ヘタリア大帝国
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TURN77 虚脱状態その十
「連中も敵だ」
「ううむ、宙形も気候も異様ですし」
「一歩間違えれば泥沼になる」
「そうなってしまいますね」
「だから用心が必要だ」
攻めるにしてもだというのだ。
「あの国を攻めることはな」
「未開地といいますか」
「秘境だからな」
「まともに行けそうなのはメキシコとキューバ位ですね」
「そこから先は完全に秘境だ」
最早何がどうなっているかというのだ。
「複雑な宙形、気候」
「ハニワ族に宇宙怪獣に」
「これまでの戦いとは全く違う、注意していかないとな」
「統領にもお話します」
ユーリはここでも彼女のことを忘れてはいなこあった。
「このことは」
「そうしてくれたら有り難いな」
「はい、それで統領なのですが」
ムッチリーニ自身のことも話される。
「あの方のことをどう思われますか?」
「悪い人じゃないな」
東郷はムッチリーニについてすぐにこう述べた。
「それに有能な部類に入る人だろう」
「伊達に国家元首になった訳ではないのです」
「その割に評価が低いと思うが」
「何分あのご気性なので」
ムッチリーニの評価が低いのはそこにあるというのだ。
「お気楽といいますか能天気といいますか」
「それが問題か」
「努力もしておられるのです」
確かに気楽な性格だがそうしたこともしているというのだ。
「だからこそイタリンの民衆も祖国殿達もあの方を愛しているのです」
「政策はどうかと思う時も多いがそれでもだな」
「労働時間の短縮に黒ビキニの提督に」
ユーリもこうした政策には頭を抱えていた。
「全く以て困った政策も多いですが」
「それでもイタリンは動いていたな」
「元々そうした国民性ですし」
「イタリンに合っていたんだな」
「そうです、ドクツも非常に好意的ですし」
「グレシアさんやロンメル元帥にしてもな」
彼等だけでなくだ。
「ドイツさん達も優しいな」
「どうにもよくしてもらっていますので」
「国家としてやっていけているな」
「そうなっています。それでこれからも宜しくお願いします」
「こちらこそな。わかると思うが我が国もイタリンは嫌いじゃない」
むしろかなり好きな方だ。
「ずっと仲良くやれたらいいな」
「そうですね、この戦争が終わっても」
ユーリも微笑んで応える、確かにレーティアのことは気になるがそれでもいいことは多かった。枢軸陣営は充実していっていた。
その中で田中が小澤にこんなことを言っていた。
「なあ、レーティアさんだけれどな」
「あの方が何か」
二人は今海軍省にいた、そこの食堂で昼食のきつねうどんと親子丼を食べながら話をしていた。
小澤はこう田中に問い返した。
「写真集を買いましたか」
「ああ、一冊買ったぜ」
「使用しましたね」
小澤は無表情でずばりと言った。
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