転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0302話
「学園長、ネギです。アクセル君とエヴァンジェリンさん、茶々丸さんも一緒ですが入っていいですか?」
「エヴァも? うむ、構わん。入りなさい」
ネギのノックにそう声が返され、そのまま4人で学園長室の中へと入っていく。
「よく来てくれたな。まずは座ってくれ」
近右衛門に進められ、茶々丸以外はソファへと腰を下ろす。茶々丸はソファに座ったエヴァの後ろへと控える。
「さて、まず儂の用事よりも前にエヴァの用事を聞こうかの。ネギ君やアクセル君と一緒に来たんじゃ。何か用があったのじゃろう? 囲碁や将棋の相手を探して、というのなら儂としては大歓迎じゃがな」
近右衛門のその惚けた質問に、エヴァは苦笑を浮かべながら口を開く。
「くくっ、いつも私に負けているというのにまだ懲りないとはな。……それよりも本題だ。今度の修学旅行に関してだ」
「修学旅行に関してじゃと? じゃが、お主は登校地獄のせいで……」
「うむ。確かに今まではあの馬鹿の馬鹿魔力の馬鹿魔法構成でこの麻帆良から出られなかった。……例え、それが学校行事に関係あるとしてもな。だが、今年は色々とイレギュラーな要素が揃っているだろう?」
そう言って、俺とネギの方へとチラリと視線を向けるエヴァ。その様子を見ていた近右衛門だったが、微かに眉を顰める。
「お主とネギ君の模擬戦はネギ君の勝利に終わったじゃろう? なら約束通りにネギ君の血は諦めて欲しいんじゃがのう。それでなくても他の魔法先生達にあの模擬戦の件で突き上げを食らってるんじゃし」
やはりあの模擬戦に関しては近右衛門の独断だったらしい。まぁ、英雄の息子であるネギを例え模擬戦でも闇の福音の通り名を持つ吸血鬼相手に戦わせるのはさすがに無理があったという事か。
「何、封印を解く程の大量の血を寄こせとまでは言わんよ。それこそほんの少しでも構わん」
「……少し、じゃと?」
「うむ。私の研究の成果でな。登校地獄の呪いを解呪は出来なくても、数日間ならバグってる部分を緩和して正常な登校地獄の状態にする事が可能になった」
「……本当か?」
信じられない、といった様子の近右衛門にニヤリと笑いながら頷くエヴァ。
「まぁ、あくまでもあの馬鹿魔力で正常に動作していない呪いを一時的に正常な状態に戻すだけ。しかも数日間の期限付きだがな。それでも正常な状態に戻ったのなら修学旅行といった学校行事には参加が可能になる」
「どのような研究をしたのか聞いてもいいかの?」
「惚けたか、じじぃ。わざわざこちらの手の内を明かせる筈も無かろう。ぼーやの血が必要だ、とだけは言っておこうか」
エヴァの話を聞いて内心首を傾げる。登校地獄を正常な状態に戻すのはどちからと言えばネギの血よりも異常な程高純度な魔力が宿っているという俺の血がメインの筈だ。だが今のエヴァの説明では、ネギの血をメインとしているように感じられる。そう言えばエヴァは俺の血の件に関してはなるべく秘密にするように言ってたな。これもその一環か。
……まぁ、俺を守るというよりはいざという時に自分の魔力を回復させる手段を確保しておきたいというのが正しいのだろうが。
「ふーむ……なるほどのぅ……」
近右衛門はそう呟くと、目を閉じてその立派な顎髭を撫でながら何かを考えている。
そしてそのまま黙り数分。ようやく考えが纏まったのか口を開く。
「エヴァの希望は理解した。……一応確認じゃが、旅行先はハワイでも構わんかの?」
「……何だと? うちのクラスの修学旅行先は京都で決まっていた筈だろう?」
「それなんじゃがな。実は今年ネギ君という魔法先生が1人いると言ったら先方がかなり嫌がってな」
「えーっ!? ぼ、僕ですか!?」
「ほう。それはつまり関西呪術協会か?」
行き先が京都ではなくハワイ、と聞かされた時の怒気を収めて口元にニヤリとした笑みを浮かべるエヴァ。
「か、関西呪術協会? それって何ですか?」
「ぼーやが使うような魔法を使い、この麻帆良を本拠地としてそこのじじぃが率いているのが関東魔法協会。それに対して陰陽術をメインとして使うのが関西呪術協会だな。縄張り的な問題もあってこの2つの仲は良くない、と言うかはっきり言って悪い。……なるほど。で、じじぃ。ここにぼーやとアクセルを呼んだという事は何か考えがあるんだな?」
