ヘタリア大帝国
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TURN77 虚脱状態その一
TURN77 虚脱状態
新生連合国がこれまた新生枢軸国に宣戦を布告してきたことは当然ながら枢軸側にも伝わった、それを受けて。
宇垣はガメリカ国務長官であるハンナ、中帝国の外交担当首相リンファ、そしてオフランス摂政シャルロットとそれぞれの祖国を交えた四国会議を開いた、そこにはドイツとイタリア、そしてムッチリーニもいる。
まず宇垣は開口一番こう会議の参加者達に述べた。
「確かに連合国は宣戦を布告してきましたが」
「それでもね」
ハンナは宇垣に素っ気無く返す、己の席で腕を組み座っている。
「連合国が攻撃を仕掛けてくるにはまだ時間があるわね」
「はい、そうです」
まさにその通りだと宇垣も答える。
「彼等はそれぞれ戦力をかなり消耗していますので」
「その再建と再編成ですね」
リンフアも言う。
「それに時間が必要な為」
「彼等の侵攻は暫く先です」
宇垣は軍人でもある、だからこう答えることが出来た。
「暫くの間はソビエトとの前線である満州、エイリスとの前線であるインド洋には然程戦力を置きません。それよりも」
「はい、私達はですね」
「この度皆さんに来て頂いた理由は軍事のことではありません」
宇垣は外相としてシャルロットにも応えた。
「我等太平洋経済圏は連合の宣戦布告に対して毅然として反論するべきであると考えます」
「じゃあ売られた喧嘩は買うんだな」
アメリカが宇垣に問い返す。
「そういうことだな」
「その通りです、我々は彼等の宣戦布告に毅然として反論し」
そしてだった。
「その団結を見せるのです」
「じゃあ今からその宣言について話すあるな」
中国が宇垣に問うた。
「この日本から」
「そうです。京都宣言となるでしょうか」
御所のあるその場所からだというのだ。「
「この宣言はまさに戦争の新たな局面のはじまりでもあります」
「何か訳わからねえところあるけれどな」
フランスは腕を組み微妙な顔を見せる。
「顔触れが入れ替わり過ぎてな」
「あれっ、俺最初から枢軸だよ」
ムッチリーニと共にいるイタリアが言う。
「兄ちゃん達が入っただけだよ」
「それでも御前のところとドイツのところの妹さん達が連合に入っただろ」
フランスが言うのはこのことだった。
「イタリンとドクツ自体はな」
「あっ、そういうことなんだ」
「俺達三国は枢軸になったからな」
オフランスにガメリカ、中帝国の三国だ。
「それ考えると顔触れ変わっただろ」
「確かにそうだな」
ドイツもフランスのその言葉に頷く。
「敵味方がかなり入れ替わった、戦争は全く違うものになっている」
「だからこそです」
宇垣はドイツにも応えて言う。
「我々は連合国に対して諸国家の自立と太平洋経済圏の確立、そして主権を主張するのです」
「植民地だった諸国家のですね」
リンファが言う。
「独立を」
「その通りです、我々の戦いとは何か」
宇垣はこの戦争の第二幕、今の枢軸と連合の戦争を理解したうえで列席者に述べた。
「諸国家、諸国民の主権を勝ち取り太平洋経済圏を守ることです」
「そうした戦争になっていますね」
「はい、これまでは太平洋経済圏を築き諸国家が独立する為の戦争でした」
日本にも答える、これは確かにその通りだった。
日本とガメリカ、中帝国はその太平洋経済圏の盟主を決める為に戦っていたのだ、そしてその盟主が日本となったのだ。
諸国家も独立した、それで戦争の第一目的は達していた。
そしてさらにだったのだ。
「これからはです」
「諸国家の主権と経済圏を守る戦いですか」
「そうなったのです」
こう日本にまた話した宇垣だった。
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