転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0293話
朝倉がネギに協力すると明言した翌日。その日の学校生活は特に何事も無く過ぎていく。……まぁ、エヴァは当然の如くエスケープして授業には出ていなかったが。
ネギもそれを気にしてはいたようだが、現在は情報収集の段階と割り切っているのか昨日程の追い詰められたような感じはしていない。
そしてそのまま授業が終わり、放課後……
「結局今日は何もありませんでしたわね」
「そうねぇ。ネギ先生の事だから、てっきりエヴァンジェリンさんに決闘を挑むとかすると思ったんだけどそれも無かったし」
あやかと千鶴が俺の近くに来てそう呟く。
「ま、幾らネギでも急いては事を仕損じるというくらいは分かってるんだろうさ。所で2人の今日の放課後の予定は?」
「私は馬術部の方で活動があります」
「昨日ボランティアの担当を代わって貰った分、今日は私が行かないと駄目ね」
どうやら2人共用事がある、か。
まあ、今言ったようにネギも昨日の今日で仕掛けるなんて真似はしないだろう。
「じゃ、俺も今日は久しぶりにゆっくりさせてもらうとするかな」
それだけ言って、結局その場は解散となった。
「さすが麻帆良。当たり外れが大きいな」
そう呟き、爪楊枝に刺さっているたこ焼きを口の中へと放り込む。
数日前に食べたたこ焼きは外はフニャッと、中はパサパサ。タコはほんの爪先程ととても美味いとは言えない物だった。……まぁ、6個入り150円という値段相応と言えば相応なんだが。
それに比べると今日買ったたこ焼きは外はカリッと、中はトロリとしていてタコもかなり大きい物が入っていた。これで8個250円というのだから大当たりだろう。
「毎度。当たりと言われるのは嬉しいね」
20代程の屋台の兄ちゃんがそう言って笑みを浮かべてくる。
「ほれ。これは褒めて貰ったお礼だ坊主」
そう言って、焼きたてのたこ焼きを2個舟へと追加してくれる。
「悪いな。また寄らせて貰うよ」
「あいよ。にしても、随分難しい言葉を使う坊主だな」
そんな言葉を背に、たこ焼きを食べながら麻帆良を散策する。
ソレを見つけたのは、ある意味で偶然だったのかもしれない。ただ1つ言えるのは、もしこの時俺がいなかったとしたら取り返しの付かない事になっていた可能性もあるという事か。
「あれはネギ……と神楽坂?」
コソコソと、まるで人目に付くのを恐れるかのように物陰に隠れている2人。……ついでに、ネギの肩にカモ。
その視線の先には茶々丸の姿があった。
「……おいおい」
もしかして、各個撃破してエヴァの戦力を減らそうなんて考えてるんじゃないだろうな。
いや、その考えは正しい。この上なく正しいのだ。だが、問題はネギが敵を殺す覚悟を持ってそれを行えるのかという事。茶々丸は確かにガイノイドで人間ではないが量産型Wと違い確固とした自我を持っている。つまりは人間と同じなのだ。それを殺す――正確には壊すだが――というのは、年端も行かないネギにとって精神的なダメージが大きすぎるだろう。それを理解した上で選んだ選択だというのならともかく、何となく成り行きでとなると……
「はぁ」
溜息を一つ吐き、残っていたたこ焼きを素早く口の中に収めてゴミを捨てる。そしてたこ焼きの熱さに口をハフハフとしながらも茶々丸の後を尾行していくネギ達の後をこっそりと追う。
俺が近右衛門に頼まれている仕事は、いざという時のフォロー。このままネギが茶々丸に対して攻撃し、それが精神的に深いダメージとなる可能性を考えるとこれもまた一応俺の職分だろう。
「ま、もっともネギがそんな軽はずみな事をするとは思いたくないけどな」
無難に考えるのなら、各個撃破は各個撃破でも茶々丸を殺すんじゃなく拘束するなりなんなりしてエヴァから離すという所だろう。現状のエヴァは肉体的には普通の子供と変わらないので、茶々丸がいないだけでも大きなダメージになる筈だ。
「……いや、何て言うか……」
思わず言葉に困る。
視線の先にはネギと神楽坂。そしてその先には茶々丸の姿があるのだが、その茶々丸が何と言うか凄かった。
子供が風船を木に引っかけて泣いていればその風船を取ってやり、老婆が歩道橋を渡るのに苦労していれば背負ってやり、子猫が段ボールに入れられたまま川に流されているのを見れば何の躊躇いもなく川へと飛び込み子猫を救助する。そして近くの広場で猫達へと餌をやる。
エヴァの家に初めて行った時にも感じた事だが、茶々丸には良心回路とでも呼ぶべき物が備わっているんだろうか。ネギ達もそんな茶々丸を見て感動した様子で目を潤ませている。
「これは放っておいても大丈夫か?」
そんな風に思ったその時だ。ネギと神楽坂が意を決したように茶々丸の前へとその姿を現す。
1分程お互いに話をしていたようだが、結局はやりあう事になったらしく神楽坂が茶々丸へと突っ込んで……
「何っ!?」
確かに神楽坂の運動神経の良さは知っている。特に新聞配達で鍛えたというその脚力は認識阻害の結界のおかげで悪目立ちこそしていないが、冗談抜きにオリンピックレベルと言っても過言ではないレベルだ。だが、それでもあくまでも一般人レベルでの凄さでしかない。だが、神楽坂が茶々丸に突っ込んでいった今の速度は明らかにそれ以上のものだった。
