」
ナナは一瞬、頬を赤く染めた。
「じ、じゃあ……次からは、«ソラタ君»って、呼ぶから……」
「お、おう……」
ソラタも、照れたように自分の頬をカリカリと掻いた。
「こーはいくんやーい!」
少し離れた所から、ミサキが手を振っている。
「いざ、フィールドにしゅっぱーつ! 血で血を洗う大戦争の幕開けだよー!!」
「ゲーム内で何をするつもりですか!!」
ソラタがツッコむ。
「空太、わたし、殺るわ」
「そして、お前の《そらた》は間違いなく《ソラタ》じゃなくて《空太》だよな……」
「殺るわ、空太」
「何故繰り返す! ツッコんでほしいの!? 頼むからプレイヤーを攻撃しないでね!」
「とおーう!!」
ミサキが片手棍上位ソードスキル《トリニティ・アーツ》を繰り出し、目の前のモンスターのHPゲージを消し去った。
「なんでもう上位スキルを獲得してるんですか!?」
「空太先輩が遅いんじゃないですか?」
栞奈──«Kanna(カンナ)»──が言った。カンナはオレンジ色のロングスカートを履いていて、装備は«槍»だ。
「カンナさん……ヒドイこと言わないで……」
「実際遅いよ、かん……そ、ソラタ君」
「ナナまで言うの!?」
ナナは、《短剣》を装備している。
「私だって、もう熟練度329だよ?」
ちなみにソラタは、装備している片手直剣の熟練度は未だに234だ。
「空太、遅すぎよ」
「なんでマシロの熟練度が458なんだよ! おかしいだろ!!」
どんだけ殺りたかったんだ。
「ソラタせんぱーい、俺もう曲刀スキル熟練度500突破しましたよ~?」
少しアホっぽい喋り方をするのは、伊織──《Iori(イオリ)》だ。
曲刀スキルを取得するには、片手剣スキルの熟練度を400まで上げる必要がある。そこから更に500超えとは──宇宙人レベルだ。
「よし、こーはいくん、次の街へGoだよ! ボス戦Goだよ!!」
「ボス戦はさすがにまだ早いと思いますけどね……ゲームバランス的な意味で……」
ツッコミを入れる事にすら疲れてきたソラタが、脱力感満載に言った次の瞬間──視界が真っ白に染まった。
再び広がった景色は、《はじまりの街》の広場だった。
後書き
結局デスゲームと化した世界«SAO»でのソラタ達については、今回も書けませんでした。
次書きます、次…。
ページ上へ戻る