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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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チートドラゴン物語・四

 
前書き
段々適当でやりたい放題になりつつあるこの小説。・・・え?適当なのは最初から?・・・ごもっともで
実はまだリアルの事情さんが片付いてないのだがちょっと余裕が出来たので投下 

 
~応龍皇内部~

ばらばらと音を立ててはひっきりなしに空間中を飛び回る大量の札。何となく八卦陣や十六角形の形に変えてみる。

「天に十六地に八方ー!・・・よし、だいたい使えるようになったな」

念動力の使用によって符術の上達スピードがUPした俺は、シミュレーション(仮想現実訓練機。作った)でも国際警察機構のB級エキスパート位なら倒せるようになった。
・・・・・・この国際警察機構って組織、応龍データベースに記録されてた連中なんだがいろいろとおかしい。鉄扇で明らかに数十トンはある岩相手に持ちこたえたりカツ丼食べさせて自白を迫ったり馬に変身したりテレポートで相手を石の中に放り込んだり・・・とうとうA級エキスパートには念動力なしでは勝てなかった。九大天王とか言う幹部連中はムリゲーのクソゲーだった。
ついでに何故か日本神話のヤマトタケルっぽい人の戦闘データがあった。遊び半分にシュミレーションで戦ったら符が片っ端から真っ二つにされてホラーだった。日本神話怖ぇ。


「まだ不安ではあるけど・・・これだけ出来れば少なくとも今のナノハ=サンには負けないかな?」

応龍皇が現在進行形で常に収集しているデータを基に作った仮想魔王相手には問題なく勝てたから多分フェイト=サンにも勝ちを狙える。さらにいざという時の応龍サポートもあれば少なくとも逃げるのは楽勝!
よってそろそろプレセアさん(※未だに名前を間違てます)に会いに行ってみようと思う。さすがに応龍の角に引っかかったままの暮らしに困っていだろう。あの建造物には転移機能も備わっているようだが、龍玉から発散される無限力の影響で次元境界線が不安定になり大規模な転移が行えない状態のようだ。つまり全部俺の所為ですね分かります。

「・・・いいやっ!これもあのオタク司書のせいだ!俺は悪くないぞ俺は!」

いかんいかん心が揺らぐところだった。そもそもあの糞司書もどきがこんなドデカすぎるものを寄越したのがそもそもの始まりである。おんどれぇ・・・何が”フラスコを揺らす者”だ!エントロピーがネゲントロピーとか言ってたのも実は嘘なんだろうか!!俺ののんびりぐったりライフを返せぇぇぇぇぇ!!

「・・・ってこれ以上愚痴っててもらちが明かんな。準備準備・・・手土産はどら焼きとかでいいか」

どら焼きは好きだが中に生クリーム入れるとかやめてほしい。餡子(あんこ)の風味が損なわれるもん。やっぱり餡子とクリームはそれぞれ独立してこそ本領を発揮するものだと思うんだ。この気持ち・・・未来の猫型ロボットでなくともわかってくれるはず!!

等と馬鹿な事を考えるのは後にして、下準備に応龍皇のスーパー念写機能でコンバティール一家(※違いますってば)の様子を見てタイミングを伺うとしよう。部屋の天井辺りを飛んでいた謎水晶に内部の映像が映し出される。すげー何だか占い師みてぇ。やってんのは覗きだけど。
今まさにあの建造物の台所ではプレセアさんと思しき人、フェイト=サン、犬耳、猫耳の4人がご飯を食べ終えたようだ。そろそろ向かってもいいタイミングか。飯の途中の宗教勧誘とかマジウゼェから食事中は行かないのが俺のジャスティスだ。



・・・ん?待てよ?猫耳?





・・・・・・誰や君はーーー!?!?
(※光龍は原作をよく知らないのでリニスの存在を覚えてません)


待て待て待て落ち着けKOOLになれれれれ冷静になるんだ光龍・・・こんなでかい龍がいるんだからバタフライエフェクトで何かしら原作勢の事情が変わっている可能性だってゼロじゃない。あの猫耳さんはきっと別行動中だった仲間か誰かだ。先ずは音声を拾って情報収集するんだ・・・話はそれからだ!