エヴァの言葉に頷く近右衛門。
「うむ。儂としてはもう西との喧嘩はやめて仲良くしたいんじゃ。そこでネギ君とアクセル君には特使として西に行って貰いたい」
「特使、だと?」
思わず漏れた声は俺のものだ。
「うむ。何か問題あるかの?」
「大ありだろう。ネギに関してはまだ納得出来るものがないとは言えない。正式にこの麻帆良に修行に来ているんだからな。……それにしても、関東魔法協会の正式なメンバーでは無いネギを特使にするというのは疑問が残るが。だが、俺はこの関東魔法協会にしてみれば、完全なイレギュラーだろう? 実際、俺自身フリーの立場だ」
「確かにアクセル君の言う通りじゃ。なので、もちろんアクセル君に表立って特使として名乗って行動しろとは言わんよ。アクセル君に頼むのは、あくまでもネギ君の手伝いじゃ」
近右衛門の言葉に少しだが納得する。確かに関東魔法協会理事としての立場だと氏素性の知れない俺を正式な特使として任命するのは出来ないだろう。そしてネギに関しては英雄の息子というネームバリューもある。近右衛門は口に出していないが、今回のこの特使というのはぶっちゃけネギの功績稼ぎみたいなものだろう。それでなくても、ネギは昨夜闇の福音と言われるエヴァに模擬戦とは言え勝ったのだから。下手をしたら、実は既にその関西呪術協会とやらとネギに関して打ち合わせ済みの可能性もある……と思うのは深読みしすぎか? まぁ、どちらにしろ。
「鉄は熱いうちに打て、か」
「え? どうしたのアクセル君?」
小首を傾げて聞いてくるネギに小さく首を振る。
「いや、何でもない。学園長、そもそも俺との契約はいざという時のネギのフォローだった筈だが、これもそのいざという時に入ると思っていいのか?」
「そうじゃの。ネギ君が特使として京都に向かったとなれば関西呪術協会の方からも妨害に出る可能性がある。そうなるとクラスの皆も巻き込まれる可能性が無いとも言えんし、それはいざという時になると儂は思うんじゃが……どうじゃろう?」
「……」
確かに近右衛門の話通りに事が進んだ場合はクラスの連中にも被害が出る可能性が無い……とは言えない。なら、ここは大人しくネギに協力すべきか?
分かった。そう口に出そうとした瞬間、俺の隣に座っていたエヴァが押し殺したように漏らす声が聞こえて来る。
「くっくっく。なるほどなるほど。そう話を持っていくか。確かにアクセルに対しては効果的かもしれんな。さすがじじぃ。伊達に歳をとってはいないな」
「エヴァ?」
エヴァの含み笑いの理由が分からない俺はそう呼びかける。
「アクセル、忘れていないか? ……いや、お前だからこそ気が付かないのかも知れないな」
忘れている? 俺が? 何を? 俺はクラスメイトを関西呪術協会、エヴァの言が正しいのなら陰陽師から守る。……待て。守る? 誰から? 当然関西呪術協会からだ。だが……
「ほう、自力で気が付いたか」
「魔法の秘匿」
そう。俺の生まれ故郷であるスパロボOGsの世界では念動力が半ばオープンな能力として受け入れられていたが、この世界では違う。魔法にしろ陰陽術にしろ基本的には裏の存在。すなわち秘匿義務というものがあるのだ。
「そう。表の世界に対して魔法の類は秘匿義務が課せられている。もっとも、それを守らないような奴もいるにはいるが、今回の妨害者は関西呪術協会という立派な組織だ。当然秘匿義務に関しては承知しているだろう」
「つまり学園長の狙いは……」
「まぁ、アクセルにぼーやの手伝いをさせる事、だろうな」
エヴァの決定的な一言に、ジロリと近右衛門に視線を向ける。半ば殺気を漏らしたその視線だったが、近右衛門はそれを柳に風とばかりに受け流す。
「フォフォフォ。老い先短い年寄りに向ける視線じゃないのぅ」
「俺を利用しようとした訳か」
「ふむ、確かにそうとれなくなもないが……一応、これは関東魔法協会理事としての判断なのじゃよ」
「……何?」
「知っての通り、儂はアクセル君にネギ君に対するフォローを依頼しておる。じゃがな、魔法先生の中にはそれを面白く思わない者も少なからずおるんじゃよ。幸い、儂とこの麻帆良でもトップクラスの戦闘力を持つタカミチ君が君の存在を肯定しているので大きな騒ぎにはなっていないが、な」
