| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

一夏のフルコース

「よっし、やるか!」

ウォータイガーを捕獲し、家へと戻ってきた一夏はウォータイガーを部位毎に分解して、調理を始めようとしていた。一夏は美食屋であるとと同時に料理人としても有名。

グルメ時代には『美食屋』と呼ばれる重要な職業が存在する、未知の味を求めて世界中を渡り歩き、様々な食材を捕獲・採取することを生業とする探検家でありハンター。見つけた食材はまず自らが口にし、味を確かめる。高級グルメ料理店からの彼らに対する「依頼」が後を絶たず、腕利きの美食屋は雇われた企業の株価をも左右するほどの存在。腕の良い美食屋は腕の良い料理人とコンビを組んで活動する事も多く、捕獲と調理で役割を分担して様々な食材を追いかけることもある。

その美食屋の中でも一際名高い者は極少数、その少数に一夏は入っていた。トリコ、ココ、サニー、ゼブラの美食四天王。その美食四天王と匹敵する程名を轟かせている一夏の兄、蛇龍覇王 龍神 龍人、その龍人の妹で一夏にとっての姉、女神(ヴィーナス) 龍神 優奈。そして、覇毒者 龍神 一夏。

一夏は超一流の美食屋でありながら、料理人としての腕も一流。国際グルメ機構、IGOが毎月発表する世界料理人のランキングで64位に入る料理の腕前を持っていた。が、現在は美食屋業に専念している為、ランキングからは除外されている。

「う~ん・・・。どういう風に調理しようかな・・・。揚げても旨いだろうし此処は焼くか?いやでも・・・よしシンプルに焼くか」

一夏はまるでダイヤのような輝きを放つ包丁を手にウォータイガーの肉を食べやすい大きさにカットし始めた。その作業スピードはまるで5人掛りで作業しているような速度だった。あっという間に肉は小さく加工されていき、ウォータイガーの肉の半分はステーキにするのに適した大きさへと切られていた。

「楽しみだな~ウォータイガーのステーキ。カツなら食った事あるんだけどステーキは初めてだな」
「任せといてくれよ、料理人ランキング元24位の龍兄?」
「元だ元」

一夏は兄を弄り終わると調理に専念する事にした。フライパンに油を敷き、十分に熱してからウォータイガーの肉をフライパンに置いた。肉からは魚介のエキスがたっぷりと詰まった肉汁が溢れ出し始める。エキスと肉からは食欲を直撃するような香ばしい匂いが舞い上がり、一夏と龍人はごくりと喉を鳴らす。

「やっばい・・・これ、フルコースの肉料理に入れたい・・・。こんな良い匂いのする肉初めてだ・・・」
「待て待て・・・決めるのは食ってからだろ・・・(じゅるり)」
「そうだね(じゅるり)」

なんというシンクロじゅるり、そして、その上から更に匂いを際出させるスパイスを掛けて更に焼き、良い頃合になったらフランパンから皿に落とす。それを龍人に差し出し、自分もナイフとフォークを持って喉を鳴らす。

「「いただきます!!」」

二人はウォータイガーの肉にナイフを入れて切り始める。

「や、柔らかい!!それに、切った所から次々に肉汁があふれ出してる!!まるでダムから放水される水のようだ!」
「それに、このスパイスで限界まで引き出されたこの肉の香り!ああ・・・匂いを頬張りたくなるようだぜ・・・」

そして二人は口へと肉を入れた・・・!!

「「!!!うめぇええええええ!!!!!!!!!!!!」」
「口に入れた途端に溶けやがった!大トロを思わせれるようなこの油、でも全くしつこくない。上品でそれでいてワイルドだぜ!!」
「一噛みすればそこから新たに肉汁が溢れ出して来て肉と様々な魚介類の旨みが口いっぱいに広がる!!肉はまるで最高級のサーロインとマグロの大トロ、プリップリ伊勢海老のような味と食感!噛む度に味わえるこの食感が楽しすぎる!!」
「これが!!海を渡る幻のトラ、ウォータイガー!!!最高だ!!!!」

一夏はナイフとフォークを置いた。皿を見るともう既に完食しきっていた。

「決まりだ・・・俺の人生のフルコースメニュー、肉料理はウォータイガーに決まりだぁぁあああ!!!!」

一夏 フルコースメニュー


前菜 未定
スープ       溶岩大亀のマグマスープ         捕獲レベル70
魚料理       純金クジラの刺身            捕獲レベル46
肉料理       ウォータイガーのステーキ        捕獲レベル70
メインディッシュ  ヴァリリアントドラゴンの姿焼き     捕獲レベル測定不能
サラダ       オゾン草のサラダ            捕獲レベル68
デザート      クラッジュの果実のシャーベット     捕獲レベル測定不能
ドリンク 未定

人生のフルコースメニュー。美食屋達がそれぞれ人生の目標とするメニュー、「オードブル(前菜)」「スープ」「魚料理」「肉料理」「メインディッシュ(主菜)」「サラダ」「デザート」「ドリンク」の8種類からなる。基本的に美食屋本人が捕獲した経験のある食材が記されるため、リストに記されている食材の捕獲レベルによって、その美食屋の実力がある程度判定できる。また、リストに記される食材には、その美食屋の個人的な嗜好やこだわりが反映される場合も少なくない。

一夏のフルコースメニュー食材の捕獲レベルはとても高く、水準としても非常に高い。特にクラッジュとヴァリリアントドラゴンはグルメ界に生息している為、滅多に口にする事は出来ないほど稀少。まだ前菜とドリンクは決まってはいないものの、完成する日はそう遠くないだろう。

「後は前菜とドリンクを残すのみか、あと何年で完成すんのかね?」

そういって龍人はグラスに太陽酒(サマーウイスキー)を注いで一気に飲み干す。

「一時期は太陽酒を考えてたんだけどさ、なんかこう・・・違うのが良いかな~って」

一夏は太陽酒に対抗するように虹の実ワインをグラスに注いで飲み干す。七色の虹のように味を変える舌の上で様々な味に変るの楽しみながら飲み干す。


「ふ~ん・・・。まあ頑張って揃えろよ。俺のフルコースはもう出来てるんだからな」
「あのフルコースは異常だろ、殆どがグルメ界の食材じゃねぇか。そうでなくても捕獲レベル100目前の食材ばっか。俺のフルコースとはレベルが違いすぎるだろ捕獲的な意味で」
「まあね~。それで明日行くのか?」

龍人は話題をいきなり変えた。

「ああ、明日妖食界に出向いて彼女に会って行って来るよ」
「行くのは良いんだけどさ、お前、その風貌で気付いてくれんのか?」
「さぁ?気付かれてもそれで良し、気付かれなくてもそれで良し。唯別れの挨拶と絶縁状叩き付けて来るだけだから」
「んじゃ俺も行くわ」
「はぁ!?なんでだよ!?」

一夏はひっくり返りそうになりながら、口に含んだワインをフライパンに吹きかけて火柱を上げさせる。

「いやちょっとばかし興味がね」
「まあいいけどさ、あっちにはそんな旨いもんも無いし大量に物も食えないぜ?」
「食没しとくから問題なし」
「ああそうだった。一緒に習得したんだった」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