「って、あれ?そもそもコンバティール一家(※まだ言うか!)は現在家庭崩壊状態だったはずでは・・・?」




~時の庭園、キッチン~

「まったく貴方達家族には呆れて物も言えません!まさか私が居なくなってから今の今まで一切自炊をせずにインスタントやレトルト食品ばかり食べていたとは・・・!!自分たちの身体が今どんな状態にあるか考えたことあるんですか!?」
「えっと・・・ジュエルシード集めに忙しくてつい・・・」
「私は今更健康に気を遣うような身体じゃないし・・・」
「料理できないからドッグフードで済ませていたら・・・」
「言い訳しない!!」
「「「は、はいぃ!!」」」

リニスはプリプリと怒りながらも手早く食器類を片づけていく。見た目だけ見れば子供たちを叱るお姉さんに見えるのだが、怒られてるメンツに約一名世話を焼く側の筈の人間が混ざっているだけに始末が悪い。

プレシアの気まぐれで無理やり蘇生させられたリニスは、無限力の奔流の中である程度テスタロッサ一家の様子を知っていた。だがそれは端から端まですべて把握していた訳ではく、あくまで彼女たちの本質的な部分を感覚で理解していたに過ぎない。例えばそう、彼女たちの食生活とかは全く知らなかった。だからこそリニスは彼女たちの悲惨とさえ言える食生活に激怒した。

まずはフェイト。育ちざかりの身体に栄養の偏った高カロリー食ばかりというのは当然ながら健康に悪い。今時は栄養バランスやカロリーを考慮されたお手軽食品もあるが、それでも塩分を取りすぎたり食物繊維や鉄分などが不足したりと健康にいいとは言えないのだ。
次にプレシア。病人だから余り食事を多く取れないのは仕方がない。だがこの女、バランス栄養食品を1日2食というフェイト以上にひどい食事を行っていたのだ。しかも研究に夢中になったらその食事さえも消えてなくなっていたという。食事が1日3食を理想とするのは医学的な根拠があっての事であるのになぜ自分で自分の寿命を縮めるような真似をしているのやら。
で、最後にアルフ。人型になれるのだからせめて人間の食事をしなさい。私に聞かせてくれた狼の誇りとはなんだったんですか。

とまぁこんな感じに壊滅状態だったわけで、世話焼き気質のリニスは全員分の食事を1日3食きっちり作って無理やり食べさせることを決意した。結果は見ての通り、完全にリニスがヒエラルキーの頂点に立っている。これではどちらが主人なのか分かったものではない。多分自分が本来ここにいるべきではない存在であることを完全に忘れていると思われる。



そしてそんなリニスの背中を眺めながら、フェイトは不思議な気分になっていた。

自分がいて、アルフがいて、リニスがいて、プレシアがいて、そして全員で食卓を囲っている。プレシアはご飯がおいしいと喜び、リニスはアルフにテーブルマナーが悪いと叱り、それを見ながら自分もクスリと笑ってしまう。そんな何処にでもありそうなしかし今まで決して叶わなかった光景が、目の前で起こっている。現実で起きているはずなのに、現実味が薄いと思える幸せな光景。

ふと、実はこれは夢なんじゃないかと考える。それで目が覚めたらアルフはいつも通りドッグフードを齧り、自分は延々とジュエルシードを捜し、プレシアはいつも通り怖い顔をしていて、そしてリニスは何処にもいないのではないか。それを考えるとまるで自分の立つ床が無くなるような恐怖に見舞われた。
でも、次の日もリニスはいた。次の日もプレシアは自分を叱らずに笑顔を見せてくれた。
そうしてフェイトはようやくこれが夢ではないことを自覚することが出来た。
あり得るようであり得なかった生活がある。自分の求めてやまなかった日常が目の前にある。まるで今までのすべてが悪い夢で、こっちが現実だったんだよと優しく囁かれているような気がした。それがどうしようもなく嬉しくて、安心した。これが幸せなのだと納得した。

「・・・フェイト!?」
「・・・・・・あ、れ」

気が付けば自分の手の甲に水滴が落ちていた。どこから、と思った瞬間にプレシアがハンカチで自分の顔を吹き、それで初めて自分の目から涙が零れ落ちたことに気付く。

「おかしいなぁ。すごく幸せなはずなのに・・・どうして涙が止まらないの?」
「・・・止めなくてもいいのですよ。流した方がいいです」

気が付けばリニスが優しく自分の頭を撫でていた。昔のように優しい笑顔で。

それから、フェイトは今までの人生でずっと溜め続けてきた悲しみを全て流しきるかのように、ずっと泣き続けた。その涙を溜めさせた張本人であることを自覚しているプレシアは、その後も研究を中断してずっとフェイトの涙を拭いてあげた。
まだまだ足りないものも伝えきれていないことも多い二人だが、そこには確かな絆があるものだと信じたい。