「ふん、例によって正義馬鹿どもが騒いでいる訳か」
そう言いながらエヴァは近右衛門へと嗜虐的な笑みを向ける。
「正義馬鹿?」
俺の隣で話を聞いていたネギがエヴァへと尋ねる。
「くくっ。そうだな、詳しい話はじじぃにでも後で聞け。きっとぼーやにとってもためになる話を聞かせてくれるだろうさ」
「むぅ、儂に押しつける気か?」
「ふんっ、この麻帆良のトップはじじぃなんだから当然だろう」
互いに相手へと自分の嫌な事を押しつけようとしている2人を見ながら口を開く。
「学園長の言いたい事は大体分かった。そういう事なら俺としても協力するのは吝かでは無い」
「そうか、引き受けてくれるか」
安堵の息を吐いた近右衛門だったが、そこに言葉を滑り込ませる。
「だが、契約外の仕事をしようというんだ。当然無料奉仕をする気はない。相応の報酬を要求するぞ?」
「具体的には?」
さて、ここで報酬に何を要求するか。折角魔法がある世界へとやってきたんだし、俺の目標も未知の力の収集だ。なら……
「魔法道具を希望する。特に、不老不死……とまでは言わないが、身につけていると不老になるものが魔法世界にあると聞いた。出来ればそれを幾つか欲しい所だが……」
「おい、アクセル。それはさすがに無理があるぞ。以前も言ったと思うが、魔法世界でも稀少な品だ。そうおいそれと手に入るような物じゃない」
「……らしいから、使える魔法道具や魔法書といったものだな」
さすがにネギの護衛をする程度で不老の指輪を手に入れるというのは無理があったか。
「良かろう。ただし、報酬については今回の件でどれだけの活躍をしたかで決めさせて貰うが構わんじゃろうな?」
まあ、ここら辺が妥当な所か。
「ああ。それで問題無い」
「……言っておくが、私は基本的に観光しに京都に行くんだからな。厄介事に巻き込んでくれるなよ」
俺と近右衛門、ネギへと釘を刺してくるエヴァ。
確かに15年もこの麻帆良に閉じ込められていたのだからその気持ちも分からないではない。だが、近右衛門も関東魔法協会理事の立場として安易にそれを許可する訳にもいかず……
「そう、じゃな。ネギ君とアクセル君でどうにもならなくなった時に手を貸してくれるというのであれば、エヴァの封印を一時的に弱めるというのを許可しよう」
「ちっ、しょうがない。分かった。ただし! 本当にどうしようもなくなった時に限るぞ! それ以外では絶対に頼るなよ!」
エヴァとしてもその辺が妥協案だと思ったのか、不承不承頷くのだった。
それを確認してから近右衛門が懐から封書を取り出す。
「ネギ君、君の仕事は先程も言った通りにこの親書を運ぶ特使として関西呪術協会の長に渡す事じゃ。もしかしたらそれを妨害する相手もいるかもしれん。……まぁ、アクセル君も言っていた通り、魔法には秘匿義務がある以上は一般人に被害を出すような真似はしないじゃろうが……もしそういう事態になったのならアクセル君と協力して対処して欲しい。聞いての通り、ネギ君にとってはなかなかに危険な役目となるじゃろう。それでも引き受けて貰えるかの?」
「はい!」
近右衛門の言葉に、元気よく頷くネギだった。
「フォフォフォ。いい顔をするようになったのぅ。エヴァとの模擬戦の結果が早くも出た、という所じゃな」
「……色々と勉強になった戦いでした」
「そう言って貰えれば、儂も模擬戦を企画した甲斐があったわい。……ちなみに、ネギ君。京都と言えば木乃香に魔法バレはしておらんじゃろうな? 儂はいいんじゃが、木乃香の親の方針でな。なるべく魔法に関しては触れさせたくないらしい」
深刻そうな顔でネギへと尋ねる近右衛門だったが、その本心を俺は既に知っている。ただ、その件に関しては俺も近右衛門と同意見なので黙って成り行きを見守っていた。
「はい、その辺は大丈夫です」
そう答えたネギに、近右衛門が若干残念そうな顔をしたのは俺の穿ちすぎだっただろうか。
「では、修学旅行は予定通り行う事とする。4人ともご苦労じゃったな」
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
???
???
撃墜数:376
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