不審に思い、茶々丸と何故かデコピンでやり取りをしている神楽坂を観察する。すると、その身体から魔力が放たれているのが感じ取れる。
「神楽坂から魔力、だと?」
不審に思ったのは一瞬。次の瞬間にはカモから聞かされた仮契約の事を思い出す。確かパクティオーカードの機能に従者への魔力供給というのがあった筈だ。恐らくそれを使っているのだろう。
そのやり取りをしながら呪文を唱えて茶々丸との距離を計るネギ。そして神楽坂と茶々丸の距離が離れたその瞬間。
『魔法の射手 連弾・光の11矢』
ネギの周囲から最も基本的な魔法の射手が撃ち放たれた。……俺の予想していた戒めの風矢ではなく、光の矢が。
「ちぃっ!?」
その光景を見た瞬間、殆ど反射的に瞬動を使い茶々丸の方へと突っ込んでいく。だが、この速度ではまだ遅い。ならどうする? 決まっている。より速度を上げればいいだけの事だ。
「加速!」
瞬動と加速の重ね掛け。その効果は凄まじく、300m程の距離をほんの一瞬で0にした。本来の瞬動で移動出来る距離が7~8m程度というのを考えると、精神コマンドと瞬動の同時使用による効果は相乗していると言ってもいいだろう。
「アクセル君!?」
唐突に現れた俺に驚きの声を上げるネギ。だが既に放たれた光の矢は茶々丸の前にいる俺へと向かって来ている。一瞬だけスライムを使うかどうか迷ったが、次の瞬間には腕輪がまるで自己主張するかのように脈動したような気がした。まるで自分に任せろ、とでもいうように。それを感じ取った俺は魔力を集中させ……
『10の影槍!』
極限まで高まった集中力。そして無尽蔵にSPを吸収した極上品の魔法発動体である腕輪。この2つの効果もあり、始動キーを使わない無詠唱呪文が完成した。
放たれた影の槍。それがこちらへと向かって来ている光の矢を迎撃する。
……いや、迎撃というのは正しくないか。まるで熱したフライパンに落としたバターのように光の矢は影の槍により全てがかき消されたのだ。
「そんな、兄貴の魔法がこうもあっさりと……」
カモの震えるような声が聞こえて来るが、恐らくこれは魔法の技量とかそういうのではなく、純粋に込められた魔力量の差だろう。
「……はっ、ア、アクセルの兄貴! 何で邪魔したんだよ!」
ネギの魔法が一方的に消滅させられたのを呆然と見ていたカモだったが、我に返ったのかこちらへと怒鳴りつけてきた。
「なるほど、今回のこれはお前の差し金か」
「アクセルさん……」
俺がそう呟くのと同時に、背後から声を掛けられる。そこにはどこか心配そうに俺を見ている茶々丸の姿があった。
「ここはもういいから、エヴァの所へ戻れ」
「ですが……」
「大丈夫だから、行け」
「……はい。ありがとうございました」
ペコリと一礼して、バーニアを噴射させながらこの場から飛び去る茶々丸。その後ろ姿を見送ってからネギの方へと視線を向ける。
「さて。何で俺が止めたのか分かるか?」
「……」
「あのままお前の魔法が命中していれば、茶々丸は破壊されて……いや、死んでいただろう」
もっとも、ネギの事だ。何だかんだで結局は光の矢を茶々丸に当てずに外していた可能性もあるが、今問題なのはネギが茶々丸に向かって成り行きで攻撃魔法を使った事。
「ちょっと待ってくれよ、アクセルの兄貴。あの茶々丸って奴はロボットだろう?」
俺の言葉に割り込んでくるカモ。確かにそれは正しい。だが……
「確かにロボットだが、確固とした自我を確立させた存在でもある。なら、それは一つの生き物と認識してもおかしくはないだろう? ……ネギ。お前がもし茶々丸を殺した場合、お前はそれを背負えるのか?」
「そ、それは……」
「お前がそれを背負えるというのなら、確かに俺がしたのは横槍以外のなにものでもないだろう。だが、そうでないと言うのなら……」
正直、今まで散々人を殺してきた俺に言えた綺麗事ではない。だが、それでも今のネギに人の死、それも自分の生徒を自分で殺した結果を背負えるとはとても思えないのだ。だからこそ、俺はここで改めてネギへと尋ねる。
人の死を背負えるのか、と。
「ぼ、僕は……」
「ネギ。私は今回、アクセルが邪魔をしてくれて良かったと思う。いくらロボットだって言ったって、茶々丸さんは2年間一緒のクラスで過ごしてきたんだもの」
「アスナさん」
ネギの頭を撫でながら、神楽坂が慰めるようにそう言う。
ガキが嫌いだと公言している割には、立派に姉の役割を果たしているな。
「取りあえず今日はもう帰れ。そして、今俺が言った事を良く考えてみるんだな」
「……うん。でも、止めてくれてありがとう」
ペコリと軽く頭を下げて去っていくネギ。
今の言葉に全てが詰まってると思うんだがな。
「アクセル、その、私からも礼を言っておくわ。ありがと」
照れくさいのか、頬を赤くして短く礼を言ってネギの後を追う神楽坂。
ちなみにカモはネギの肩の上であれこれと話し掛けているようだ。
全く、カモもネギを慕っているのはいいんだがどうにも行き当たりばったりと言うか、後の事を考えてないと言うか。
「……取りあえず、近右衛門に知らせておいた方がいいだろうな」
そう判断し、携帯を取り出して近右衛門へと連絡を取るのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
???
???
撃墜数:376
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