・・・そして、完全に行くタイミングを失った光龍はその光景に事情も分から無いくせに感動して号泣していたという。泣ける話には滅法弱いようだ。

「う゛ん・・・明日にじよう・・・ずずっ、今日は、ごのま゛ま゛でいいよ゛ね・・・」

光龍のラスボス接触計画、延期決定。





 魔法少女リリカルなのは ~もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?~

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なのは「ってジュエルシード集めが終わってないのに勝手に終わらせちゃ駄目なの!!」
レイハ「Divine Buster!」
海戦型「ぬわー!!」







~その頃アースラ~

「本局から増援に参りました、クルト・ルナエッジ上等空士であります」
「同じく増援のニルス・ゴダイ空曹であります!」
「同じく、マリアンロッド・アースライト執務官であります。以上3名、これよりリンディ・ハラオウン提督の指揮下に入ります」
「え、ええ・・・よろしく」

3人を見た時のリンディは軽く頭を抱えた。確かに自分は増援を要請した。それも例の未確認ロストロギアの危険性もキッチリ説明した上で、だ。
ところが増援にやってきたのがよりにもよって全員成人どころか10代前半とは・・・
ついでに言わせてもらうと増援に寄越されたその3人に見覚えがあったのだ。彼らは確かクロノとエイミィと同期の子たちである。

それでも彼らが士官学校首席卒業者であり幼くして実力を認められた者たちであることを考えると本局も本気なのかもしれない。
時空管理局は慢性的な人材不足に悩まされている。だからこそ人材は例え新人でも貴重な戦力だ。
それに・・・クルトとニルスは弱冠8歳、マリアンは何と最年少の5歳で士官学校の門を叩くことを許された本物の神童たちである。実戦経験4年、クルトとマリアンはオーバーSランクの魔力を誇り、ニルスもその技量から異例の速さで戦技教導隊へのスカウトが来たほどの逸材だ。管理局内ではクロノと4人合わせて「四星の麒麟児」等と呼ばれていた。
おまけに3人とも空戦が可能。この情報だけを聞けば十分に心強い援軍なのだ。
なのだが・・・

ちらりとその援軍たちと話をしている自分の息子を見やる。

「よう、クロエイコンビ。卒業式以来だな?」
「・・・その呼び方やめてもらえないかな。何だか魚みたいで嫌なんだが」
「私としてはあれだけ在学中にやらかしまくったあんた達が首席卒業したってことが納得いかないんだけど・・・あ、ニルスは真面目だから別としてね?」
「ご指名みたいよ?私達とは違って優等生のニルス君」
「嫌味にしか聞こえないのは気のせいだと思っておくよ・・・何にせよ、これからよろしくね?」
「ニルス、君だけが頼りだ・・・残りのデストロイヤー2人のフォローを頼むよ、いやマジで」
「失礼な。必要のない破壊はしないぞ。必要とあらば壊すが」
「流れ弾の事なんていちいち気にしてられないわ」
「「「壊す気満々かっ!!」」」

緊張感のない会話をする子供たちに思わずため息がこぼれる。
正直あの巨大ロストロギア反応の後では非常に心許なく感じる。しかも3人とも学生時代は数多くの問題を起こした伝説のトリオとしても有名だ。どうしても内心で愚痴をこぼさずにはいられないリンディだった。

(私たち、生きて再びミッドの地を踏めるのかしら)

管理局の命運はアースラクルーの手に託された・・・かもしれない。


つ づ け 
 

 
後書き
応龍皇出現による管理局側の影響を考えて人材を追加してみた。
クルト、ニルス、マリアンの3人とも昔に海戦型が考えたオリキャラだったりするが、折角だから出すだけ出してみただけ。深い意味はないし、彼らは転生者ではない。出番もあんまりないし、ぶっちゃけ何で出したのか海戦型にも分からない。深夜テンション怖い。

まぁチートオリ主共には敵わないんですけど。

転生者の法則その5、自分が死んだときのことを覚えていない。
 
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